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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
123/186

マテカ空間9 ~ エクー村 西の砂地 ~

戻って最初に遭遇したのはサンジャナイ、ハチジャナイ

リチギナインの3体。

「20!」

「アイスボムッ!」

パワルドがパスコードを言い終えたと同時に、

魔法で出来た氷塊が弾け飛び、

直撃したサンジャナイは魔素へと還った。

問題なくパスコードはリセットされているようだ。


続けて近づいてきているハチジャナイ、

リチギナインとアイスボムで倒した。

「一歩も動かずに倒しちまうとは楽でいいな。」

「え、そう。多分フローズンブリザなら一発かもよ。」

「そいつぁ、羨ましい限りだな。」


次に現れたニデアル、ヨンナノ、ロクデナシに

フローズンブリザでダメージを与えると一撃で魔素へ還った。

「なんか、余裕だな。」

「そだね。次行こうか。」

「お、おう。」

範囲魔法でも問題ないことを確認し、

大きな石、小さな石と不揃いな足元を進んだ。


「えっとぉ~、294で、えっとぉ~、、、312!」

「フローズンブリザッ!」

ロクデナシ、ハチジャナイ、リチギナインに

ダメージが入らない。


「弾かれた!」

パスコードが合っていないため、

マテバリアが解除されていない。


「えっとぉ、あれ、幾つからだっけ。」

パワルドは頭の中が真っ白になっている。

間違えると気が動転して元のコードが抜けてしまう。

俺も経験して気持ちは分かる。


「288から。俺に惹きつけるから、

ゆっくり計算してくれ。」

俺は敢えて計算はしない。


というのも、余計な数字が入って元の数字が

抜けてしまっては元も子もない。


「すまねぇ、兄貴!」

パワルドから離れ、アイスボムをリチギナインに放つ。


当然弾かれるが、注意は惹けた。

間合いを取りつつ、再度ハチジャナイにアイスボムを放つ。


「311!」

パワルドが導き出したパスコードが正しいかは分からない。

だが、すぐさまフローズンブリザを放ち、

まとめて3体、魔素へと還した。


「はぁ。。。」

メンタルを相当持ってかれたのか、

パワルドはその場でヤンキーの様に、

所謂ウンチングスタイルでその場にしゃがんだ。


「お疲れさん。」

近づき、一声かけた。


「やっぱ計算担当は精神的にくるな。」

「アレは俺もヤダよ。」

288から6、8、9。

3回繰り上がる上に、百の位も繰り上がる。

出来れば避けたいパターンだ。


「一旦戻るかな・・・」

パワルドの表情が冴えない。


「どうしたの、急に。」

「何となく、流れを変えてぇっていうか。。。」

「ああ、なるほど。ま、いいんじゃない。戻ろうか。」

再度村へ戻り、パスコードをリセットし、

その後暗くなるまで狩りを続けて村長宅へ戻った。



ニャルマー達3人は俺達より先に帰ってきているようで、

部屋で寛いでいるとスィージュ村長が取れ高確認にやってきた。


最初は世間話を3人でし、今日の様子を聞かれ、

最後にニイズドーについて教えてくれた。


そして、スィージュ村長が退出すると、

入れ替わりでニャルマー達が訪ねてきた。


「場所、変わりあしょ。」

ララは入ってきて座るや否や、不貞腐れたように言い放った。


「何、どうしたの?」

ララに聞いても駄目だと思い、ニャルマーに視線を送る。

「ちょっと動くと砂が舞い上がっちゃって、

もう全身泥だらけよ。」

「髪はごわつくし、口の中にも入ってくるし、散々でシタね。」

俺達より先に帰っていた3人は既にシャワーを浴びてきたようだ。


「俺は別に良いけど。」

「汚れるのは別にどって事ねぇし構わねぇけど、

こっちも足元悪いけど、大丈夫か?」

「いいわよ、それくらい。ねぇ。」

ララの勢いに、ニャルマーとリリは頷くしかない。


「なら良いんじゃねぇか。」

「んじゃ、明日は俺たちが西の砂地って事で。」

その後、互いに今日の様子を引き継いだ。


足場は変わるけど、基本的には同じ様な感じみたいだ。



【4月5日】

今日は西の砂地へと赴いた。

「うわぁ~、砂漠みてぇだな。」

遥か先まで砂地が続いていて、

動いているモンスターが確認できる。


「さらっさらだね、この砂。」

座って手に取った砂時計に使われているような

パウダー状の砂を少しずつ溢した。


「さて、始めるかな。」

同じ様に足元の状態を確認したパワルドは立ち上がった。


「今日はどうする?」

「俺は倒していく方がいいな。」

「分かった。それで行こう。」

俺が計算担当を引き受けることになった。

きっと途中でチェンジしてくれるだろう。


攻撃する度に巻き上げられた砂がパワルドを砂まみれにし、

500を超えたあたりで、一度村へと引き返す。


「この辺でいっか。」

村との境界は明確ではないが、足元は普通の土になっている。


「よし、第二ラウンドだな。」

パワルドは肩を解す様に回し、拳をボキボキ鳴らしている。


「あれ、変わってくれないの?」

「えっ?」

おどけた顔で返事をすると、

俺から距離を取るかの様に小走りで先に行ってしまった。


「はぁ、全く。。。」

溜息を吐きパワルドの後を追った。


もう一度リセットために村へ戻ったが、

結局1日中計算担当を任されてしまった。。。

┐(´∀`)┌ヤレヤレ



【4月6日】

前半、俺が計算を担当した。

昨日より進捗は落ちていて、1度目のリセットのために

村に戻ってきたのは2時過ぎだった。


2ラウンド目はパワルドに計算担当を引き受けてもらったが、

パスコードはまだ150を超えた程度だ。


「疎らになってきたね。」

「次はアレだな。どうする?」

パワルドは遠くで動くモンスターを指す。


「10分位掛かるよね、あそこまで。

もうそろ、終わりでいいんじゃね?」

「まぁ全部倒す必要はねぇし、

時間ばっか食っちまうもんな。」

「んじゃ、引き揚げようか。」


ニャルマー達が対応していた東側も大方片付いたので、

明日の朝、偏屈な人が多いと聞いているニイズドーへ出発することにした。


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