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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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オウルの祠 ~ 遅れる理由と90層の【日月山鳥の槍】 ~

「熊太郎、ベア子、ムツキ、エンデおいで!」

追加で4匹呼び出して、俺は召喚獣に囲まれる形になり、

召喚獣たちは初めて見る仲間に戸惑っている。


「エンデは熊太郎たちとやってくれ。」

今回の精霊祭で、飴を2パーティ運用で稼げるか試す。


背後には転移陣と上への階段があり、正面、左右に通路が続いている。

「モノトン達はここで少し待っててね。」


後から呼び出した4匹を連れて正面の通路を30メータ程進み、

1つ先の十字路の真ん中で立ち止まった。

「んじゃ、ここらで使ってみるか。」

魔香を使うと早速モンスターが寄ってきた。


「ここは任せるけど、この場所から離れすぎないでね。」

魔香を熊太郎に託し、一声かけると頷き攻撃を開始した。


3匹はレベルが高いからほとんどダメージを受けることはないと思うが、

念のため回復役のエンデを残しモノトン達の所へ戻った。


「さてと、こっちでも。」

使用した魔香をモノトンに託す。


右側からはコオロギのモンスターであるクリケッタン、

左からは6の形をしたロクデナシと

付近の空間が歪んで見えるミレージィが近づいてきた。


ジレンが右側、モノトンとトリゴンが左側に行こうとしたので、

「もう少し引き寄せよう。動くのはナノンの回復が届く範囲にしてね。」

と引き止め、4匹は理解したのか落ち着いて行動を開始した。


ジレンがクリケッタンにダメージを与えるが、反撃を喰らってしまう。

実力的にはほぼ互角。

だが、ノナンがヒールを使いジレンのHPを回復するので、

やられることはないだろう。


そして、モノトンとトリゴンはミレージィに狙いを定め攻撃した。

ミレージィは【イルジオン】を使い錯覚を見せ、

モノトンの攻撃は空を切ってしまった。


トリゴンの攻撃はヒットしダメージが入る。

モノトンがミレージィとロクデナシから反撃を受け、

HPが半分近く削られてしまった。


ヒールをかけようとすると、ノナンが直ぐに回復してくれた。

連携は悪くない。


モノトンとトリゴンはロクデナシを無視して

ミレージィに攻撃し、ある程度ダメージを与えると、

仲間のピンチを察知したのか、ロクデナシは一目散に逃げ出した。


「今はしょうがないか。」

イベント中なら飴の取りこぼしは避けたいが

現状は勝つことを優先させているので、こういった戦い方になっている。


もう少し余裕が出てきたら、ロクデナシから倒し

逃げられないようにしたいと思う。


ジレンとクリケッタンの戦いもあと少しで終わりそうだ。

ノナンにシェアムでMPを回復してから、熊太郎たちの方へ向かった。


こちらははっきり言って、余裕だ。

回復役のエンデは何もすることが無い。


ワンパンもしくはツーパンで倒し、

反撃を受けても1桁しかダメージは受けていない。

3匹ともベースレベルは50を越えているので当然か。


エンデは『暇なんですけど』という表情で俺を見ている。

言葉は話せないけど、気持ちは伝わってきた。


「回復役はローテーションさせるか。」

モノトン達の方に回復2枚は過剰だし、

熊太郎たちも全くダメージを受けないわけではない。


その後も色々な方法を試しながら召喚獣のレベル上げを行った。



【3月10日】

起きて直ぐ、キュカータさんがメンバー承認してくれた気になり、

ステータスを確認すると、既に追加されていた。

そして、掲示板に!マークが付いていて、新規の書き込みがあるようだった。


キュカータさんがメンバーになり、よろしくと書き込みをすると、

ハクシロンが遅れる理由を質問し、

それに対して返答が書き込まれていた。


ポンドバッグにあるオウルの祠で

最深部まで行こうとしていたみたいだ。


75層までは他の祠と変わらないが、それ以降は様子が違い、

モンスターや宝箱は無く、ただひたすら通路が入り組んでいるだけらしい。


そして最大の問題は、転移陣は無く帰還石などのアイテムも使えず、

自力で75層まで戻る必要があるとの事。


それなのに、キュカータさんは90層まで辿り着き、

76層以降唯一の宝箱から【日月山鳥の槍】を入手し、

91層に足を踏み入れてから戻る途中とのことだ。


1層戻るにも数日を要していて、精神的にも肉体的にも

普通の人には無理だろう。

イベントが終わったら、再度準備を整えて

91層から更に奥を目指す予定らしい。


「おいおい、正気かよ。」

掲示板の書き込みを最後まで読み終えて、

思わず1人で声に出してしまった。


ケービヨンへ行く馬車の中でも、話題は掲示板の件だ。

「アタシだったら、76層まで行って、

モンスターも宝箱も出ないんだったら、直ぐに引き返しちゃうよ。」

「77層はもしかしたら違うと期待して進んでも、

同じように何もなかったら二度と76層以降は行かないデショウね。」

「だからこそ誰もその先に行ってみようとは考えねぇし、

誰も辿り着いたことのない最深部、浪漫があるよな。」

「じゃあ、パワルドは90層まで行く気ある?」

「んん~、いや厳しいだろうな。

モンスターも出ないから休みながら行けたとしても、

途中で俺は何やってるんだろって参っちゃうだろうな。」

パワルドは俺の問いかけに腕を組んで少し考えてから答えてくれた。


「俺も多分精神的に耐えれないよ。

そう考えるといくら吸血族とはいえ色々タフだよね。」

「しかも、さらに先を目指されるとか。

ある意味、彼は変態デスね。」

「「「確かに。」」」

俺、パワルド、ニャルマーの声がハモる。


最深部がどうなっているのか興味はあるので、もし到達したら

教えてもらいたいなと思いながら、ケービヨンへと向かった。


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