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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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マテカ空間4 ~ しんどい算数タイム・・・((+_+)) ~

「斬り付けた瞬間、何かに弾かれたぉよ。」

ってことは何で倒せたんだろうと

疑問に思いながらパワルドを見た。


「俺はいつもと変わんなかったけど、もしかしたら、

こっちだったら行けるんじゃねぇのかな?」

視線を感じたのか、拳を突き出しながら自分の考えを述べた。


「ん~、確かに2回ともそうだったけど。。。」

事実ではあるのだけど、どうも腑に落ちない。

何かが欠けているような気がする。


「ねぇ、ララちゃんを弾いたのってマテバリアじゃない?」

「可能性は高いデスが、ではどうして解除されたんでショウ?」

「え、お俺は何もしてねぇよ。なぁ?」

ニャルマーとリリから何か知ってるんじゃないという目で

見られたパワルドは、戸惑いながら否定して助けを求めてきた。


「俺に振られたって知らないよ。あ、もしかして、、、」

頭の中で、『パスコード』、『加算』、『4、3』、

そして、サンジャナイに弾かれた際にララが

『な何なぉよぉ~』と言っていたのを思い出した。


「誰かヨンナノを倒すとき、ヨンって言った?」

「はぁ何だよ唐突に。俺はヨンなんて言ってねぇな。」

パワルドは怪訝に答えた。


「誰か『うわぁ、ヨンナノだぁ』とか言わないよね。」

「初心者じゃあるまいし、そんぁ事言う訳無いじゃない。」

ララは肩を竦め、リリもニャルマーも首を横に振る。


「そりゃそうだよねぇ。。。」

「なぁ、それってヨンじゃなきゃ駄目なのか?

ヨンじゃなくて、シなら兄貴が言ったよな。」

「え、ああ、確かにヨンナノが現れる直前に言ってたね。

って事は、足し算の答えがパスコード何だと思うよ。

ヨンナノは俺の言ったシ、サンジャナイの時はナナ。」

自分を指さした後、ララを指さす。


「あ、アタシ?」

「弾かれたときに言ってた『な何なぉよぉ~』かぁ。」

ニャルマーがナナの箇所を見つけたと同時に、皆も納得した。


「って事は、ソチラは関係ございませんでシタね。」

敢えて丁寧な言葉を使い、

悪戯な顔でリリはパワルドの拳を指す。


「さ~て、本当にそうか検証しねぇとな。検証、検証。」

パワルドは肩をグルグルと回しながら、先に進んでしまった。


後を追うとすぐにロクデナシが現れた。

「じゅ~さぁ~ん!!!」

岩を砕くつもりなのか、パワルドは全力でパスコードを叫ぶ。


俺たちだけでなく、ロクデナシもビックリして

一目散に逃げ出してしまった。


「あんな大きな声で言う必要ないんじゃないぉ。」

先ほど7で解除したララは不満を漏らした。


「お陰で周囲からモンスターは消えたよ。ありがとう。」

ディテクトの反応が消えてしまったので、

逃げられて呆然と立っているパワルドの横を通る際に、

嫌味を込めて肩をポンポンと2度叩く。


「暇ち~ん。」

「いいお散歩タイムですコト。」

「なぁ~にやってるんらか・・・」

伸びをするかのようにニャルマーは腕を高く挙げて歩き、

リリは嫌味を言い、ララは呆れていた。


5分程道形に沿って進むと、漸くディテクトに反応が出た。

「そろそろ来そうだよ。」

ロクデナシに逃げられて以降、女性3人が前列で進んでいて、

二宮金次郎状態のリリを守るかのように右がララ、

左がニャルマーで、左右の2人の手に力が入る。


ニデアルが現れた瞬間、

「きゅー」「きゅう」

と2人とも普段より声量大きく叫んで斬撃を加えた。


クイズ番組じゃないけど、答えが分かると大きな声で

言いたくなるのは人の性なんだろうね。


「お、マテカ結晶が入った。」

ニデアルを倒すとアイテムが入った。


「あれ、全員入ってる訳じゃなかったんだ?」

ニャルマー以外が首を振る。

ヨンナノ、サンジャナイの分は彼女のところに入ったようだ。


「どうやら1匹で1つしか落ちないみたいデスね。」

「だったら、雑魚だし手分けした方が効率的だな。」

パワルドの案を聞くと、リリはニデアルを倒したニャルマー達の方へ

ススっと離れていった。


「だ、そうだ。」

先ほどまでの前列と後列で見えない線が引かれている。

「よし、決まりだな。」


パワルドと共に少し戻り、別の分岐を進む。

出てくるのは1~9の形のモンスター。

 1:イチジャナイ

 2:ニデアル

 3:サンジャナイ

 4:ヨンナノ

 5:フィフスン

 6:ロクデナシ

 7:ナーナセブン

 8:ハチジャナイ

 9:リチギナイン



森の奥へ進むに従って、モンスターの

出現頻度が上がっていった。

「マイナー1で、296!」

俺がパスコードを言うと、パワルドはリチギナインを一撃で倒した。


200を超えるまでは、気付いた方がパスコードを言っていたのだが、

途中でパワルドが前の数字に加算してしまったのだ。


倒しながらやってると分からなくなってしまうの仕方がない。

結果的に、俺が算数をする破目になってしまった。

別に良いんだけど。


「そろそろ頃合いだな。」

時間を確認すると、集合の5時までに戻るには

丁度良いタイミングになっていた。


「確かに。あ゛あ゛っ!これ戻る間もずっと続くんだよね。」

既にパスコードは、ほぼ300。げっ、しんど・・・

「兄貴、頑張れよ!」

進行方向が180度変わるために、

すれ違ったパワルドはニタニタとしていた。

ムカつく~~~!!


「574!」

パスコードを言いマテバリアを解除すると、

パワルドがニデアルを倒した。


ディテクトにはあと1つ反応があるが、これで終わりだろう。

俺は念仏の様に復唱しながら、空中にもパスコートを書く。


少し進むとハチジャナイが現れた。

「マイナー2でぇ、、、58、2!」

マテバリアを解除されたハチジャナイはパワルドの蹴りで倒された。

「終わた~~!」

ここから先には反応は無い。

両手をグーにして高く挙げ、背筋を伸ばし

精神的なプレッシャーから解放された。


「お疲れさん。」

パワルドはニタニタしながら歩み寄ってきた。


こいつ途中でわざと間違えて俺に押し付けたんじゃないんだろうか。

ちょっと疑ってしまう。もう、良いけどさ。。。


「大分メンタル持ってかれたよ。」

「ははは。でも役割分担したら、意外と順調だったと思うな。

ということで、明日もよろしくな。」

頼むよと言わんばかりに人の肩をポンと叩いてくと、

先へ歩き始めてしまった。


「おいおい、冗談だろ。」

慌てて後を追う。


「んじゃ、公正なるジャンケン大会で決めるしかねぇな。」


・・・結果、明日も俺が計算担当となりました。((+_+))



「そういや、さっきから気になってたんだけど、

マイナー1とかマイナー2とかって何なんだ?」

シャドーボクシングの様に腕を動かしながら、

不思議そうな顔をしていた。


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