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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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マテカ空間12 ~ チャールの村長のイーワンと感嘆符をひっくり返した記号 ~

【4月11日】

9時前、5人で遺跡の前に到着すると、

パワルドはララとアイコンタクトを取って、肩を回し始めた。

「よし、今日は俺がやるかな。」

「んじゃ、明日はあぁしね。」

「はいはい。いいんじゃん、それで。」

昨日の段階でこうなりそうだと思っていたので

ちょっと投げやりに承諾した。


「そしたら4日目は、」

「チャールへ行くぁよ。」

話を途中でララに取られた。


「え、そうなの?」

「ほらパターン的にもね。」

もっともらしくニャルマーが答える。


確かに3日おきに移動してきたけど、

と思いながら、リリと目を合わせる。


「私はお姉さまのお考えに従いマスので。」

先を歩くパワルドは言わずもがなだし、

既に意見は纏まってしまった。

「はぁ、マーイーカ。」



遺跡に入りディテクトを使うと近くに反応があった。

皆に知らせる前に、5x、3y、2が飛び出してきた。

「5x!」

昨日と同様に俺がxを担当する。

「プラス3y!」

パワルドの代りに入ったニャルマーが続ける。

「プラス2」

ララに背中を押されたリリが答える。


昨日一番大変だった数字だけの担当をリリに譲ったようだ。

役割が決まり、リセットすることなく1日遺跡を探索する。



「870x!」

「んと、えとぉ~、プラス903y?」

「プラス1117z・・・」

「プラス884。」

7y、3z、5zをパワルドが倒す。


「よし、もうすぐ出口だな。」

先頭を歩き戦闘をしていたパワルドは額の汗を拭った。


「もぉ~、何でこんなに、、、くぅ・・・o (><)o」

時折エンカウントする複数のz、

結局今日もララが一番大変で、地団太を踏んでいる。


「まぁまぁ、今日はこれで終わりだろうから、ね。

お疲れ様。」

「明日はララちゃんがモンスター対応よね。

昨日、今日と計算担当お疲れ様。」

一人嘆いているララを俺とニャルマーで労う。


「そぉね。明日は頭使わなくて済むわね。」

途中からイライラして髪がボサボサのララ。


そして、そっとその髪を直してあげているリリ。

500個以上のマテカ結晶を入手し、遺跡を後にした。



【4月12日】

「743x!」

「プラス710y」

「プラス730z」

「プラス697」

俺、パワルド、ニャルマー、リリの順にパスコードを言い、

ララがマテバリアが解除されたモンスターを倒した。


既に日は落ち、入口まで戻ってきた。

「昨日よりペース落ちたね。」

まだ奥はまだまだだけど、入口付近は減ってきている。


「明日はチャールだし、良いんじゃねぇかな。」

「パスコードが分からないのがいるんでしょ?

どういう事だろ?気になるね。」

「そこはチョチョって。」

「だって。」

ニャルマーの無責任な発言をそのままリリへ投げた。


「話を振られマシテも。

恐らく時間をかけて解けるようなものではないのでショウ。

興味深くはありマスが。」

「そんな難しく考えなくてだいじょぉぶよ。

あぁしが解いてみせぅから。」

ドヤ顔で先を歩くララが振り返った。

その言葉、信用して良いものやら・・・


「さすがお姉さま。」

「期待してるな。」

「何かララちゃんが居れば行けそうな気がしてきた。」

「そだねー。」

妹のリリは良いとして、何故かパワルドとニャルマーも

ララに期待を寄せている。

俺だけ心のこもらない棒読みで答えた。



【4月13日】

チェンセン村長に教えてもらった

チャールの村長のイーワン宅へ到着した。


「お待ちしておりました、使者様。

早速廃城までご案内しましょう。」

イーワン村長と村の奥まで進んだ。


他の村では村の概要や宿泊場所の説明をしてくれたが、

ここでは無かった。

というのも「皆さん午前中に帰ってきて、

そのままサンガティーンへ戻られるので。」との事だった。


俺たちも御多分に漏れず、

午前中には戻ってくると思われている。


「この地下道を通った先に廃城があります。」

目の前には山があり、その先にあるのだろうか。


「この山の先だと、時間かかりそうだな。」

「凡そ15分から20分ほどで向こう側に出れれるかと思います。

さ、こちらをどうぞ。」

パワルドの疑問に答えながら用意してくれた松明を

俺とパワルドに渡してくれた。


「ありがとうございます。それでは行ってきますね。」

「お気をつけて。」

一人分の幅しかない地下道を、

俺、ニャルマー、ララ、リリ、パワルドの順で進む。


地下道を抜けると、十数メートル先に5メートル位の城壁と、

更にその奥に禍々しいオーラを放つ大きい城があった。


「おぉきな城だけど、嫌な気配しかしないわ。」

「あちらが入口みたいデスね。」

リリが右前方の鉄でできた観音開きの扉を指した。


「随分と重そうだな。よし、俺が開けてやる。」

パワルドは両手と右肩を壁に押し付け、

ゴゴゴゴゴと音を立てながら開けた。


中に入ると庭園が広がっていた。

「綺麗な場所ね。」

ニャルマーの言う通り、綺麗にメンテナンスされている。


「早速お出ましだわ。」

ララが音が聞こえた方に数歩進むと、

ヨンナノとロクデナシが現れた。


「「えっ?」」

皆拍子抜けしてしまった。


「じゅぅ!」

ララがパスコードを言いながらロクデナシを仕留める。

そしてパワルドがヨンナノを倒した。


「簡単すぎぅわね。」

「そだね。あ、また来るよ。」

ディテクトの反応が近づいて来ていた。


「17!」

出てきたのはサンジャナイとヨンナノ。

リリがパスコードを解除し、

パワルドとニャルマーが攻撃を仕掛ける。

だが、2人の攻撃は弾かれた。


「あぇだわ。」

ララはヨンナノの頭の上にある感嘆符を

ひっくり返した¡を指した。


「ヨンアイ プラス ジュウサン!」

リリがもう一度パスコードを言うと、

パワルドとニャルマーが再度攻撃をし、無事倒した。


「これってa~zまでで、27個じゃないよね?」

「「いやいやいや・・・」」

苦虫を嚙み潰したような顔で俺の考えを否定する。

1人最低でも5つを対応しなければならない。

発言した俺でも出来れば否定したい。

まぁ実際にそこまで記憶していく必要は無かったのだが。


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