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1. 冒険者目指します!

読み辛かった為加筆修正致しました。


決意を新たにした所で、母さんが帰ってきた。


「ただいま、ノア。...どうしたの、変な恰好して」

「あ、おかえり母さん!何でもないですよ!?」

「口調が不自然すぎるけど、元気そうなら良いわ。」


一人でガッツポーズしているのを見られてしまった。恥ずかしい...。

口調は前世で生きていくのにどこにいてもこの口調だった為、直すのは些か厳しいかも知れない。

今後直せていければ良いとは思うが、違和感が強いためしばらくはこのままでも問題はないだろう。

まあ、そんな事よりもまずは母さんに冒険者になる事を伝えるのが先だろう。


「母さん、私冒険者になりたいです!」

「そう、冒険者に。...え!?冒険者!?」


母さんがあまりの驚きですっころんだ。漫画の様な転び方に心配より関心が勝ってしまった。

...笑っては、いけない私っ。耐えるのです、今こそ働け表情筋っ…!!


とりあえず殴られた。思い切りばれてましたね、はい。意外と暴力的な母だった。


私の頭を殴った後、母さんは何事もなかったかのように、無言で立ち上がり真剣な表情を作ろうと頑張っていますが駄目です。赤面が隠せていなかったが、そのまま話は続けられた。


「私が買い物に行っている間に何があったの?それに冒険者になるってことは、外に出るってことよ?」

「はい、沢山考えて決めました。これからはやりたいことをやる事にします。母さんが一生懸命生んでくれたこの命、無駄にはしません。今まで心配かけてごめんなさい」


しばらく反応がないままだった母さんは呆然としていた様で、その後きれいな顔をくしゃくしゃにして泣き出した。そこで改めて気が付いた。

母さんもずっと苦しんでいたことに。自分の娘が笑顔で出かける度に、泣き晴らした顔で帰ってくることに。年々私から笑顔が消えていくことに。生まれてきてしまってごめんなさいと、私に謝られたことに。

子供とは、とても素直な生きもので嘘がつけなく、正直だ。その分言葉の意味は真っすぐで、時に残酷だ。両親を知らず知らずのうちに傷つけていることも気付かずに。

両親にも、村の人たちにも、これ以上私は傷ついてほしくない。もう、誰にも傷つけさせない。

私自身にも。

今までずっと私を守ってくれていたこの人たちを、今度は私が守っていこう。


「だから母さん、私修行がしたいです」


母さんはまだ涙が治まらないながらも明るく、嬉しそうに答えてくれる。


「分かったわ、父さんが帰ってきたら一緒に相談してみましょう。とりあえずご飯よ!母さん安心したらお腹すいちゃった、それに今日はとっても素敵な日だもの、晩御飯はごちそうを作らなきゃ!ノア、手伝てくれる?」

「沢山お手伝いします!」


母さんの花の様な笑顔を久しぶりに見ることが出来た。






        ◇        ◆        ◇         






昼食を食べた後は、母さんとお祭り騒ぎで料理や洗濯、掃除などをしながら今までできなかった分、沢山の話をした。その度に母さんは嬉しそうにしたり、これから一緒にやりたい事を話してくれたりして、今まで本当に心配を掛けていたのだと、改めて深く反省をした。それと同時に自分の決断が間違っていなかったのだと勇気づけられもした。


その後すぐに父さんは帰ってきた。


「ただいま」


母さんが話していた予定よりも大分早い帰宅だった。やっぱり父さんは流石だと思う。

でも私たちも流石といった所か、料理の支度も丁度終わりお出迎えをするだけだった。

そして、母さんと仲直りをして次に私がやることは、ノアの長年の夢であり花のやりたかった事。


「父さん、おかえり!」


それは、おかえりなさいのハグです!激突するのではないかという勢いでハグをする私。


花の場合は抱きしめたいと思った時もう両親は居らず、ノアの場合は魔力が暴走して傷つけてしまうかもしれないという恐怖と、自分なんかが二人に触れてはいけないのではないかという思いから、行動に移せないでいた。でも私はやりたいことをすると決めた。それに二人が喜んでくれる事ももう知っている為恐れはない。それにもし万が一魔力が暴走したとしても心配はないだろう。父さんは強いからきっと何とかしてくれるだろうと、全てにおいて父さん任せで考えるのをやめた。


そして私は思い出してしまった。自分が前世ともにファザコンであった事に…


「.........」

「.........」

「.........」


...はあ、この落ち着く匂い、温もりたまりません。半日はこうしていられます。もう大好きです。誰ですか、こんな素敵な父さんに苦手なんて言った人は。すみません、自分です。ただのつまらん劣等感です、今はもうそんなものありません!ゆくゆくは父を超えてみせるのです!


そんな事を考えながら只管父さんから離れなかった。誰も言葉を発しない状況が5分位続き、流石に私も不振に持ったため仕方なく父さんから少し離れ、様子を窺うと、父さんの顔が真っ赤に染まっていた。

え、何故?母さんは後ろでお腹を抱えて笑いを堪えている様な反応でよく分からない。


「父さん、大丈夫ですか?お顔が真っ赤ですが何かありましたか?」

「い、いや、だ、大丈夫だ。」


とにかく父さんが心配で声を掛けるも大丈夫としか答えてもらえない。本当に大丈夫なのだろうか。若干手も震えている様子にそろそろ離れようとしていると、父さんから話掛けられたためまた父さんの方に振り返る。


「ノア、何かあったのか?その、珍しいことをされている気がするのだが」

「へへへ、ずっとしてみたかったのです」

「!?」


改めて言うのが少し恥ずかしくて、つい照れてもじもじしてしまったがこういったときは素直に伝えのが一番だろう。悔いの残らないように。

そんな会話をしていたら、はじめこそ父さんは抱き返してくれていたのにまた固まり、母さんは笑いを堪えたまままた転んでいました。転ぶのが趣味だったりするのだろうか?母さんの可憐なイメージがどんどん壊れていく。今まで相当元気がなかったのかも知れない。漫画の様なリアクションをする母さんも私は面白くて好きだ。

父さんは未だ固まったままだったが、これ以上やっていると料理も冷めてしまう為離れて料理を勧める事にした。


「父さん、お話ししたいことがあるのでご飯にしませんか?」

「あ、ああ。着替えてくるから少し待っていてくれ」

「あなた、部屋は反対よ。」


父さん、あなたも漫画みたいなことするんですか。今更お部屋間違えるってどんなドジっ子なのだろう。可愛いけども、ギャップ萌えとか狙っているのかも知れない。ノア、まんまと新境地開拓させられました。



父さんが戻ってきて、みんなでご飯を食べながら母さんとお昼に話したこと、今まで自分がどう思っていたかを二人に聞いてもらい、改めて謝罪と、感謝をした。

母さんは話を聞くのは二度目だが嬉しそうに話しを聴いてくれ、父さんは途中涙をこらえるような仕草をしながらも真剣に聞いてくれた。


「今お話しさせて頂いた通りなので、これからは自分の道は自分で切り開き、どんな困難にも負けない父さん以上の冒険者になります。なので強くなるために修行を付けてほしいです。お願いします!」

「ノア、今まで寂しい思いをさせ続け大変申し訳なかった。話してくれてありがとう。ノアには自分が思うように生きてほしい。それが俺たち両親の願いだ。」

「そうね、無事に元気でいてくれれば何も言うことは無いわ」


家族がとても久しぶりに一つになれた気がした事が嬉しい。また、自分の思っていたことを伝えられ安堵した。


「でも一つだけ約束して。無茶な行動や無謀な考えは決してしないこと。例え、誰かの命が危険になっていたとしても。」


私は思わず背筋を伸ばした。8歳の子供に言うことではないかもしれないが、私は冒険者を目指すのだ。そういう状況が来ても決しておかしくはない。鼓動がとても煩く鳴った。


「ノア、あなたは優しい子よ。他人を思い、自分の人生を潰そうとするほどに。それはあなたの良いところだけど、あなたを大好きな私たちにとってはあまり良いとは言えないわ。ずる賢いと言われるぐらいが丁度いい、あなた自身を大切にして。例え私たちの命が危険になろうとも。あなたは自身を一番に考えて。それを絶対に覚えていて、約束よ。」


凍り付くような願いだった。それに正直約束できる気がしない。私は多分誰であろうと、特に両親が危険な目に合っていたなら迷わず助けに向かいこの命を捨ててしまえるだろう。

でも、それを両親は望んでいない。そんなことをしてもこの二人は決して喜ばないし、感謝もしてくれない。寧ろ怒鳴り、お互いを攻め合い、悲しむだろう...。私はどうしたらいいのか。

その場しのぎの約束なんてこの二人には出来ないし、したくない。なら残された選択肢は。


私は思わず口角が上がるのを感じた。そうだ、選択肢何て最初から一つなのだから、考えるまでもない。悩む必要もない。私が目指した先は、みんなが笑顔でいる未来しかない。


私の努力と根性をつぎ込んだ結果しか、ありはしない。



「分かりました、約束します。」


両親は心底安堵したような表情で次の言葉を紡ごうとしていたが、敢えて遮りまた話し始める。


「ただ、自分を一番にという約束ではありません。そこは私自身が譲りたくないんです、曲げたくないんです。二人のことなら尚更です。だから私は強くなります、誰よりも。私の手が届く範囲であれば絶対にみんなを助けてみせます。そして、自分自身も例外なく、助けます。寿命を全うし、父さんと母さんよりもうんと長く生き抜いてみせますから。見ていてください!私はそれを約束します。」


私は英雄になるのだから。誰よりも、何よりも強くなれば良いだけだ。

私の決意表明にも似た約束を二人はぽかんと見つめたまま動かない。

やっぱり感情論的な約束では駄目なのだろうか。

具体的な日取りや達成目標なんかを提示して、それを実行していけば二人にも納得してもらえるのではないかと思った私は、更に二人を追い込むことになるが、当の本人は全くそれに気が付かないまま話は進んでいく。


「父さん、今日母さんの話で聞きましたが15歳になったら魔力のある子どもは学園に通わないといけないんですよね。」

「え、ああ、それがどうかしたのか?」

「それまでに私父さんのランクまで上りつめます、そしたら今の約束認めてください」


2人とも椅子から転げ落ちようとしていた。今とても真剣な話をしているのに漫画みたいなことをしている場合ではないと怒ると逆に二人から怒られる事となった。


「もう、ちゃんと聞いてますか?真剣なお話ですよ」

「聞いてるからこんな反応なのだけど!」

「ノア、俺のランクとなるとSランクだ。俺の年でも最年少と言われるほどに難しい上に俺たちがギルド登録するこの村は猛者が集まる村で都市で一番ランクを上げる難易度が高いと言われている。いくら何でもその約束は無謀だぞ。」

「でしたら丁度いいです、一番困難なのであればそれだけ強くなれるということ。決まりですね!必ず目標達成して約束しますから。明日の修行に備えて今日はもう休みます、おやすみなさい!」


私は了承も得られたため、新たな目標のために早々に休むことにした。1分1秒でも無駄には出来ない。

明日からが非常に楽しみで心が躍る中、一人自室に向かう。


自分と語り合い、今後の事を考えることに夢中になっていた為、後ろで両親が「より危険になってる」だとか「何の為の約束だ」とか「折角家族穏やかに」だとかをプチパニックで話している声は悲しくも私の耳に届くことはなかった。




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