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ニアリィヒーロー/イコウルマオー  作者: アントワネットジョー
2/5

第2話 知ってること。知らないこと。

〜前回のあらすじ〜

 理不尽な殺意に対して理不尽なヒーローパワーを手に入れた!環ユウキくん!

 だけどもこんな状況で頭はちんぷんかんぷん!とりあえずの情報整理だ!

 かわいいかわいいヒロインも出ると思うけどイメージは各自自由に想像してくれ!

「ん゛んん⋯⋯⋯⋯ふわあぁ〜ぁん⋯⋯」


「おはよう、メグル」


「あぁ⋯⋯おはようございます⋯⋯」


 ずっと道端で寝てたんだ⋯⋯。今何時だろ⋯⋯。⋯⋯早朝5時、まだそこまで時間は経ってないな。お父さんお母さん起きてなきゃいいけど。


「とりあえず今のうちに帰るけど⋯⋯ウチ来る⋯⋯?」

「初めからメグルと共に暮らすつもりだ」

「あぁ⋯⋯。だよね⋯⋯」


 とりあえずそそくさと家に帰り部屋にすぐ戻る。二度寝したい気分だけど最初はこのオモチャへの質問が先だ。


「じゃあ寝ちゃう前に聞こうとしてたこと、何個か質問するけどいいすか」


「構わない、知っていることならなんでも教える」


「とりあえず君はなんなの?名前は?」


「それは私もわからない」


 わかんねーのかよ。そういうキャラかよ。


「記憶喪失とか?」


「記憶も、名前も、元からあるのかすらわからない⋯⋯すまない⋯⋯」


「別に謝ることないけど⋯⋯。とりあえずなんて呼ばれたい?」


「メグルの呼びやすい名前で構わない」


んーー⋯⋯。ポキモンのニックネーム付けるのとは訳が違うからな⋯⋯。なんか緊張する⋯⋯。


「それじゃあ、光る!鳴る!デラックス!って感じがするから⋯⋯⋯⋯『ラックス』⋯⋯とか?どうでしょうか⋯⋯?」


「では私はラックスだな、改めてよろしくお願いする、メグル」


「よかった、じゃあラックス、よろしくね」


 いや名前とかじっくり決めてる場合じゃないでしょ。質問質問⋯⋯。


「ラックスが今現在知っていることは、例えばどんなこと?」


「私が知っているのは先程倒した敵のこと。それとなぜ君を変身させたか。まぁなぜ知ってるかは覚えていないし、なんとなくの感覚で把握してるような状態だが⋯⋯」


「じゃあとりあえず一番気になるその敵のことかなぁ⋯⋯。なんなのあのバケモノは」


「アレは人間の悪意を探知し、その悪意ごと人間を喰らい、融合し、見ての通りのバケモノになる。」


 あぁ⋯⋯。なんだかそれっぽい設定だ⋯⋯。


「その悪意?ってのは悲しみだとか、怒りだとか、憎しみとか⋯⋯そういうマイナスエネルギーに反応して喰ってるってこと?」


「いやもっとシンプルだ。大なり小なり、誰もが持つ悪意に内側から入り込みそれを喰らう。残るのは肥大化した悪意のみ。」


みんなああなっちゃう可能性があるのね⋯⋯。おっかねぇ。


「んじゃあなんで俺だけピンポイントで狙われたんだろ?」


「それは⋯⋯そういうキッカケだからだ⋯⋯。私とお前が出会い変身する⋯⋯。何故だかわからないが、そう決まってる気がする」


 えぇ⋯⋯??それはちょっとフワフワしてて納得いかないぞ。


「じゃあザックり言うとそういう運命ってこと?」


「そういうことになるな。そこだけは何故か確信が持てるんだ。」


 う〜〜〜〜〜〜ん⋯⋯⋯⋯。ものすっごいループ物の香りが⋯⋯。SFって感じがぁ⋯⋯。


 なんだか今いる自分の世界が急に、偽物のような、作り物のような⋯⋯そういう舞台になって主人公をやらされている、そんな気持ち悪さを感じて少しだけ気が滅入る。


 そんな思いをかき消すかのようにふとある事を思い出す。


「アレ!?そういえばそのバケモノって人間だったんだよね!?俺それを殺しちゃったわけなの⋯⋯?」


「だがもう人間ではない」


「じゃあいいか⋯⋯」


 まぁそういう割り切り方をしなきゃ、やってられないよなぁ⋯⋯。下手すりゃそのまま殺されていたわけだし⋯⋯。気の毒だけど。知らん人だし。南無南無。


「うぅーんあとは⋯⋯その敵に名前はあるのかな」


「それは私もわからない。元からないのかもしれないな」


「じゃあ敵は敵だからテキでいいや」


 もうその辺は適当だ。敵だからテキなんだ。


「ちなみにだが、そのテキは1週間に1度、決まって1回現れる。またその1週間後はいつ出てくるかわからないからな。気をつけてくれ」


 ??? 何そのルールは⋯⋯。まるで週1放送のアニメの敵みたいに、そんな感じで出てくるってこと?

 1週間に1度出てくるのが確定してるのも嫌だなぁ⋯⋯。


「もしかして毎週日曜日の午前9時とか?」


「そうとは決まってないはずだが⋯⋯」


「だよね。冗談。」


 えぇとあとは⋯⋯変身のことか。


「じゃあ後は変身について何か知ってること。ザックりと。」


「実はメグルと私の変身についても未知の部分が多いのだ⋯⋯。一つだけわかるのは、私たちでなければあのテキは倒せない。それだけだ」


「ひえ〜〜〜〜思ってた以上にザックリだ。ラックスはテキのことはたくさん知ってるけど、自分のことはなんにも知らないんだねぇ⋯⋯。」


「すまないな⋯⋯。あまり役に立てなくて⋯⋯」


「謝んなくていいって。むしろいろいろ正直に教えてくれてありがとう」


 ほんとに正直に話してるのかはわからないけど、今はラックスの言うことを信じてみるしかない。多分騙してるとかはないでしょ⋯⋯。


「もっと聞くべきことがありそうだけど⋯⋯。とりあえずこれで最後かな。なんで俺の名字を知ってるの?」


「すまないがそ」


「わかってる、覚えてないけど何故か知ってるんでしょ」


「いやまぁそうなんだが⋯⋯名字だったんだな⋯⋯。下の名前はなんて言うんだ?」


 アレ?そこは知らないんだ。


「じゃあまた改めて。『環 ユウキ』って言います。よろしくね」


「そうなのか、よろしくな。メグル。」


「下の名前でいいって」


「いや、何故かはわからないが、メグルという呼び方が私の中でこう、かなりしっくりくるのだ。呼び慣れてるというのか⋯⋯。」


 うぅーーん、ますますループ物の匂いがしてきました。俺も前世でラックスと共に戦った感覚、なんとなく感じてきたね?全く覚えはないけど。


「じゃあまた来週頑張りますか⋯⋯。またまたおやすみなさい⋯⋯。」


「おやすみ、メグル」


 とりあえずまた寝て、昼間に起きて、いつも通りの日曜日を過ごす。というのも、家でゲームをし、スマホでSNSとまとめサイトを眺めるだけの虚しい休日ですけども。

 早朝にそれなりにおしゃべりした仲だけど、部屋に置いてあるラックスは今朝ほどそんなに話しかけてこない。必要な話以外はしないタイプか。


 深夜のあの出来事はもう夢だったような気もしてくるけど、あの時出会ったラックスは確かにここにいる。また来週には理不尽な殺し合いが始まる。


 そんなことを考えていても憂鬱になるだけなので、とりあえず明日の学校に備えてもう寝ようか⋯⋯。


「おやすみ」


「おやすみ、メグル」


 そして月曜日の朝。


「おはよう」


「おはよう、メグル」


 やっぱり挨拶は欠かさない。記憶はないけど育ちはいいんだろうな。


「準備完了。それじゃ行ってきます」


「待ってくれメグル、私もメグルと一緒に学校に行きたい。君がどんな生活を送っているのか興味がある」


「えぇ〜〜⋯⋯。まぁカバンに入れるくらいなら⋯⋯。あと学校じゃあまりお喋りできないからね」


「ありがとう、感謝する。」


 ラックスをカバンに入れて今度こそ出発。行ってきます。家を出ると小学生の頃からのご近所さんが玄関前で待っていた。


「あっ、ごめんね!また待たせちゃって!」


「大丈夫!そんなに待ってないから!じゃあ学校行こ(*^^*)」


「うん」


 やわらかい髪質でボブカットを可愛くキメてる元気な女⋯⋯女⋯⋯これが女の子じゃないんだなぁ⋯⋯。


 『叶多(かなた) (はるか)


 高校進学と共に女装に目覚めた数少ない俺の友達。


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