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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第2章 サンハイト地方
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タークハギ鉱業を買収!?熊太郎とベア子との初ダンジョン

【8月3日】

昨日、ギルドの責任者エディクスさんが鉱山討伐の依頼者と報酬について話をつけているはずなので、

その件について聞きにギルドへ3人で向かった。

ギルドに付くと受付嬢が応接室へ通してくれ、座って待ってるように言われた。


5分位した頃、ドアがノックされエディクスさんが1人の男を連れて入室してきた。

「こちらは依頼者のタークハギさんで、タークハギ鉱業のオーナーだ。」

「この度は鉱山のモンスターを倒していただき、ありがとうございました。」

筋肉隆々だが160cm位の小柄な男は、深々と頭を下げてお礼を言った。

「で、報酬の件なんだが、2匹討伐したと言うことで当初報酬の倍の鉄鉱石200でどうだろうか。

ただ、条件として1ヶ月ほど採掘のために猶予を与えてあげてほしい。」

「ほんと、すまねぇな。8月末までには用意するからよろしく頼む。」

エディクスさんが提案し、タークハギさんが頭を下げながらお願いしてきた。

特に急ぎ必要なわけでもないので了承し、二人と握手を交わした。


「あともう1つ聞いてほしいことがあるんだが・・・」

と言いつつエディクスさんはおもむろに、少し黄ばんだ紙をテーブルに置いた。

-----------------------------------------------------------------------

 依頼内容:ハイルート付近に住み着いた飛竜達を追い払う

 報酬:鉄鉱石200個

推奨レベル:35以上

  ※魔法もしくは弓術のレベルは最低でも25以上

 

 ハイルートはハノウ行きの馬車に乗って1つ目の町です

 詳細は、受付の際に説明します

-----------------------------------------------------------------------

「実は先日まで掲示板に貼られていた依頼なんだが、誰も受け手がいなくて剥がしたものだ。

俺たち二人共この依頼元であるハイルート村の出身なんだが、

君たちに何とかしてもらえないかと思っている。」

「また、鉄鉱石か・・・」パワルドが呆れながらつぶやいた。


それと同時に、俺の頭の中に「ピロリン」となり、クエストが発生した。

-----------------------------------------------------------------------

<クエスト>

弓術スキルのレベルを25以上にする(報酬:1000ゼニー) 

-----------------------------------------------------------------------

クエストが俺の視界の中に入ると同時に、達成になった。

俺の弓術スキルのレベルは41なので、既に超えているため、報酬をすぐ受け取った。

受け取ると同時に、またクエストが発生した。


-----------------------------------------------------------------------

<クエスト>

ハイルートの依頼を達成せよ。(報酬:1000ゼニー) 

推奨レベル:35以上

-----------------------------------------------------------------------

ああ。やっぱりクエスト達成のために受けなきゃいけないんだなと思った。


「達、ということは複数、そして追い払うと言うことは倒す必要はない、と言うことですね。」

ニャルマーが依頼書を見ながら指摘した。

「ああ、そういうことだ。まず現状把握しているのは2匹だけだ。そして、討伐でないという理由は、

飛竜は攻撃を受けると飛んで逃げていってしまい、暫くは近づかない。

そもそも人里に来ることが珍しいんだよ。」

エディクスさんの説明に納得した。


その横でタークハギさんが苦い顔をしつつ申し訳なさそうに、

「報酬の鉄鉱石なんだが、用意できるのが当分先になってしまう。だから依頼を取り下げたんだ。

そもそも鉱山に熊が住み着きさえしなければ・・・だが、報酬は時間がかかっても必ず用意するから頼む。」

深々と頭を下げられた。


タークハギ鉱業の採掘能力について気になったので聞いてみた。

「全盛期には20人以上の仲間がいて、月に4000個以上採掘していた。

採掘が出来なくなり給料も払えず、申し訳なかったがみんな解雇した。

今は弟のトーイスと2人だけだ。だからどう頑張っても月に400個がせいぜいだ。

人を雇うにも資金が現状足らない。弟には商人達に出資をお願いすべきだと言われているんだが、

正直あいつらに頭を下げて交渉なんて嫌なんだよなぁ。」

「ちなみに幾ら位必要なんだ?多少であれば協力するが。」

あわよくば出資できないか聞いてみた。というのもゲーム内では今後鉄鉱石は不足し、

ここコマアールは鉄鉱石で有名な都市のひとつになることを知っていたからだ。

タークハギ鉱業が有名だったかは知らないが。


「最低でも当面の資金として1000万ゼニーは必要だと思う。

しばらく動かしていないから全部メンテに出してからじゃないと使えねぇ。

そして前と同じくらいの20人位を雇いたいと考えているんだよ。

1200万ゼニー位あれば資金繰りも余裕が出るからうれしいんだが。

ただ、出資比率の問題が出てくるんだ。1000万ゼニーであればうちの出資比率は50%になり、

まだ筆頭のオーナーになるんだが、それ以上出資を募るとどうなるか分からなくなってしまうんだ。」

「俺が1200万ゼニー出資しましょう。基本的な方針以外はタークハギさんに任せますので、考えてみてください。」

資金的には問題ないので、出資の打診をするとタークハギさんは困惑しつつも「考えてみる」と返答をくれた。


報酬の件はさておき、クエストを達成するために受けざるを得ないので、飛竜の特徴をエディクスさんに聞いた。

「奴らは上空から炎のブレスを吐くが、それほど威力はないから耐熱が付与された防具を装備しておけば

さほど脅威にはならない。それ以外の攻撃はほとんどない、というかあまり近づいてこない。

だから、魔法もしくは弓による遠距離攻撃が必須になる。」


俺は遠距離攻撃のないパワルドを見ると

「弓の練習をするかな。」

とやる気になっていた。ニャルマーも頷き、やる気になっていた。

8月いっぱいレベルを上げてから、依頼を受けると伝え退出した。


ギルドの外へ出るとパワルドが心配そうに話しかけてきた。

「兄貴、鉱山なんかに大金を出資して大丈夫なのか?」

「タークハギさんは絶対に悪い人じゃない。ギルドの責任者と一緒にいるくらいだから心配ないだろう。

村のために依頼をかけたり、むしろお人よしだろう。それに、これから鉄鉱石の需要は増えると思うから大丈夫だ。」

「兄貴がそう考えてるなら、止めはしねぇけどさ。」

あまり納得しているようではなかったが、自分のことではないのでそれ以上追及はしてこなかった。


それから、ハイルートへ向かう前に、しばらくレベル上げをすることになった。

スキルレベルを上げやすくするために二人には修行の弓を貸し、それぞれダンジョンに入った。


俺は1層目に入り、召喚スキルを使い熊太郎とベア子を呼び出してみた。

消費MPは4と少ないが、2匹ともレベルは1で現状スキルは体術しかない。


2匹を連れて俺が倒していけばレベルは早く上がるが、ステータスの上昇が少なくなってしまうので、

俺はサポートに周り進めて行こうと考えている。

ゲームの中では、ステータスの上昇には努力値みたいなものも加味されるので

もしかするとここでは違うかもしれないが、念のためそうすることにした。


パワーアップやディフェンスアップなど補助スキルを2匹にかけ、

HPが減ってきたらヒールをかけてやるという感じで進んでいく。


ベース経験値は子熊たちにそれぞれ1/3ずつ、俺にも1/3が入る。

スキルは熊太郎たちは体術を使った分だけ経験値が入り、そしてその分だけ俺の召喚スキルの経験値になっている。

それ以外にも使った補助スキルと回復スキルの分だけスキル経験値を獲得している。

召喚中の消費MPもたいしたことないので、ずっと召喚し続けて先へと進み、

2匹のレベルが5になったところで、熊太郎とベア子との初ダンジョンを終えた。



RPGはレベル上げが大変です。

地味な単調作業な割に、頑張ってやってしまうんですよねぇ。。。

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