三峯流儀 ~ ミンベ婆さんからのレクチャ、そして聖珠と珠座 ~
川越八幡宮には民部と名乗る老狐の伝説があるそうです。
また境内には川越三峯神社があります。
ちなみに、この間近くを通ったら串焼き屋さんが無くなってました。。。
羊羹を食べながらミンベ婆さんが指定したページを捲る。
前半は理論的な事が書かれているので、
時間が有るときに読んどけと。
「早速一緒にやってミンベ。」
縁側から立ち上がったミンベ婆さんは数歩前に出ると、
振り返り、手招きしている。
「全然覚えきれてないけど。」
「大丈夫だから、まずは体を解す所から始めてミンベ。」
ミンベ婆さんは軽くジャンプし、
上半身の力を抜いて腕や肩をブラブラと動かしている。
見様見真似で同じようにしてみる。
2、3分続ける。
残暑の影響もあり軽く汗ばんできた。
その後、肩や腰、膝や足首と入念に回してから
体の各所を伸ばしていく。
所謂ストレッチってやつ。
そして、縁側で膝を立てて仰向けになる。
そこから腰を床に付けたまま臍を見るようにお腹を曲げ、
2秒間止める。それを10回。
次は同じように起き上がって右肘を膝に
近づけるように捻りって2秒、
一旦頭を床に付けて今度は左肘を膝に近づける様に
捻って2秒それぞれ止める。それも10回。
次は四つん這いになり、右腕を前方へと伸ばし、
左足を後ろへと伸ばし、その状態で5秒。
左右を入替て5秒キープする。これも10回。
これら10回の運動を1セットとして、もう1セットを行う。
その後は立ち上がり、スクワットや四股を踏んだりして、
足の筋力トレーニングを行った。
ミンベ婆さんはシャキッとしている一方で、
膝に手を当てヘロヘロになっていた。
だがこの三峰流儀、1日1回、10日行う毎に
HP、力、守備力が1づつ上がる。
微力だが、継続は力なりといった所だろう。
これから毎日出来るだけ頑張りたい。
既に陽は大分傾いきた所で、
漸くミンベ婆さんから解放された。
ギルドに行くと騒然としていた。
何やら新しい情報が張り出されている様なので、
人だかりの中に混じり順番を待つ。
徐々に掲示板に近づき、漸く内容が確認できた。
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【聖珠について】
・色は5種類で、それぞれ効果が異なる。
赤:攻撃力
黄:防御力
青;俊敏
紫:魔力
緑:回復力
・末尾の数字は効果
「赤聖珠3」であれば攻撃力が3上がる
・同一の珠は合成可能
「赤聖珠3」と「赤聖珠3」 ⇒ 「赤聖珠4」
「赤聖珠2」と「赤聖珠3」 ⇒ 不可
「赤聖珠3」と「青聖珠3」 ⇒ 不可
・珠座
聖珠の効力を得るためには珠座が必要
聖珠を3つ嵌められる珠座を9月7日から配布
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掲示されている内容は理解できたんだけど、
そもそもの聖珠ってなんだろう?
後ろにも人がいる。
疑問に思いながら、掲示板の前から離れた。
程なくするとパワルドがギルドに入って来た。
「新しい情報でも出てるみたいだな。」
「さっき見てきたよ。」
パワルドに掲示板の内容を伝えた。
「ところで聖珠ってなんなの?」
「そっか、兄貴はずっと祠に行ってねぇもんな。
ここ1ヵ月位かな、
モンスターを倒した時に出るようになったのは。」
そういいながら、ビー玉より少し大きい直径2cm位の
赤、青、紫の珠を見せてくれた。
「これが。」
青色の珠を手に取り、光を当てて覗き込んだ。
「最初はよくわかんなかったけど、ララ達と話し合って
取り敢えず集めておこうって事になってな。
今じゃ沢山持って、こりゃ面白くなりそうだな。」
嬉しそうに話すパワルドに珠を返す。
受け取ったパワルドは精算所へ、
俺は空いているテーブルに腰を落ち着かせ溜息を吐いた。
「はぁ、完全に出遅れた・・・」
精算を終えたパワルドに聖珠の事を教えてもらう。
10回戦闘すると2,3個はゲットできるっぽい。
とはいえ、ほとんどは1。
極稀に、大体40個~50個に1個2が出て、
3は未だ1個しか持っていないそうだ。
「今日はやけに人が多くて嫌デスね。」
「ねぇ、あぁた達、もう見てきたんでしょ、掲示板。
さっさと教えなさいよ。」
パワルドと聖珠の合成について話していると、
リリがパワルドの横に、ララが俺の横へと座った。
掲示板の内容を2人もシェアする。
「へぇこの珠にそんな効果が。」
ララは黄色の珠をアイテムボックスから取り出し覗き込んでいた。
「3っていうのは珍しいとは思っていマシタが、、、」
「これからはいくらでも合成しほぉだいね。」
妹のリリは4個持っていて、姉のララは1個しか持っていなかった。
妹に負けていたララはちょっと嬉しそうだった。
「にしても、ニャルマーは遅いね。」
人ごみを見渡すが姿は見えない。
「また根詰めてぅわね。」
「この聖珠は、そんな彼女の役に立ちそうデスが。
ちなみに、これは幾つまで合成可能なのでショウか?」
「ん~、少なくとも掲示板には書かれてなかったね。
意外と100とかまで出来たりして。」
「ははは、可能性は0じゃないだろうけど、
現状では不可能に近いと思うけどな。」
「そうなの?」
冗談で100とは言ったものの、
パワルドはそれは難しいと考えているみたいだ。
「今んとこ、出てくるのは1がほとんどだよな。」
「そうみたいだね。」
「だからこの際、1しか出ないと仮定して、
2を作るには、同じ色の1が2個必要なんだよな。」
「さっき説明した通り、掲示板にはそう書かれてたよ。」
「この際、色も同じのしか出ないとするな。
じゃあ、3を作るには2が2個必要ってことだけど、
実際には1を2個ずつ合成したものだから、
4個の1が必要って事なんだよな。」
「だね。」
パワルドが噛み砕いて説明してくれているので、
理解できる。
「じゃ、4を作るには?」
「3が2つ必要だから、4+4で8個必要になりマスね。」
「そぉよ、8個必要よ。」
リリが答えたものを、姉のララが横取りしていく。
「じゃ、5を作るには?」
「16個か。てかこれ、倍倍で増えてるよね。」
「さすが兄貴だな。」
ララはなるほどと納得し、リリは未だ計算していた。
「ってことは、何とかの10を作ろうとしたら、
同じ聖珠を1024個集めなきゃなんないのか。」
「な、100なんて天文的な数が必要だろうから、
まあ無理だろうな。」
「確かに。」
「なぁんだ、意外に大した事なさそぉね。」
俺とパワルドの見解を聞いて、ララはがっかりしている。
「ま、物は考えようだな。
俺なら無理に赤聖珠10を作るより、
赤聖珠9を2個で使うだろうしな。」
「それなら攻撃力は18アップか。
色々工夫できそうだね。」
ニャルマーが姿を見せるまで、
聖珠について4人でああでもない、こうでもないと
暫くディスカッションした。
今更だけど。
【人そのものの能力(何も装備していないときのステータス)】
力、守備力、素早さ、理力、知力
【人の能力 + 装備品の効果(装備するしないで変わるステータス)】
攻撃力、防御力、俊敏、魔力、回復力
過去のもので、異なってたらすいません。