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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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正しきは進め

高麗門の結界が消えた。


頭の上に掲げた大蛇の宝珠を胸元まで下げ、

吸い込まれるように中へと入る。


「やったな。」

続けて入ってきたパワルドが肩をポンと叩いてきた。


「んで、それは何かしぁ?」

ララは俺の胸元にある宝珠をじっと見ている。


「大蛇の宝珠だけど。」

「ふ~ん。」

聞いてきた割に、既に興味が失せている。


「まだ声は聞こえてるけど。」

耳を動かしているニャルマーの言う通り、

まだ不気味な音が響いている。


「先へ進みまショウか。」

鬱蒼と茂る木々に挟まれた道が続いている。


分岐する道もなく、

右へカーブし、左にカーブと道形に進む。


30メートル程の直線の中央付近に

ゼロジャナイが現れた。

パワルドの拳が炸裂し、一撃で仕留める。


先へと進み、左へカーブ、右にカーブする。

「ん、何かあるな。」

パワルドが標識を見つけた。


上に大きく『1』、

その下に『正しきは進め ⇒』と書かれている。


矢印はこの先を指している。

「どういう意味かしぁ?」

ララに尋ねられたリリは、首を傾げ考え込んでいる。


パワルドは標識の裏を確認し、

ニャルマーは周囲の音を聞きながら左右を

注意深く見ている。


空を見て足元、周囲を見回し、

矢印の指す道の先を見た。


「行ってみよっか。」

ここで立ち止まってても仕方がない。

来た道を戻るか、奥へ進むか、選択肢は2つしかない。

全員で奥へと再び歩き始める。


右へカーブ、左にカーブと道形に進む。

30メートル程の直線の中央付近にイチジャナイが現れた。

パワルドの拳が炸裂し、一撃で仕留める。


更に道形に進み、左へカーブ、右にカーブする。

また、標識がある。


「今度は2だな。」

大きめの数字の下には、

またも『正しきは進め ⇒』と書かれている。


「よく分かんないけど、ま、進もうか。」

隣を歩くパワルドは軽くうなずいた。


右へカーブ、左にカーブと道形に進む。


そして、30メートル程の直線の道はぬかるみ、

中央付近にニデアルが現れた。

ニャルマーが颯爽と斬撃を加え、魔素へと還す。


更に道形に進み、左へカーブ、右にカーブする。

「あれ?今度は0だ。」

1、2と来たから3だと思ったんだけど。。。


「意味分かんねぇな。」

パワルドと一緒に歩みを止めて標識をよく見る。

例によって、数字の下には

『正しきは進め ⇒』と書かれている。


「止まってても仕方ないぁよ。」

ララは標識に目もくれず先へ進んでしまう。

ララとニャルマーも行ってしまい、

パワルドと共に追いかける。


道形に沿っていくと、イチジャナイが現れ、

ララがざっくりと魔素へと還す。

そして、またも標識が現れた。


「ゼロ・・・」

ララは気にせず進んでしまい追いかける。


この後も同じように標識が設置されていて、

0、1、0、0、1、2と進んだ。


「なあ、これ同じところ歩ってるよな。」

パワルドは0と書かれた標識を見て嘆く。


「ねぇニャルマー、この変な声は変化ある?」

「これだけ進めば声が大きくなるとか

聞き取りやすくなるとかあると思うんだけど。。。」

首を二度振りながら答えた。


「だったら、あぁた、そこで待ってたら。」

ララは突き放す様に言い放つ。


「ああ、そうだな。」

そう言い、パワルドは0と書かれた標識の前に立つ。


ララは先へと進んでいく。

その後をリリ、ニャルマーが付いていく。

俺はパワルドが一人になってしまうので残った。


「んで、どうなの?」

二手に分かれるというリスクを取ったパワルドに尋ねる。

無策という訳では無いだろう。


「ん~、どうって言われてもな。」

パワルドは矢印と反対側、先程通った道を見る。


「来ると思う?」

「五分だな。

闇雲に歩くより、コイツの意味を解読すべきだな。」

今度は数字の下に書かれている

『正しきは進め ⇒』に目をやる。


「正しきは、ってことは逆に正しくなければ進んでは駄目。」

「だろうな。って事は、何が正しくて、

何が正しくないかだよな。」

「ん~、何が正しいんだ、、、、正しければ先へ進んむ。

数が増えていくのか?」

「多分間違えると0なんだろうな。」

「あ、そういや、最初にぬかるん道を通った後0だったっけ。」

「モンスターがいなかった後も0だったな。」

「んじゃ、他は?」

「・・・」

パワルドは無言で首を横に振る。


大方、意味は分かったが、

他に0になった理由は分からない。


頭を悩ませていると、ララたち3人が矢印の

逆方向から姿を現した。


「久しぶり~。」

笑顔で手を振ると、ララリリ姉妹は不貞腐れた顔をした。


「やっぱり間違えた様だな。」

「何よ、どういう意味かしぁ?」

ララはパワルドに問い詰める。


パワルドが俺たちの考えを伝える。


「さっき変わった所なんてあったかしぁ?」

「いえ、無かったカト。

お二人の考えは単なる推測デショウ。」

「あっ、枯れ木が一本有ったかも。

ほら、ニデアルを倒した所に。」

ニャルマーがララリリ姉妹の会話に割って入る。


「有ったかしぁ?」

「分かりかねマス。。。」

「んなら、確認してくるぁ。」

ララは来た道を戻り始めた。


「お姉様、私も。」

「えっ、じゃアタシも。。。」

リリとニャルマーも逆走する。


「俺たちも行ってみよう。」

パワルドと共に3人を追いかける。

俺とパワルドは少なくとも、

その枯れ木のあった道は通っていない。


この場合、どうなってしまうのだろうか・・・

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