表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
159/186

VS 忘却のディメンティア ~ 時を経過し人の手が加わる事無く周囲の木々と調和しているボロ家 ~

周りは未だに額が地面に付くくらい

深々と頭を下げ、両手を地面に付けている。

徐々に足音が遠のいていく。


「ディテクト!」

ディメンティアとポスリメン4体を捉えた。

これだけの距離があれば、動いても大丈夫だろう。


のらりくらりと歩くディメンティアを中心に、

左右2体ずつポスリメンが付き従っている。


道形に緩いカーブを進んで完全に姿が見えなくなった。

ディテクトの範囲からも既に外れてしまっている。


立ち上がり、そっと道を進む。

距離を縮めながら、進んでいくと、

左側にあった獣道へと入っていった。


注意して見なければ、見逃してしまうほど木々に紛れている。

気付かれない様、ゆっくりと後を付ける。


やがてディテクトの反応が止まった。

そこには長年にわたり風雨にさらされて老朽化し、

壁は苔だらけで、自然と自然と調和しているボロ家があった。


「ヤバッ!」

家の中からポスリメンが2体出てきた。

1体はドアの前に立ち、

そこが持ち場であるかのように周囲を窺っている。


そしてもう1体は近づいてくる。

振り返るが道は1本しかない。

このままだと間違えなく鉢合せる。

乱鬼龍の剣を装備し、ギリギリまで惹きつける。


「瞬連撃!」

突然の攻撃にたじろぐポスリメンを魔素へと還す。


ドアの前にいたポスリメンは奇声を上げて襲い掛かって来る。

躱しながら、腹に斬撃を与える。


そして背後から、上から斜めに切りつけた。

両手両膝を地面につけ睨み付けてきたポスリメンに止めを刺す。


振り返るとボロ家からポスリメンが2体出てきた。

ディテクトでディメンティアが

裏手から逃げ出しているのが分かる。


「逃がすか!」

出てきたポスリメンを無視して、

ボロ家の横を通り抜け、裏手に回る。


人一人が通れる程度の細い道が1本ある。

そこから後を追う。

小走りで進む。分岐はない。


女を追う男、

そして更にその後に黒い制服を着たポスリメン2体。

絵面的には誰が犯人なんだか・・・


「ウインドカッター!」

まだ距離があるが、ディメンティアの背が見えたので放つ。


背中にクリーンヒットしたディメンティアは

立ち止まり痛みに耐えている。


そして振り返り、俺と視線が合う。

「チャーム!」


だが、俺には効かない。

「ッチ!」と舌打ちしたディメンティアは

ゆっくりと走り始めた。


一方、俺は振り返り、追いついたポスリメンの腹に

剣を突きさす。

そして、もう1体を瞬連撃で倒す。

先程よりペースの落ちたディメンティアを追う。


「どうして効かないの?」

追いついたディメンティアは悔しそうな顔をしている。


「さあ?どうしてだろうね?」

まぁクリッピノさんのお守りだろうけど。

もし、お守りの効果が無くて完全に魅了されてたら

と思うと、今更ながらゾッとしてきた。


「ファイアボ、、グフッ!」

ディメンティアは杖を装備し、火の玉を放とうとした。

一気に間合いを詰め、鞘に収まった乱鬼龍の剣で腹を突いた。


ディメンティアは腹を抑えながら倒れるとそのまま意識を失った。

ポスリメンの重要人物かもしれない。

ロープでグルグル巻きにして、連れて行くことにした。


例のボロ家まで彼女を背負って行ったが、

背中に当たる柔らかい物、時折首元にかかる息、

これ以上はいろいろな意味で理性が持ちそうにない。


手頃な台車があったので、そこに乗せて運ぶ事にした。

幹線に出て、先程襲われた場所に戻ったが、

既に馬車は居なかった。


「はぁ、歩くか・・・」

ディメンティアを乗せた台車を押しながら、

トボドボと歩き始めた。


1時間程歩いた時だった。

「おーい!」

友を呼ぶかのように高く挙げて手を振る女性と、

その横を歩く見たことのある男の人が前方から近づいてきた。


「サッチャン、ツルボウ!久しぶり!」

高く手を挙げて返すと、2人は小走りで来た。


「どういう事だい、コレ?」

台車の上のディメンティアは既に意識が戻り、

時折抵抗するかのように「ん~、ん~」とうめき声を上げる。

その様子を見てサッチャンは、怪訝な顔で尋ねてきた。

そして、その横で相棒のツルボウは顔を赤らめ鼻息が少し荒い。


「いやいや、変な事はしてないよ。ほんと。」

変な誤解を生まぬよう、今までの状況をかいつまんで2人に説明した。


「そういう事だったのかい。災難だったね。」

「いや、分かってくれればいいよ。」

「アタシらもバトマまでついてくよ。

あ、別に疑ってる訳じゃねぇよ。

また襲われたら大変だろ?」

「2人とも予定は大丈夫なの?」

「ウチラは家へ帰るだけだから気にしないでくれ。」

「んじゃ、何かあると困るから頼むよ。」

サッチャン、ツルボウと共にバトマへと向かった。


バトマに到着すると、入口付近が何やら物々しい雰囲気になっていた。

一体、どうしたんだろうか。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ