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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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龍人族ハクシロンの理念

「やっぱし、良くなかった?」

「人選はお任せする事にしたので、私は構いマセンが・・・」

リリはチラチラと隣で腕を組みをして片足のつま先でポンポンと

地面を叩き明らかにイライラしている姉を見ながら答えた。


「そぉね。一任してるし、入れてしまったものは仕方がないわ。

でも、何か惹きつけるものがあったんでしょ?」

「冒険者ランクがCで、『上位を目指して頑張る』っていう

コメントだったし、マーイーカって。」

「はぁ、なぅほどね。もぉ、いいわ。」

ララは半ば諦め気味だ。


「そういえば、二人とも冒険者ランクはDだよね。」

「ランクを上げようとは思ってないかぁね。」

「ギルドに所属しているのも祠で集めた素材の売却するためデスし、

変に上げてしまっても、余計なことを押し付けられマスから。」

「あ~、そう言う事。」

定期的に素材の売却をしてくれる彼女たちをギルドも無下にはできない。

何度かランク上げの打診があったけど、

のらりくらりと理由をつけて話を先延ばししているそうだ。


ニャルマー、パワルドと少し遅れて合流した2人も

掲示板を見て不安に思っていたが、取り敢えず納得してくれた。


「お、書き込みが増えてるな。」

パワルドは馬車に乗り込んで掲示板を確認した。


内容が気になり、ステータスから掲示板を確認する。


-----------------------------------------------------------------------

ハクシロン>ケービヨンの5人は同じパーティー?

     そして人族ではないとオイラは読む。(¬_,¬)

ニーチャ>ククク((≧艸≦))

-----------------------------------------------------------------------


「ねぇこれどうする?」

ニャルマーが呆れた顔だ。

「別に普通に答えれば良いんじゃねぇのかな。」

「ええ、気構える必要もありまセンね。」

「確かに。」


-----------------------------------------------------------------------

なおと>ララとリリは前回の精霊祭で一緒になった仲で、パーティーは組んでないです。

    ちなみに、俺とパワルドは人族ですよ。

ニャルマー>私だけが獣人です。

リリ>姉のララと私は鬼人族です。

ハクシロン>意外な組み合わせ。Σ( ºωº )

      相棒というか相方というか

      所謂彼女のニーチャとおいらは龍人族ッス!

ニーチャ>( >ᴗ<ノノ゛ パチパチパチ

-----------------------------------------------------------------------


俺たちが書き込むと、即返答が返ってきた。

「龍人族デスか・・・」

「これは面白くなってきたな。」

「ううぅ、アタシ足引っ張りそうで怖いよ。」

最強種の1つである龍人族にリリは嫌そうにし、

パワルドは張り合いを感じ、

ニャルマーは泣きそうになりながら頭を抱えた。



【3月9日】

起きて直ぐ、キュカータさんがメンバー承認してくれた気になり、

ステータスを確認したが未承認のまだだった。

掲示板に!マークが付いていて、新規の書き込みがあるようだ。


-----------------------------------------------------------------------

ニーチャ>なおと氏、あと1人は(´・∀・)?

-----------------------------------------------------------------------


今までハクシロン曰く宇宙語でしか書き込まなかった

ニーチャのまとも(?)な質問だった。

ケービヨンのメンバーは5人で、募集人数は2人、

気になるのは当然か。


-----------------------------------------------------------------------

なおと>もう1人は、参加の話が付いてるよ。

    前回も一緒だった人で、少し遅れるそうだけど、

    実力は確かです。

ニーチャ>(^ー’*)b

ハクシロン>遅れることは大した問題ではなく、

      重要なのは結果だと思う次第ッス。

-----------------------------------------------------------------------


ニーチャの顔文字はサムズアップしてるから『いいよ』って事だよね。

ハクシロンも問題なさそうだったので、一安心し出発の準備をした。



「はぁ~。」

リリが運転する馬車が動き出すと、

ニャルマーがいつに無く重い溜息を吐いた。


「なしたぁ?朝から元気ないみたいだけど?」

「ハクシロンの言葉ね。」

俺の問いかけに答えたのはララで、その言葉にニャルマーは頷く。

彼とは掲示板上でしかやり取りしてないけど、

特に変な事は言ってないと思うんだけどなぁ。

変な言葉遣いではあるけど。。。


「遅れても構わねぇから、要は結果出せって事だよな。」

何の事か考えていると、パワルドが腕組みしながら呟いた。


「結果ぁ、結果ぁ、結果ああ~。」

「いやいや、そんな深く考えなくていいんじゃない?」

まるで呪いにかかったかのように頭を抱えている

ニャルマーを励ますが、聞いちゃいない。


「ふん、やってやろうじゃないの。

龍人族だろうが関係ないわ。

こぉなったら、あぁしがトップになるわ。」

「お、おう。俺がトップに、、なる?のかな?」

啖呵を切るかの如く勢いよく言い切るララに対して、

流れで言い出したものの頭の中で算盤を弾いたパワルドは

徐々に勢いがなくなり最後は疑問形になりながらこちらを見た。

「知らんがなヾ(-ω-:)」

なぜか関西弁でパワルドにツッコミを入れてしまった。


ケービヨンに着くまでの話し合いで、精霊祭の期間中は

7時に越川を出発し、21時にギルド前集合に決まった。



クヌキの祠 11層。

「モノトン、ジレン、トリゴン、ノナンおいで!」

昨日と同じようにまずは4体呼び出した。

そして、ふと考えた。


キュカータさんは遅れるとは言えあのペースだから

前回と同じ様に進めていたら直ぐに追い抜かれるだろう。


龍人族の2人はどの程度か不明だけど、

ララはキュカータさんのペースを知っていてのトップを狙う発言。

何らか考えがあるのだろうか。


パワルドは色々計算してまだ答えは見つかっていないだろうけど、

無茶をしてでも上位を狙ってくるだろう。


であれば、俺も何らかの方法を考えてみるか。

「よし、取り敢えず色々試してみよう!」

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