VS武帝蛇
「ヒールア！」
パワルドの下に駆け寄り、
ヒールより効果の高い回復スキルを唱える。
意識を失っているが、息はある。
そのまま寝かせ、武帝蛇に視線を戻す。
ララリリ姉妹と武帝蛇の激しい攻防が
繰り広げられている。
ニャルマーは近くで見ているが、
震えたまま手も足も出せないでいた。
そんな彼女に攻撃が行かないよう
ララリリ姉妹は立ち振る舞、
窮屈な動きに見える。
元の場所へと歩き始めると、ララリリ姉妹と
武帝蛇の戦闘が一旦収まり距離が開く。
「ちと、お嬢さん邪魔じゃの。」
武帝蛇は一言いいながら目を光らせると
戦意を失っていたニャルマーが消えた。
「こっちもじゃな。」
そして今度は近づく俺と視線が合い、
目を再び光らせる。
振り返ると先ほど地面に寝かせた
パワルドの姿がない。
「パワルド・・・」
驚きながら武帝蛇を睨む。
「安心せい。暫し離れてもらっとるだけじゃ。
これで２人も動きやすかろうて。」
ララリリ姉妹の不自然な動きに武帝蛇は気付いていて、
敢てニャルマーへの攻撃しなかったようだ。
「本気を出しまショウか、お姉さま。」
「そぉね。気に入らないわ。
あぁたは、手出さないどいて貰えるかしぁ。」
手の上で転がされていると感じた姉妹はイラっとし、
俺が入るのを嫌がり武帝蛇に向き合う。
先ほどより激しい戦闘が繰り広げられる。
ララリリ姉妹の息の合ったコンビネーション。
俺がいたらかえってやりにくかったんだろう。
ただ、手数は多いが、１発１発は武帝蛇の方が重く、
姉妹が喰らっているダメージの方が大きい。
手数が多いゆえに、スタミナも失われていく。
そして隙ができ、手痛い攻撃を喰らう頻度が増える。
助太刀しようと剣を構えると、
ララが余計な事するなと睨んでくる。
額から汗を滴らせ大きく息を切らしている姉妹とは対照的に、
武帝蛇はじゃれあい遊んでいるようだ。
ララとリリが視線を合わせ頷く。
「「戦鬼 解放！」」
防御力と引き換えに攻撃力を高め、
目の前にいる者を殲滅する鬼と化す。
気迫と共に武帝蛇が押される。
が、それもほんの僅かな時間。
姉妹は攻撃を受けるたびに大ダメージを受け、
攻撃力もみるみる下がり、
もはや戦記解放する前より下がっている。
２人が戦闘不能になるのも時間の問題だろう。
剣を構えパワーアップを掛ける。
武帝蛇の関心が俺に移る。
遊び飽きたおもちゃを投げ捨てるように
ララを地面に叩きつけ、リリを弾き飛ばす。
ララの呼吸は荒いが起き上がってこない。
リリの様子は分からない。
武帝蛇はゆっくり近づいてくる。
「真打ち登場じゃな。」
「いや、最初からいるし。」
ふと気づくと、ララの姿がない。
そしてリリも。
「本気で来たらどうじゃ。」
そう言い終えると、今までにない殺気を放つ。
固唾を呑み、地面に擦り付けながら足幅を広げ
腰を落とし相対する。
疾風のごとく間合いを詰め斬撃を与える。
今この場には観客は居ない。
もし居たとしたら、「瞬間移動した」
そう見えるくらいの速度で切りかかった。
その斬撃は武帝蛇から１０センチほどの所で、
バリアに阻まれ、バリアは消える。
お返しとばかりに、スロットのリールの様に
縦に回転し尻尾を叩きつけてくる。
左手の盾で受けつつ、後退し衝撃を吸収する。
「瞬連撃！」
即座に反撃。
鱗に傷が付く。
クールタイムのため、間合いを取る。
武帝蛇は気弾を放ってきた。
１発、１発が重い。
レベル３００越えだから耐えれるものの、
レベル１００程度たったら即死級の攻撃だろ、コレ。
「スピードアップ！」
素早さを上げつつ、間合いを詰め、
斬撃を与える。
武帝蛇が大きく口を開けて襲ってくる。
下がっていた剣を上へ振り上げ
下顎にぶつける。
噛み付かれはしなかったが、
武帝蛇の頭がクリーンヒット。
「ヒールア！」
痛いよ～、痛いよ～、おに～ちゃ～ん (´；ω；`)
こっちが回復している間に、
武帝蛇が一瞬光り、またバリアを張られた。
「ウインドカッター！」
距離を取りつつ、剣を装備しての魔法攻撃。
自身の魔力のみの威力なためダメージは期待できない。
先ほど斬撃を与えただけでバリアは消えた。
魔法でも消えてくれるのではと使ってみた。
案の定、バリアは消えた。
バリア対策はこれでバッチリ（＾o＾）ｂ
「ッカ！」
武帝蛇は全身に力を籠め、気合を放った。
衝撃波と共に
【バフ無効 ３：００】
【魔法スキル無効 ３：００】
を受けてしまう。
先ほどかけたバフは、またも剥がされてしまった。
バリア対策も魔法でかき消すことができなくなってしまった。
orz
次回は８月２８日リリース予定です。
良い夏休みを～（＾O＾）/
