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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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マテカ空間13 ~ アイアイ?愛の2条?、 イマジナリーナンバーとは・・・ ~

先へ進み、次にエンカウントしたのは3z、2、9。

2の頭上には感嘆符!をひっくり返したものがある。


「6i + 3z + 22」

リリがパスコードでマテバリアを解除すると、

パワルド、ニャルマー、ララがそれぞれ倒す。



この後5回戦闘をしたが、出てきたのはiとzのみだった。

「a~zという訳ではなさそうだね。」

「ええ、でもそうすると解除的ない

パスコードって何なんでショウ?」


始めはi、z、数字と全て対応していたリリだったが、

今は数字の部分を俺の方で受け持っている。

「58i + 60z」

「プラス 62!」

パスコードを解除したzと7をパワルド達が倒した。


更に奥へと進むと、頭の上に感嘆符をひっくり返した

マークがあるバツジャナイが現れた。


「ゴジュウハチアイ プラス・・・」

「アイエックス!」

どう言ったらいいか迷っていたリリをフォローする。


「プラス 60z」

「プラス 62!」

パワルドとララが競うようにバツジャナイに攻撃した。

だが、マテバリアに弾かれてしまった。


「イチアイエックスじゃないぉ!」

バツジャナイの反撃を受けながらララが睨みつけてきた。

1は通常表記しないけど、言われてみればそうかも。


「ゴジュウハチアイ プラス イチアイエックス

プラス ロクジュウゼット プラス ロクジュウニ」

リリが解除を試みた。


だが、またしても攻撃は弾かれてしまう。

「え、合ってるでしょ。」

リリのパスコードで間違えないはずだ。


「58i + 1ix + 60z + 62」

リリが一呼吸おいてゆっくりとパスコードを言った。


だが、ララの攻撃は弾かれ、

バツジャナイは一目散に逃げ出した。


「あれ?」

「リセットだわ。」

戸惑っている俺に近づきながら、ララは暗く呟いた。


一旦入口まで引き返さなければならない。

「あれが解けないヤツだろうな。」

引き返すためにララに続いてすれ違ったパワルド。


「俺たちも戻ろう。」

顎に手を当て考えているリリに一声かけた。


城壁の外に出て一旦リセットした俺たちは作戦会議を始めた。

「ひょっとしたら言う順番じゃないの?

例えば、ixじゃなくてxiとかね。」

「まぁ、可能性の一つではあるね。」

ニャルマーの考えを受け入れようとしたが、

首を横に振りながらリリが否定する。


「その可能性はマズ無いと思いマス。」

「え、何で?」

しょんぼりとしながら発言者のニャルマーが返す。


「もし順番の問題なら、何度か試せば

解けないという事はないでしょぉね。」

「確かにそうだな。」

答えたのはリリと同じ考えだった姉のララ。

そして、パワルドもその考えに同意する。


「一応さ、数字から言ってみたり、

6zをz6って言ってみたり

解けなかったヤツが出るまでに検証してみようよ。」

ニャルマーの案をフォローし、念のための検証を打診した。


「可能性を1つずつ潰していくのは悪くないデスね。

何か掴めるかもしれませんし、試してみまショウ。」

計算担当をメインで担っているリリは、

ニャルマーに視線を送り頷いた。


「もしかして、あれ掛け算なんじゃないぉ?」

「その可能性もあるとは思いマスが、、、」

姉の言葉を否定はしないが、

それも想定可能だろうといった感じに言葉を濁す。


「とりあえず、一回順番と掛け算の可能性を試せば良いんじゃねぇか。

駄目ならまた検討して試せばいいしな。」


再び城壁の中へ入る。

言う順番を試した結果は数字から言ってもマテバリアは解除された。

例えば、『16 + 14z + 11i』でも解除される。


だけど、『16 + z14 + i11』は駄目だった。

そういう意味で言うと、xiとixの順番は重要だろう。


そして、例の頭の上に感嘆符をひっくり返したマークがある

バツジャナイが現れた。

まず試したのはxiとixの順番。

ちなみに、1は言わなければならないというのがララの見解。


「62i + 1xi + 57z + 70」

リリがパスコードを言うと、ニャルマーが攻撃を仕掛けた。


しかし、マテバリアに弾かれてしまう。

パワルドとララは発言者に譲ったようだ。


次に掛け算を試す。

「62ii + 57iz + 70i」

今度はララが攻撃する。

だが、その攻撃は弾かれる。


「アイアイって。アイの2乗じゃ、、、」

「愛の2条??」

途中まで言いかけ、頭がはてなマークのリリを

止まめるような形で腕を伸ばす。


アイの2乗って、ひょっとして・・・

「マイナス 62 + 57iz + 70i」

「はぁ、何言ってんぉ!」

ララは鬼の形相で睨みつけてきた。


これが、3回目。

つまり間違えれば、バツジャナイに逃げられ

ペナルティリセットとなる。


パワルドとニャルマーは弾かれても良いから、

逃げられる前に攻撃をと、それぞれ仕掛けた。


そして、ニャルマーの横一文字に切りつけた攻撃が、

バツジャナイのど真ん中に決まる。


「「えっ?」」

魔素に還る様子を見て、俺の方にキョトンとした視線が集まる。


「んなもん、解ける奴いるかぁ~!!」

辺り一面に俺のツッコミが響く。


これって高校レベルのイマジナリーナンバー、

すなわち虚数ってやつじゃん。


俺のもとに集まった4人に中学生レベルから説明した。

プラスであれ、マイナスであれ、同じ数を2回掛けると

必ずプラスの数になる事。

正確には同じ数ではなく、同じ実数と言わなければならないのだが、

混乱するので単に数と説明した。

だけど、存在しないはずの同じ数を2乗した際にマイナスになる

想像上の数として「i=√-1」というのがあり、

iの2乗はー1になると説明した。

ニャルマー以外は前半までは理解したようだが、

後半は4人とも何言ってるんだこいつという目で見ている。


「要するに、普通の変数として掛け算して、

『iの2乗』が出たら -1に置き換えて掛ければいいんだよ。」

「それなら時間があれば何とかなりマスね。」

「慣れるまでは時間がかかっても仕方のないよ。」

今までの状況だと、出ても十数回に1回だろうから

何とかなるだろう。


「あ、凄い増えてる。」

説明の後半をほとんど聞いていなかったニャルマーは

アイテムボックスを確認して驚いていた。

確認すると今日だけで60個以上増えている。


「さっきので40個位増えた?」

4人がホクホク顔で頷き返した。

「こりゃ続けてぇけど、

どうすりゃいいんだろ?俺はこの計算は無理だしな。。。」

「iと数字、izとzはペアみたいなもんだから、

2人でやってみる?」

現状理解しているリリに聞いた。


「やれるところまで挑戦してみまショウ。」

「最悪、リセットされてもいいぁよ、難しいんだから。」

ララがリリの士気を鼓吹し、俺と2人で計算を頑張ることになった。


「31i - 25」

「28i z- 41」

リリが先に言い、俺がzの部分を続ける。

時は夕方、最後のモンスターを倒した。


数字は3桁に満たないが、リセットされた訳ではない。

プラスとマイナスを行ったりすることで、

幸い数字自体は大きくなることはなかった。


そして、1000個以上稼げたとあって、

5人とも喜色満面で廃城を後にした。

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