聖珠の合成と秋の精霊祭 ~ ハイキャン、レガイン、ロッキードお食事券 ~
ユピレスは
「ギルドスタッフの給与が減る。」
と、渋々話した。
よくよく聞くと減給となるのはギルマスであるユピレスだけ。
だだ、スタッフもボーナスには響くらしい。
まぁ広義で言えば間違えではないか。
そして、最後に
「ここまで話したんだからしっかり協力してもらうぞ。」
と言い放って去っていった。
そんな捨て台詞を残されなくとも、
精霊祭自体の報酬もさることながら、
今は聖珠の回収にも注力してるから、
精霊祭には全力で参加するんだけど。
ララも同じ考えのようで、去っていくユピレスの後姿を見ながら、
「これでまた貸しができるわね。」と打算して笑みを浮かべていた。
【9月7日】
今日は朝からギルドが賑わっている。
聖珠を収めるための珠座が配布される日である。
当然、俺たちも貰いに行く。
受付でギルドカードを渡し、
カードと紐づけされた珠座を受け取った。
珠座は一人1つしか受け取れないようだ。
まぁそりゃそうか。
そして、この珠座を受け取ったお陰で、
聖珠の合成もできるようになった。
既に周りでは合成して時折喜びの声が響く。
俺たちもギルドの中に留まり合成を始めた。
聖珠1をひたすら合成して聖珠2にしていく。
十数回程合成した時だった。
「あれ?」
聖珠1から聖珠3ができた。
「おっ?!」
驚いているパワルドと視線が合う。
「もしかして、」
「聖珠1の合成で聖珠3ができたな。」
「俺も。」
稀に1つ上の物ができるみたいだ。
「続けるわよ。」
「ハイ、お姉さま。」
ララリリ姉妹の言葉に頷き聖珠の合成を続ける。
聖珠1の合成が終わり、聖珠2も合成していく。
「わっ、やったー!!」
ニャルマーは拳を突き上げ、ジャンプした。
「どうした?」
何か特異な事が起きたようで、手を止め尋ねる。
「聖珠2を合成してたら聖珠5ができた。しかも赤。」
「ラッキーだったわね。」
にこやかに答えるララの横でリリも嬉しそうに頷いている。
いつも思うんだけどこの二人、ニャルマーには優しい。
そして、パワルドは手を止めずに合成を続けている。
俺たちも再度合成を続け、
最終的に各色聖珠6まで合成することができた。
遅くなったが、その後クヌキの祠へと出発した。
【9月14日】
今日から精霊祭イベントが始まる。
昨日、一昨日と休みを取って体調を整え、
アイテム類の補充と整理もばっちり。
ここからは、パワルド達もライバルになる。
クヌキの祠の前で互いに健闘を称えあい、
それぞれ転移陣に乗った。
★クヌキの祠 17層★
熊太郎、ベア子、ムツキ、エンデを呼び出す。
この4体でチームを組み周回してもらう。
見えていなくても3、400メートル位までは
離れていても問題ない事は検証済みだ。
続けて、モノトン、ジレン、トリゴン、
ノナンを呼び出す。
この4体でもチームを組み別ルートを周回してもらう。
さらに、キサラギ、ヤヨイ、サツキを呼び出す。
この3体は俺と行動を共にする。
魔香を焚き、キサラギ達と共に
湧いてくるモンスターを倒していった。
気付けば夜8時を回っていた。
集めた飴の数は1052個。
聖珠も各色50個以上入手していた。
初日にしては上出来だろう。
召喚獣を回収しながら、飴1000個を投入した。
今回は個人報酬しかない代わりに、貰える量は多い。
10個投入するごとに100ゼニー、
20個投入するごとにアイテム、
1000個投入するごとに精霊装備引換券
となっている。
10000ゼニーと多くのアイテム、
そして精霊装備引換券を1枚手に入れた。
20個目 回復薬(中)
40個目 MP回復薬(中)
60個目 ネムリーナ効弾 <効果:当てた相手を眠りに誘う>
80個目 ハイキャン紫 <効果:魔力を上げるキャンディ>
100個目 青聖珠1
120個目 魔香
140個目 レガイン <効果:24時間働ける程の栄養ドリンク>
160個目 スベリーナ効弾 <効果:当てた相手を滑りやすくする>
180個目 ハイキャン緑 <効果:回復力を上げるキャンディ>
200個目 黄聖珠1
220個目 回復薬(中)
240個目 MP回復薬(中)
260個目 マヒリーナ効弾 <効果:一時的に動けなくなることがある>
280個目 ハイキャン青 <効果:俊敏を上げるキャンディ>
300個目 赤聖珠1
320個目 魔香
340個目 レガイン <効果:24時間働ける程の強力な栄養ドリンク>
360個目 キエーナ効弾 <効果:当てた相手を稀に消し去る>
380個目 ハイキャン黄 <効果:防御力を上げるキャンディ>
400個目 緑聖珠1
420個目 帰還石
440個目 ロッキードお食事券 <全国展開レストランの1食無料券>
460個目 レガイン
480個目 ハイキャン赤 <効果:攻撃力を上げるキャンディ>
500個目 紫聖珠1
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1000個目 紫聖珠1 & 精霊装備引換券
ハイキャンは舐めている間、
赤なら攻撃力、黄なら防御力とステータスを上げてくれる
フルーティなチューイングソフトキャンディだ。
レガインは疲れが一瞬で吹き飛び、
24時間働ける程に元気になる。
パワルドが愛飲してやまない。
ロッキードお食事券と音だけ聞くと違う事を想像してしまうが、
この世界で展開しているレストランの
ロッキードで何でも1食無料で食べられるチケットだ。
帰還陣から外へ出て、ギルドが宿を貸切っている
こえど楽園「You・遊・湯ー」へと赴いた。
この辺りでは温泉宿として有名だが、
中は疎らだった。
「意外と人いないですね。」
受付がてらフロントに声を掛けた。
「これからだと思いますよ。
大浴場は今空いているので早めに行かれるといいですよ。」
「そうさせてもらいます。」
フロントから鍵を受け取り、一度部屋へ行ってから
風呂へと向かった。
アカスリやサウナがあったが、
人の少ない湯船につかりゆったりと疲れを癒した。
風呂から出ると人が増え始めていたが
気にせず部屋へと戻った。
【9月15日】
7時半、身なりを整え部屋を出た。
鍵を返すためにフロントへ向かう途中、
ラウンジに人が集まっていた。
何か貼られていていた。