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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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32層のラッキービーバー ~ 緊急事態発生!? バレてた日々の買い食い ~

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


本編のリリースが12月21日から3週間空いたので、

話も3週間経過させてみました。

【5月6日】

クヌキの祠 28層。


マテカ空間から戻ったその日から、

召喚獣のレベル上げの日と先へ進む日を

交互に活動し稀に休日を設けている。


そして、今日は先へと進む日。

この層の推奨レベルは73、

俺のベースレベルは325、魔法スキルは82、

ノベグランの杖を装備してフローズンブリザで

2パン狩りしながら進んでいる。


ぶっちゃけ余裕で倒せるのだが、

次の層への階段を見つけるのに1日費やしてしまう。

ちなみに、前回は次の層へ行けず、

近くの帰還陣から戻る羽目に。


そして今、目の前に次の層へ進む階段がある。

ホッとして、29層へ進む。

時は既に夕方。

29層へ進み、少し回ってから切り上げた。



他のメンバーとの待ち合わせは、8時にギルド前。

今日もメインストリートから一本外れた道を歩き、

丸菱デパートの裏手にある串焼き屋に寄って買い食い。

もはや定番となっている。


「おっと、ゆっくりし過ぎた。」

食べ終えたゴミを片し、足早にメインストリートへ戻った。


「あれ、変なところから出てきたな。」

振り返るとパワルドが小走りで追いついてきた。


「あ、見られた。」

「たまたま曲がって来たのをな。どっか立寄り?」

「ちと、買い食い。」

串を横に持って食べる仕草をした。


「ああ、響だな。あそこは俺もたまに行くな。」

「結構うまいよね。それで、進み具合はどうよ?」

毎日行っているというのがバレそうだったので、

話題を変えてみた。


「この間まで暫く32層でレベリングしてたけど、

最近は33層に行くことが多くなったかな。」

「32層って、ラッキービーバーだね。」

32層の推奨レベルは77で、

ラッキービーバーという経験値が美味しいモンスターがいる。

レベリングには最適といえる。


「ん~ただ、レベルが上がったはずなんだけど、

そんなに33層でも余裕はないんだよな。」

腕組みして首を横にひねっている。


「そしたら、色々なスキルを伸ばして

ステータスを上げていくのがいいと思うよ。」

「俺の場合は剣、槍、魔法かな。

剣と槍はほとんど手つかずだから、

召喚スキルみたいにまた1層からか。

んん~、それも何だかな。」


「レベルの低いモンスターをテイムするわけでもないし、

もっと先からスタートしても問題ないと思うよ。」

「ん~、試してみる価値はあるのかもな。」

なんとなく、乗り気ではないように感じられる。

レベルの低い場所に行かなければならないのは確かなので、

タイムロスだと思ってるのだろう。


「まぁ、単なる一案だから。」

「んん。」

パワルドは考えながら返事した。



【5月7日】

今日もクヌキの祠からの帰り道、

串焼き屋の響に立寄った。


「お、やっぱり来たな。」

「うわぁ!」

店の手前からパワルドが目の前に現れ、驚いた。


「ほら、いつもの。」

味噌だれ風味の串焼きが入った袋を差し出してきた。


「お、ありがと。ん、いつもの?」

「よくそこの陰で食ってるよな。」

「何だよ、知ってるのかよ。声かえてくれれば良いのに。」

「いや、隠れて食ってるようだったから、

声かけたらワリーって思ってな。」


「いやいや、別に人通りの邪魔に

ならないようにしてるだけだから。」

パワルドと共にいつも食べている所定の場所へ。


「んで、何?」

わざわざ串焼きを用意して待ってたのには理由があるんだろう。

串焼き片手に食いながら尋ねた。


「今日、昨日言われた別の武器を試してみたんだけど、

良ければまた別の物を借りれねぇかな、と。」

右手には串焼き、そして左手にはアイテムボックスから

取り出した修行の杖が握られていて俺に返してきた。


「剣か槍かどっちで回った?。」

受け取った杖をアイテムボックスへ仕舞う。


「剣を使ってみたけど、案外いいもんだよな。

で、折角なら効率よくいきてぇなって思って。」

「ん~、なるほどね。」

返事をしながらアイテムボックスから御所望の物を探す。

何かとイベントの都度貰えたから10本以上ある。


「ほい、これでしょ。」

「お、流石兄貴。分かってるな。」

修行の剣を渡してやると、嬉しそうにしている。


袋の中からもう一本串焼きを取り出し頬張った。

まぁ、賄賂も貰っちゃったことだし、マーイーカ。



【5月17日】

夕方6時、ギルドに冒険者たちが集まった。

ギルド内に人がごった返していて、

ぎりぎりに来た俺たちは入り口付近に立っている。


俺たちも今朝、招集がかかりここにいる。

どうやら緊急事態が発生したらしい。


奥の方からざわつきが収まり、全体的に静かになった。

残念ながら、ここからでは奥が見えない。


かすかにギルマスのユピレスと思われる声が聞こえるが、

何を喋っているのか聞き取れない。


少しでも聞き取れるよう耳に手を当て、

隣のパワルドを見た。

腕組みしながら、首を横に振っている。


そして俺の背中を誰かが突っついた。

振り返るとララが手を振り、「バイバイ」と口を動かし、

出口の方へ行ってしまった。


「はぁ~・・・」

「シッ!」

溜息をついた俺をニャルマーが口の前で

人差し指を立てて睨んできた。


獣人のニャルマーには聞き取れているようだ。

まぁこれで情報は入手できそうだ。


安心して暫く聞いている振りをしていると、

パワルドが俺の背中を軽くたたき、

目が合うと右手を顔の前に立てて「ワリイ」と

口を動かして出口に向かってしまった。


ララリリ姉妹が退出したのを皮切りに、

周りのパーティーも少しずつ退出し始め、

スタッフも止める様子もない。


実際に聞き取れないし、仮に注意を受けるとしても、

一番初めに出たララリリ姉妹が矢面になる。

だが、彼女たちを不機嫌にすると面倒なので、

注意されることもないだろう。


とはいえ、ニャルマー一人残していく訳にもいかない。

ぼーっと聞いている振りをしながら、

終わるのを待つ。


前方の方がざわつき始めた。

「終わった?」

「うん。」

「俺ほとんど聞き取れてないから、

後でみんなにも共有してね。」

「離れてたし仕方がないよ。

内容は把握したから大丈夫。」


俺とニャルマーがギルドを出ると、

外で時間を潰していた3人が寄って来た。


馬車を止めている場所まで歩きながら、

情報をシェアしてもらうことにした。


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