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第0話 ゲームクリア
「はぁ……はぁ……」
暗闇の夜。 人目のつかない路地裏では2つの足音が聞こえる。
前を走っている赤いコートを装った男は息を切らしながら無我夢中に走り回っている。
目的地がある訳でもない。
そう。 彼は今後ろの何かに追われていた。
暗闇に紛れる為か全身を黒の何かで覆っている。
右手には大きな鎌を左には禍々しい闇を持っていた。
黒い何かで全身を覆っている為、素顔は見えないが青い瞳だけは薄っすらと光っている。
まるで『死神』のようだ。
「頼む! お願いだ。 もうやめてくれぇ!」
赤いコートを装った男は走るのをやめ止まると後ろを振り向き地面に手をつけ後ろの何かに必死に訴えていた。
「俺はまだ何もしていない! ただここをうろついてただけだ!」
その男の訴えに対し黒い何かは応えることもせず大きな鎌を自身の頭上に、そしてそのまま真下に一直線に振り下ろされ男の全身を真っ二つに切り裂いていた。
「な……んで……だよぉ……」
男はそういうと息絶え黒い何かの目の前には真っ二つになった男の死体が横たわっていたのだった。
『Game clear』