かじられ青リンゴの大逆襲8 ~ デカモン連続発生中! ~
前回、時折見せた奇妙なダンスは無く、
1戦目、2戦目と同じシンプルなデカモンだった。
パターン化されているものの、油断は禁物。
戦闘が長引けば精神的な披露は溜まるし、
ちょっとしたミスが命取りになりかねない。
20分過ぎた頃にスプリングハールが、
少ししてブレイバーズも合流した。
更に別のパーティーが加わったタイミングで、
ユピレスはブレイバーズと共にもう一つの光柱へと向かった。
その後もケービヨンから来たパーティーが加わり、
無事デカモンを倒す事に成功した。
【討伐ランキング発表!】
第5位 ニャルマー
第4位 パワルド
第3位 ララ
第2位 リリ
第1位 なおと
1位から5位を独占。
他のパーティーは俺たちの半分も戦闘に
参加できていないので、当然の結果ではあるが。
「始まっちまったな。」
隣で戦闘していたパワルドが
一息つく間もなく声をかけてきた。
結果云々を語っている場合ではない。
もう一つの光柱が消えている。
すなわち、デカモンが姿を現したと考えて間違えないだろう。
「マジか。」
膝に手を付き、項垂れる。
「急いで行く必要は無いでショウ。」
「あぁし達ばっかりポイント稼いでもアレだしね。」
「そうよね。アタシ達朝から頑張ったもんね。」
リリ、ララ、ニャルマーの3人も合流した。
スプリングハールを含め他のパーティーは
足早にもう一つのデカモンの場所へと向かっている。
ララの言う通り、4回連続でデカモン討伐に参加していて、
快く思っていない人もいるかもしれない。
「んじゃ、ゆっくりしてから行こっか。」
木陰で一休みしてから出発した。
デカモンの下に到着した。
「ねぇ、この状況ってアタシら参加する必要って、、、」
「無いぁね。」
ニャルマーの言葉に、ララが続ける。
目の前で繰り広げられている戦闘は、
俺達以外のパーティーが圧倒している。
デカモンの討伐も、時間の問題だろう。
「折角だし他のパーティー動きでも見学するかな。」
腕組みしながらパワルドは全体を眺めている。
今日は朝からデカモン戦が有った影響か、
かじられ青リンゴはあまり見かけない。
することも無いので、他のメンバーも
無言のまま戦いの様子を見ていた。
ブレイバーズのフィアスタ、セカンディーノ、フォースンは
他のパーティの動きと段違いだった。
サーディーは3人の後ろにいて、
一見何もしていないように見える。
ただ、時折MP回復薬を手に取っている。
ここからでははっきりとは認識できないが、
何らかのスキルで前衛3人をサポートしているのだろう。
所謂、縁の下の力持ちってやつか。
視線を感じたのか、コチラを見て軽く帽子を上げた。
冷静に回りを把握しているのは流石だと思いながら、
軽く手を挙げて答える。
ギルマスのユピレスとスプリングハールのリッシュ、
それと別に2名立ち回りが上手い人がいる。
あとは、ぶっちゃけ団栗の背比べだ。
5分もしないうちに、ララリリ姉妹は木陰で寛ぎ始め、
ニャルマーは退屈そうに見ている。
一方パワルドは、何かのヒントを掴もうと
ブレイバーズの動きを真剣な眼差しで追っている。
「グギャァァーーー!!!」
暫し戦闘の推移を見守っていると、
デカモンは叫声を上げて魔素へと還っていった。
「終わったぁね。」
デカモンの最後の声を聞いたララが妹共に戻ってきた。
一つ頷き、喜び合っている輪に5人で歩み寄る。
近づく俺たちに気付いた人たちが、
まるで鬼でも見たかのように不穏な表情を浮かべている。
あ、この例えはマズいか。
チラと振り返りララリリ姉妹を見た。
「何か失礼な気がすぅわ。」
視線に気付いたララはちょっと不機嫌になった。
「お、おい。マジか~、まいったな。」
隣を歩くパワルドが困った声を上げる。
再度前方を見ると、また紫のオーラを放つ光柱が現れていた。
「今日3個目かよ。」
「では、あちらは4個目になりマスね。」
台風1号、2号の様に言っているリリの視線の先には
もう1つ光柱が現れていた。
先程デカモンを倒した外壁の直ぐ近くらへんに。
「来る時には無かったよね?」
「恐らくな。アレもさっき出たしな。」
さて、どうしたものか。
徐々にユピレスの下に人が集まり、
俺達も判断を仰ぎに向かった。
「倒したタイミングでは何も無かったぜ。」
ユピレスはサーディーから状況を聞き、
顎に手を当ててどうするか思案している。
外壁側については不明だが、
前方に見える光柱については見解は一致している。
「いつ出たかはさして重要じゃねぇが、
開始時間も不明って事か。」
把握していればという淡い期待を込め、
最も遅くまで現地に残っていた俺たちへ視線を送ってきた。
「俺たちが離れた時にはまだ無かったしな。」
パワルドが同意を求めるかのように俺の顔を見る。
「ああ、残念だが把握していない。」
ユピレスは俺の回答にも表情一つ変えず
外壁側の光柱、この先にある光柱をゆっくりと見た。
「ん~、やむを得ん。
昨日の2パーティーと、、、」
ユピレスはスプリングハールと俺たちを見て話を続ける。
「ん~そうだなぁ、スニーザズの4人でこっちに当たってくれ。
あとは全員外壁側に当たる。」
全体を物色するように見た後、
4人のパーティを指名し、先にある光柱を親指で指した。
スニーザズの内1人は先程見ていた中で動きが良かった人だ。
ユピレスは町に近く優先度が高い外壁側に
最も信頼のおけるブレイバーズを充てる。
昨日の2パーティーを前方に見える光柱へと割り当て、
ある程度戦力になりそうなパーティーを追加した。
3パーティでこの先にある光柱へと向かった。
だが、徐々に面倒な事になってきた。
GW予定があるので、もしかすると次回5月8日スキップして
5月18日リリースになってしまうかもしれません。
あしからず m(_ _)m