召喚リスト ~ モノトン、ジレン、トリゴン、回復役のノナン ~
【2月26日】
泊っている越川からケービヨンへ、今日はララの運転する馬車で向かう。
片道はだいだい10分程度だ。
「昨日お姉さまから聞いたのデスが、早速テイムされたトカ。」
「見てみたい?」
ニャルマーは召喚したそうだが、敢てじらすようにリリへ確認した。
「お手間でナケレば。」
「ラビ!」
昨日と同じようにニャルマーの膝の上に現れたラビは、
見たことのある馬車の中だからなのか、
怯えることなく全員の顔を見渡した。
「こんな風に現れるなんて、何か不思議デスね、」
「撫でても大丈夫だよ。」
感心しているリリへラビを近づけた。
「あ、はい。」
リリは恐る恐る手を伸ばし、ラビをそっと撫でた。
ラビはリリと目を合わせると、
ピョンとリリの元へと飛び移ってスリスリした。
「お姉さまがセミナー受けたいって言い出すもの頷けマスね。」
「いいんじゃない。受けてみなよ。」
「アタシ達が受講した時もガラガラだったし、きっと直ぐ受けれるよ。」
「そうですね、近々にデモ。」
リリは顔を緩めたままラビをニャルマーに返した。
「ラビは育てるの?」
「う~ん、そのつもりではいるけど。。。」
俺の質問に歯切れが悪い。
「まぁそうなると、先にはなかなか行けねぇよな。」
「そこなんだよねぇ。。。」
「パワルドはどうすんだい?」
「俺の召喚レベルでテイムできるのは3層までのモンスターになるし、
そこでテイム出来たとしてもレベリングはやっぱ1層か2層になるよな。
何かそれだと勿体ない気がするんだよな。
折角だけど、まずは先に進んで自分自身のレベリングだな。
そういう兄貴はどうなのかな?」
「俺も当面は40層を目指そうと思ってたけど。
でも急ぐわけでもないし、ニャルマーの好きにしたら良いんじゃない。」
「う~ん。。。」
ニャルマーはラビの頭を撫でながら悩んでいた。
俺もゲームではパワルドと同じ考えで召喚スキルはあまり使わなくて
レベルは15だったんだよなぁ。
けど、こうやって召喚してみると育てたくなる気持ちは理解できるんだよねぇ。
鍵マークも取れたことだし、ゲーム内でテイムしたのを召喚してみるかな。
ステータス画面のリストを見ながら、どうしようか考えた。
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【召喚リスト】
モノトン【BaseLv:4 種族:ヌヒョーン】
ジレン 【BaseLv:5 種族:ベロンチョ】
トリゴン【BaseLv:5 種族:ノッペラン】
テトラ 【BaseLv:7 種族:アングリーラビット】
ペンタ 【BaseLv:7 種族:スマイリーラビット】
ヘキサ 【BaseLv:7 種族:プリティーラビット】
ヘプタ 【BaseLv:10 種族:ソレトロイド】
オクタ 【BaseLv:10 種族:ソレトロイド】
ノナン 【BaseLv:15 種族:キュアスライム】
デカン 【BaseLv:14 種族:オオトカゲ】
エンデ 【BaseLv:15 種族:キュアスライム】
ドーデ 【BaseLv:12 種族:ビックキャタピラー】
熊太郎 【BaseLv:52 種族:切り裂き熊(子)】
ベア子 【BaseLv:52 種族:切り裂き熊(子)】
ムツキ 【BaseLv:50 種族:飛竜(子)】
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2層。
今日は4層からスタート出来たのだが、敢えて2層にした。
「モノトン、ジレン、トリゴン、ナノン、おいで。」
そう、鍵マークがとれたゲーム内でテイムしていた召喚獣を
呼び出す事にしたのだ。4層だとレベル的に厳しいだろう。
ヒーラーとして使えるキュアスライムのナノンを育成したい。
ヌヒョーンとかノッペランとかどうでもいいと思っていたのだが、
呼び出された4匹は嬉しそうにピョンピョンと跳ねている。
「早速だけど、モノトン、ジレン、トリゴンは前衛で、
ノナンは適時回復をかけてやってくれ。」
ディテクトで検知していた2匹のモンスターが目の前に現れた。
1つはアルファベットのOの形をしたゼロジャナイ、
もう一つは同じくIの形をしたイチジャナイだ。
結果的に2体は倒したが、1/3程度ダメージを受けてしまった。
ノナンがヒールをかけて3体は全快し、ピョンピョン跳ねて喜んでいる。
数的にもこちらが有利な状況だったので
もっとあっさり倒す想定だったんだけど、
喜んでいる光景を見たら、何かこれはこれでマーイーカ。
次に現れたのはノッペランとイチジャナイ2体。
こちらもアタッカーは3体、それぞれ1体ずつ相手している。
ジレンがイチジャナイから痛恨の一撃を喰らいHPが半分以下になると、
ノナンが直ぐにヒールをかける。連携は悪くない。
戦闘が終わると、ノナンが3体を全回復して次に備える。
また少しすると、ベロンチョ2体とハチジャナイが現れた。
ハチジャナイに苦戦を強いられていたが、無事倒した。
ノナンは次に備えてヒールをかけるか躊躇して、俺の方を見ている。
「あ、MPが減ってきたのか。」
召喚獣にMPを分け与えるシェアムを使い、ノナンのMPを回復させた。
午前中いっぱいレベリングを行ったことで、
ノナンが毎回戦闘終了後に全回復する必要も無くなってきた。
午後からは3層へ行くことにしよう。
夜7時半。
4層でレベリングをしていたが、切り上げることにした。
モノトン達は3層のモンスターを難無く倒せるようになり、
4層にいるが、まだ強化する必要がある。
明日も4層からスタート予定。
8時にギルド前へ集合し、ララの運転する馬車に乗った。
「俺は10層まで辿り着いたけど、兄貴はどんな感じなんだな?」
自慢気にパワルドは聞いてきた。
確かに2日目で10層到達は早い。
「俺も召喚スキルに興味が出て、先へ進んでないんだよね。」
「あぁ、そうなんだな。で、何かテイム出来たのかな?」
俺が同じ土俵に立っていないことに、パワルドは残念そうだった。
「ヌヒョーンで良ければ呼び出してみる?」
「い、いや別に良いかな。ほら、狭いしな。」
最もらしい理由だが、要するに興味はないという事だろう。
まぁ、ヌヒョーンだもんね。
「まぁ確かに、狭いか。
で、ニャルマーはラビを育てることにしたのかい?」
「うん。だからまだ2層までしか到達してなくて。
そうそう、アタシもヌヒョーンはテイムしたよ。」
「有触れたヌヒョーンでもテイムしたものはちょっと違うよね。」
「うんうん、分かる分かる。」
ニャルマーとテイムしたモンスターの話で盛り上がっていると、
パワルドは「俺も3層に戻ろうかな。」と寂しそうにつぶやいた。
「どうして戻る必要があるんデスか?」
リリは疑問に思った。
「召喚レベルが低いうちは、弱いモンスターしかテイムできねぇんだな。」
「いきなり強いモンスターはダメだと。なるほど、それは難儀デスね。」
召喚リストのモノトン~ドーデまでは、
ギリシャ数字の1~12まで。
1.モノ (モノトーン:単色 → モノトン)
2.ジ (ジレンマ:二択 → ジレン)
3.トリ (トリゴン:三角形)
4.テトラ
5.ペンタ
6.ヘキサ
7.ヘプタ
8.オクタ
9.ノナン
10.デカン
11.エンデカ
12.ドーデカ
スキル:シェアム
share MP → shareM シェアム
呼び出した召喚獣にMPを分け与えるスキル