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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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召喚スキル ~ マッシブギガント ~

「こりゃ簡単だな。」

パワルドは事も無げに言いながら、

歩みを止め振り返った。


「でシタね。もう終わりにシタイわ。」

リリはダルそうに振り返りパワルドへ続く。


「あ~。」

一瞬ヒヤッとしたが、間違えていた訳では無くて、

単純にこれ自体が間違えってことか。

ようやく理解し、引き返す事にした。


「ん~~、、、はっ、しょうゆぅこと?

あったく、くだらないぁ。」

唸っていたララも状況を理解したようだ。


「え、醤油?ねぇ、何なの、醤油って?」

ララは歯の出ているお笑い芸人を真似た訳では

無いだろうが、ニャルマーは醤油というワードが

気に掛かってしまったようだ。

分かっていないニャルマーもララと一緒に引き返す。


いつもなら存在するであろう標識が無い。

そして、鳴り響いていた不気味な音も次第に大きくなり、

今なら何を言っているか聞き取れる。


【『大蛇の宝珠』を捧げよ。】と。


暫し進むと開けた場所に出た。

薄く虹色に輝く半透明の正七角形で作られた

3メートルほどの半球状の結界が目の前に存在している。


内部には辛うじて横たわっている黒い大蛇いる。

口が動いいている様子はないものの周囲に響く音は、

ここから発せられている。


パワルド達は途中で止まり、

大蛇の宝珠を持っている俺だけ結界の前へと進む。


そして、門の前で掲げたように、

宝珠を高く掲げる。


周囲が眩く。


咄嗟に宝珠を顔の前に下げ、目を閉じる。

一時的に視界を失った。


目を眩ます閃光が収まり、ゆっくりと瞼を開いた。

先ほどまで目の前に存在していた結界は消え、

黒き巨大な蛇が龍が如く宙に浮き、

見る者全てが畏敬の念を抱く神々しさを放っていた。


「我は武帝蛇。

失われし我が力、貴殿に感謝するのじゃ。」

長い年月を経て深みと力強さを兼ね備えた声が頭の中に直接響く。


手に持っていた宝珠が無くなっている。

先ほどまで横たわっていた蛇とは似つかず、

壮麗なその姿に唖然とし、言葉が出ない。


「うむ、なるほど。貴殿の功績に、これを授けるのじゃ。」

じっと睨みを利かせ俺の何かを把握すると、

『ピロリーン!』とステータス画面が鳴った。


確認するとクエストの報酬が変わっていた。


-----------------------------------------------------------------------

<クエスト>

 『大蛇の宝珠』を捧げよ。

 報酬:マッシブギガント(召喚スキル)

-----------------------------------------------------------------------


クエストも達成となったので、報酬を受け取る。


召喚スキルの1つであるマッシブギガントの

説明を確認した。


-----------------------------------------------------------------------

召喚獣はレベル100以上の召喚獣1体を

巨獣化しステータスを大幅に上げる。

 使用時間 召喚獣毎に異なる

 再使用可能時間 8時間

 

-----------------------------------------------------------------------


愕然とした。

使えないじゃん。

一番レベルの高い熊太郎とベア子ですら

70も到達してないのに。。。


「ほう、珍しい組み合わせじゃの。」

武帝蛇はたじろいでいる4人を品定めする。


「鬼の子か。

面白そうじゃしちょっと揉んじゃるか。

全員で遠慮なくかかってくるんじゃ。」

武帝蛇はララリリ姉妹を挑発し、

殺気を放った。

周囲が一気にピリつく。


バックステップで距離を取り、

パワルド達の所まで下がる。

4人とも既に武器を構えている。


武帝蛇は煽るように体をくねらせ滑空する。


初手、動いたのはパワルド。

「爆裂拳!」

無数のパンチが放たれる。


武帝蛇は防御する素振りもなく

全てまともに喰らい平然としている。


ララとニャルマーは時計回りに、

リリは反時計回りに動く。


クールタイムで間合いを取るパワルドと入れ替わる形で、

ララとリリが両サイドから攻撃する。


「鉄砕牙!」

短剣を牙の様にし、ララが斬撃を与える。


「満怒塁打!」

リリは重心を後ろへ乗せ溜を作ってから、

斧をフルスイングする。


もし、相手が野球のボールであれば、

グランドスラムだったかもしれない。

だが、結果的に斧は手元からひん曲がっている。


「はぁ、安モンはダメですね。┐(~∀~)┌ 」

何か前にも見た事がある光景。

リリは武帝蛇から距離を取り、

別の斧に装備しなおしている。


背後に回ったニャルマーは剣を高く上げ、

真下へと振り斬撃を与える。

「渾身斬!」


皆が攻撃している間にマジックアップをかける。

「ウインドカッター!」

武帝蛇の喉元に風の刃が当たる。


いずれの攻撃も強固な体鱗に阻まれ、

大きくダメージが入っているようには思えない。


「ッカ!」

武帝蛇は全身に力を籠め、気合を放った。


衝撃波と共に

 【バフ無効 3:00】

 【魔法スキル無効 3:00】

を受けてしまう。


先ほどかけたマジックアップも剥がされてしまった。

3分、この場において決して短い時間ではない。


乱鬼龍の剣に装備を変えた。


「七連脚!」

パワルドが再び攻撃する。

右足で上下、回転しながら左、右、左、右、

最後に力を込めた右の蹴りを与える。


「鉄砕牙!」

ララが斬撃を与える。


「満怒塁打!」

遅れてリリが攻撃する。

今度は背丈程あり、

丈夫そうな斧を装備している。


今までビクともしなかった武帝蛇の体に

衝撃が走る。


「瞬連撃!」

リリが与えたダメージと同じ場所に

ニャルマーが連続で追撃する。


「瞬連撃!」

同じように俺も斬撃を与えた。


「マジェスティック・オーラァァ!!」

武帝蛇は威圧を放ってから、体を回転させ攻撃してきた。


パワルドは飛ばされぐったりしている。

ニャルマーはギリギリで躱したものの、

咆哮の威圧の影響もあって、足が震えてしまった。

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