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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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マテカ空間14 ~ 〇◇友の会 御優待券 ~

「ふう、良かった。戻って来られましたが。」

地下道を抜けて出てきた俺たちを、

ランタン片手に心配な面持ちでイーワン村長が出迎えた。

向こう側ではまだ明るかったが、既に半分夜空で薄暗い。


「あれ、どうかしました?」

サンガティーンでも遅くなる事はあったが、

わざわざ結界の前まで心配で来たことは無かった。


「既にサンガティーンへ戻られたのかと思ったら、

誰も戻りを見てないと。

何かトラブルでも発生したのではと来てみたのですが。」

「そっか、いつもなら午前中には戻ってくる冒険者、

こっちでいう所の使者か、が戻ってねぇ、

そりゃ心配されちまうな。」

パワルドの言葉を聞いて納得。


「今まで中にいらっしゃったって事は?」

「あぁしにかかれば、あんなぉ余裕よ。」

ララはドヤ顔で腕組みして斜に構えている。

パワルドとニャルマーは苦笑いで俺を見ている。

掛け算というアイデアを出したのは彼女だから、

全否定もできないんだけど。。。


「そうですか、今まで幾度となく挑戦され、

遂に倒されたんですね。」

村長は興奮して、声が昂っている。


「差し支えなければ、村への道中お聞かせ願っても?」

「え、ええ。折角だし、あぁたからお話したらどぉかしら?」

一瞬きょどったララは俺に話を振って、

ララの視界の外にいるリリは申し訳なさそうに

ペコペコと頭を下げていた。

そして、村長の期待の眼差しが俺に。

流石に、『嫌です。』とは言えないよねぇ・・・


「んじゃ、戻りながらにでも。」

チャール村への道すがら、中学生レベルの実数の話、

そして、虚数について話をした。


「博識ですね。」

と最後に言葉を頂戴したが、

話の途中から声のトーンや返事が、

興味が無くなったような印象を受けた。

まぁ、しょうがないよね。。。



【4月14日】

要領を得た俺たちは、昨日と同じように

廃城のモンスターを倒していった。


村へ戻り、マテカ結晶の精算のためイーワン村長を訪れる。

なんと、トータル5880個集まっている。


武器5種、防具5種を交換して、残り880個。

盾を1つ追加し、後はゼニーに交換してもらった。

全種コンプ出来たのは上出来だろう。



【4月15日】

10時には元の世界に戻る。

準備を整えてその時を待つ。


「なぁ、外で待った方がいいんじゃねぇかな?」

パワルドが足元を指す。


「あ、靴。」

慌てて外に出る俺たちをイーワン村長はにこやかに見ていた。


「危うく靴だけ置いてくとこだったわ。」

「初めての見送るので、何分至らずすいませんね。」

愚痴るララを後から出てきた村長が軽く頭を下げた。


「気になさらないでクダさい。」

リリの言葉にララもニコリとして頷く。


「お、時間かな。」

5人とも淡く光り始めた。


「それじゃ、ありがとうございま」

「した。」

お礼を言い終わる前に、

薄暗い一室、元の世界へ戻ってきた。


「ん、あっ、ちょっとあぁたね。」

前にいた俺とパワルドを掻き分け転送陣から降りたララは

壁にもたれ掛って書類に目を通している男に詰め寄った。


「君たちの気持ちは分かる。

たが、まずは俺の話を聞いてくれ。」

「はぁ、ぁに言ってるの。」

ギルマスのユピレスの前に立つララは怒気を強め、

その横に拳をポキポキと鳴らすリリが並ぶ。


「いや~、俺も雇われの身で、

上から呼び出されれば行かなきゃだし、、、」

「はぁ、だからなんなぉよ。」

覇気のないユピレスにララが声を荒げる。


俺とパワルドでララ、リリ姉妹が暴れたら

取り押さえられるよう2人の後ろに立つ。


「あ、いや、何でもない。

そうそう、ステータスを確認してみてくれ。」


「はぁ?」

ララがいやいやながらにステータスを確認し、

他のメンバーも自分のステータスを確認した。


----------------------------------------------------------------

冒険者:なおと


【ベースレベル】325

HP:5364/5364 MP:2301/2301


【スキルレベル】


剣術スキル:210 魔法スキル:81

体術スキル:186 回復スキル:62

槍術スキル:151 補助スキル:68

斧術スキル:120 召喚スキル:74

弓術スキル:49  (鍵)錬成スキル:30


所持金:74,644,001ゼニー     【 4月15日 10:02 】


----------------------------------------------------------------


「お、すげぇな。」

俺の横でパワルドがニンマリしている。


俺はベースレベルが1、魔法スキルは7、

こっちに戻ってきてから一気にレベルが上がった。


「魔法がかなり伸びまシタね。」

「え、魔法?」

リリの発言に姉が食いつく。


ベースレベルは高レベルだから上がりにくいので分かりにくいが、

魔法スキルは確かに大きく上がっている。


俺とリリの共通点、

「もしかして、沢山解いたから。」

「あれ、説明は?」

「聞いてないぁよ。」

語気を強めたララは右足を地面に叩きつけ、

イライラ度が増してきている。


「そうかそうか、すまんすまん。」

待ったを掛けるように両手を前に出しながら、

防戦一方で困り顔のユピレス。


「そういや、これ返さねぇとだな。」

パワルドが一触即発の2人の間に割って入った。


「あれ、これB級の方じゃないか。」

受け取ったファイルの表紙を見てユピレスが呟く。


「何よ、B級って。

分厚いのBかしぁ?ぶっ殺されたいのBかしぁ?」

明後日の方を向きながら、嫌味を言うララ。


「こっちはA級の方に収まらなかった重要度が低いやつだ。

うん、間違えない。」

ページをパラパラと捲り、頷きながら表紙と中身が

一致していることを確認したユピレス。


「永久保存版だからA級、なんちゃって。」

「お、上手いね。」

「上手くないぁよ!」

「「すいません。」」

場を和ますために放った渾身の親父ギャグは、

ララに一喝されて、ユピレスと共に謝る羽目に。。。


「はぁ、もう報酬とは別にこれ遣るから勘弁してくれ。」

一人一人に【〇◇友の会 御優待券】と書かれた綴りをくれた。

中身を見ると100ゼニーの券が11枚。


以前リーインフに貰った券といい、

ギルドのスタッフは丸菱デパートの回し者なんだろうか。


「お姉さま、もうこの辺にしまショウ。」

「リリがまぁそう言うなら、

今回は特別にこれで手を打つわ。」

現金な2人に、ユピレスはホッと胸をなでおろした。



精算を終えたが、昼までかなりある。

この後どうするか歩きながら話し合った。


「これも貰った事だし、早速丸菱へ行きぁしょ。」

ララは先ほどもらった優待券を手に持っていた。


「久々ね。行こ行こ。」

以前入り浸っていたニャルマーは嬉しそうにしている。


「パワルドはどうする?」

「う~ん、今は特に入用な物もねぇし、

祠にでも行こうかな。刻印も取らなきゃいけねぇからな。」

「そうだね。んじゃ、俺も一緒に行くよ。」

「う、うぅ~・・・」

ニャルマーは頭を抱えてしまった。


「1日位羽を伸ばしたっていいと思うよ。

俺とパワルドがワーカーホリックなだけだから。」

「ワーカーホリックか、確かにそうかもな。」


結局ニャルマーはララたちと共に丸菱デパートへ行き、

俺とパワルドの2人でクヌギの祠へ行くことにした。

女性陣の買い物に付き合うのは大変だしね。。。


年末1週お休みします。

次回リリースは1月4日の予定です。


本年もご購読ありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

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