かじられ青リンゴの大逆襲4 ~ デカモン討伐 てへぺろっ! ☆☆☆(・ω<) ~
パワルド、ニャルマー、ララリリ姉妹が
他のパーティーの前衛達と共に攻撃を仕掛ける。
「ディフェンスダウン!」
効けばラッキーと考え、3度試したが効果は無かった。
「ん!」
かじられ青リンゴ-DEKA-、略してデカモンが
口をモゴモゴし始めた。
「種だ!」 「種が飛んでくるぞ!」 「引け引け!」
他のパーティーの叫び声が周囲に響き、
全員一旦距離を取り、防御態勢を取る。
「ブブブブブブ、、、、ブブブブブブ、、、、」
デカモンは左から右へとソフトボール大の種を飛ばすと、
続けて右から左へと種を飛ばしてきた。
通常のかじられ青リンゴとは動きが違う。
一度目の攻撃後に下げてしまった盾を
咄嗟に上げて再びガードする。
今の攻撃で、数名が戦線から離脱していく。
ウチのパーティーから離脱者はいないが、
パワルドが右のおでこから血を流し、
リリが左足を上げてクルクルと足首を回し動きを確かめている。
二人にヒールを掛け、順次バフの更新をする。
「ギヒヒヒヒィ~」
デカモンは不気味に笑うと、2度ジャンプした。
そして、ゆっくりと左側に傾く。
「危ねぇ、下がれ!」 「離れろ!」 「来るぞ!」
ギルドで説明を聞いてから来た人たちが叫ぶ。
次の瞬間、デカモンは自身の回りを
弧を描く様に転がってきた。
下敷きになった者はいないが、
掠った衝撃で弾き飛ばされた人がいる。
回復役を飲みながら、一旦離れていく。
「チャンスだ。」「一気に行くぞ!」
デカモンは尻を地面につけて、目を回している。
「「「うぉぉぉ~」」」
けたたましい声と共に、一斉に攻撃する。
「よ~し、俺も。」
手持ちで最強の玄武黒北の爪を装備して、
シレっと攻撃の輪に加わる。
今なら人の装備など気にしている余裕はないだろう。
殴る、殴る、殴る。蹴る、蹴る、蹴る。
一斉攻撃はお祭り感覚でちょっと楽しくなってきたぞ。
デカモンは立ち上がり、2度その場でジャンプする。
一斉攻撃を止め、全員距離を取る。
「また、種攻撃か。」
デカモンは口をモゴモゴしている。
更に走って距離を取る。
「バリア!」
振り返り補助スキルを使う。
ボコ、ボコ、、、、、、ボコ
1度目の種攻撃で2発、2度目の種攻撃で1発
半透明のバリアに当たった。
「おいおい、すげぇなあいつら。」
先ほどの種攻撃、パワルドは盾をガッチリ構えガードしていた。
他のパーティも同じような感じ。
そんな中、ララリリ姉妹は1度目の種攻撃をその場で弾き、
2度目の種攻撃は弾きながら詰め寄っていた。
ニャルマーも1度目の攻撃を盾でガードした後、
2度目の種攻撃を軽快に躱しながら突っ込んでいった。
そして、今攻撃しているのは3人だけ。
負けてはいられないと奮起し、
他の人たちが遅れて一斉攻撃する。
俺は4人のバフの更新。
デカモンはまた2度ジャンプしてから、ゆっくり傾き始めた。
「下がれ!」「引け引け引け~!」「走れ!」
デカモンは弧を描く様に轟音を立てながら転がって来る。
逃げ遅れた者はいないが、リリが斧を片手に近寄っていく。
そして、走りながらフルスイング。
「ぬぉ~~~うりゃぁぁ!」
ゴフッッッ!
鈍い音が響く。
リリの斧は手元からひん曲がっている。
走って来るダンプカーに
思い切りバットで打ち返すようなもんだろう。
打ち返せるわけないし、バットも折れる。
「はぁ、もう安モンはコレだから。┐(~∀~)┌」
愚痴りながら、別の斧に装備しなおしている。
デカモンは先ほど同様、目を回している。
「今だ!」「チャンスだ、チャンス!」「かかれ!」
ヒーラーも含め、戦線から離れている人以外が
気勢を上げ一斉に攻撃し始める。
玄武黒北の爪で、俺も攻撃に参戦する。
'殴る、殴る、殴る。蹴る、蹴る、蹴る。
「からのぉ~、玄武雷刻黒拳!」
この爪固有のスキルを発動させ、右の拳を勢いよく突き出す。
バゴン!
ん、何か轟音とともに数十センチ、
デカモンが動いた気が・・・
皆の手が止まり、視線がコチラへ。。。
「てへぺろっ! ☆☆☆(・ω<)」
柄にもなく愛嬌を振り撒いてみた。
初夏の陽気にもかかわらず、冷たい空気が流れた。
パワルドは目をぱちくりさせ、首を横に振る。
「何も見てねぇ、そう、何も。」
小声で自己暗示をかけるかのようにブツブツ言うと、
ゆっくりと視線をデカモンへと戻し、
1度頷くと攻撃を再開した。
それに合わせ、他のパーティーにも
時が流れ始めたかのように、攻撃が再開される。
「ん~ん、なんかすげぇ失礼な気がする。マーイーカ。」
とりあえず、俺の愛嬌のおかげで、
玄武雷刻黒拳について聞かれることは無かった。
その後も、ヒット&アウェイで、
ダメージを与えていく。
多くのパーティーが一時的に戦線を離脱しながらも
ようやく倒すことができた。
【討伐ランキング発表!】
第5位 フィアスタ
第4位 リリ
第3位 セカンディーノ
第2位 フォースン
第1位 なおと
「あ゛っ・・・」
やってしまった。。。