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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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かじられ青リンゴの大逆襲の報酬 ~ キイロイベロンチョとオドルノッペ ~

【5月31日】

「お疲れさん。」

夕方、外壁まで戻るとユピレスが待っていた。


「お出迎えなんて、初めてね。

きっと明日は雨じゃないかしぁ?」

「ははは、まぁ、最初で最後の予定だが。」

ユピレスは顔を綻ばせ話を続けた。


「お陰さんで、大方片付いた。任務完了だ。」

その言葉に、俺たちの顔も綻ぶ。


思い返してみると、25日、

かじられ青リンゴを討伐しながらデカモンと戦った

あの日が一番きつかった。


それ以降、デカモンの出現数は減っていき、

昨日、今日とデカモンは出なかった。


同様に普通のかじられ青リンゴも減ってき、

今日の午後にはほとんど出くわさなかった。


「で、月末締の都合で悪いが今日中に精算を、、、」

「はぁ?」

ララが右足を地面に叩きつけて、話を遮った。


「い、いや明日の朝一までに精算しといてくれ。

お、お~、お前さん達もお疲れさん。」

ララに睨まれ、俺たちが精算のためにケービヨンまで行き、

また戻ってこなければならないことを察したユピレスは、

期限を延ばし、逃げるように別のパーティの下へ行ってしまった。


滑稽な姿を見て笑みがこぼれ、

俺たちは外壁の内側へと入った。


定宿にしている越川で、かじられ青リンゴの一件に片が

付いた事にホッとしつつ、ステータスを確認した。


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冒険者:なおと


【ベースレベル】325

HP:5364/5397 MP:2301/2342


【スキルレベル】


剣術スキル:210 魔法スキル:83

体術スキル:187 回復スキル:65

槍術スキル:151 補助スキル:70

斧術スキル:120 召喚スキル:76

弓術スキル:49  (鍵)錬成スキル:30


所持金:74,649,506ゼニー     【 5月31日 20:15 】


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【6月1日】

ララの運転する馬車でケービヨンのギルドへ向かう。

既に女性3人で予定が決まっているのか、

リリとニャルマーは丸菱デパートの事で、

話に花が咲いている。


「パワルドは精算した後、どうする?」

「クヌキの祠でレベリングだな。、、兄貴も行くだろ?」

「ああ、そうするよ。」

ウキウキ気分の3人と一緒に丸菱に行ったら、

何となく大変そうな気がする。

俺は日を改めて行こう。


俺に聞く前に一拍置きチラリと前の2人を

見たあたりから、パワルドも同じ考えなんだろう。


「早く40層のボスを倒してぇな。」

「推奨レベルは85だったっけ。」

「まだまだ厳しいから、暫くは32層でラッキービーバー狙いだな。

スキルレベルも上げてきたいし、あああ~やる事一杯だな。」

パワルドがげんなりしながら愚痴ると、

ニャルマーの耳がピクリと動き顔から笑みが消えた。


「焦っても仕方がないし、一歩一歩着実に進めるしかないよ。」

パワルドを励ましつつ、ニャルマーをチラリと気にかけた。


「時には羽を伸ばすことも重要だと思いマスよ。」

「そ、そうよね。アタシも明日から頑張る。うん。」

「じゃ、俺も近いうちに羽を伸ばしてみるかな。」

パワルドはアヒル口で、両手をパタパタとした。

本人は小鳥をイメージしているつもりかもしれないが、

全く可愛くなった。(´д`)=з


久しぶりにギルドの精算コーナーに立寄る。

「かじられ青リンゴの精算をお願いしたいんだけど。」

「話は聞いております。いかがいたしましょうか?」

「ん~・・・」

奥に掲げられている交換リストの目ぼしいもの、

例えばブルーフォレストの巨匠のノベグラン作や

タッピキザ作のものは『品切』となっている。


「タッピキザの盾は受注生産も可能ってなってるけど、

どれくらいで受け取れるんかな?」

「ええっと、年内は難しいかと。。。」

申し訳なさそうにパワルドの質問に答えてくれた。


「まぁ強引に今朝までにしてもらってるからねぇ。。。」

「わ、分かってぅわよ。」

俺の視線に気付いたララは、

イラついてはいるが、文句はなさそうだ。


「アタシは全部現金で。」

元から丸菱デパートへ行くための軍資金稼ぎだった

ニャルマーは即決で精算を済ませた。


「あぁしも現金でいいわ。

丸菱で買えばいいし。」

「そうデスね、お姉さま。私も現金で。」

ララとリリの言葉に、精算の人は苦笑いしている。


「何だか身も蓋もねぇな。

とは言え、半年以上待つのもな・・・

俺も現金でいいや。」

パワルドは景品との交換を諦めた。


「今回は景品との縁は無かったって事で。」

前回は、ノベグランの杖とタッピキザの盾を購入し

散財ているし、今回は購入を諦めることにした。



ギルドを出て、ニャルマーとララリリ姉妹とは

丸菱デパートの前で別れ、

俺とパワルドでクヌキの祠へ到着した。


「俺は32層だけど、兄貴は?」

「俺も。んじゃ、行ってくる。」

パワルドに見送られ、先に転移陣に乗った。



クヌキの祠 32層。


パワルドはラッキービーバー狙いだけど、

俺はただ33層にまだ進めていないだけ。


何せ次の層へ進む階段を見つけるのに1日で

終わらんのだ。


玄武の刻印を得るには40層のボスを倒せばいい。

辿り着けさえすれば、難なく倒せるだろう。


従前と同じやり方で、先に進む日と

召喚獣のレベリングの日を交互に進めていった。



【7月6日】

クヌキの祠 39層


「フローズンブリザ!」

氷結系範囲魔法を唱えると、

ベロンチョの上位種のキイロイベロンチョと

ノッペランの上位種のオドルノッペが魔素へ還った。


キイロイベロンチョは見た目が黄色くなったベロンチョで、

背丈が50cmと一回り大きく、棍を振り回し毒を吐く。


オドルノッペも同様にノッペランより一回り大きく、

槍を装備し華麗なダンスと共に攻撃してくる。

身躱し率も高く、最悪なのは魔素に還る際に

ガラスを引っ掻いたような甲高い奇声を上げる。


のっぺらぼうなのに、どこから声が漏れているのやら。。。

ただ、どちらも討伐推奨レベルは80以上と強くなっている。


先へ進み突き当たりに出た。

T字路に立ち左右を確認すると、右手に次の層へ進む階段があった。


「はぁ、、やっと見つけた・・・」

一昨日こそ召喚獣のレベリングで39層には居なかったが、

3日前、昨日と探しても見つからず、今日も再挑戦していた。


安堵で中腰になりなっがら玄武の刻印を得られるボスへと

続く階段を見ながら一息つく。


「明日に回すか。」

ステータスの時刻は既に5時を回っている。

特に急ぐ理由はない。

お楽しみは明日へ取っておく。

一度40層へ到達しマーキングしてから祠を出る事にした。


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