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第46話 なんとかの秋って言葉があるけど、やり切るだけの時間は秋にはない

こんにちは!

明日葉晴です!


投稿遅れてしまって本当にすみません!

長編終わって気が抜けてしまったようです…

面目ないです…


今回は秋にちなんで美術の秋っぽいお話です!

まぁせっかく茜ちゃんが美術部に所属してるしってことで。

あ、私に絵心は全くないです。

絵の話とかも今回出てますが、割と想像です。フィクションです!

フィクション便利…

それでは、本編をどうぞ!

 私は昔から幽霊が視える。


(あかね)、はぐれないで頂戴ね」

「子供じゃないんだから…」


 今日はそんな私とは逆で、幽霊を信じてない小夜(さよ)と、美術部の課題で美術館に来た。


「貴女はすぐ幽霊と言って、ふらっとどこか行くじゃない」

「それは確かに否定しないけど」


 だけど今注意したみたいに、最近は信じてるんじゃないかと思う。本人は絶対否定するだろうけど。


「まぁいいわ。早く中に入りましょう」

「それは賛成」


 ○


 美術部での課題の内容は、自分の絵がどの時代の絵画に近いか調べてレポートにすること。美術館に行く必要はないけど、一回の入場料だけは部費から落としてくれるらしく、せっかくだからと小夜(さよ)とくることにした。


「でも私、昔の絵とかあんま興味ないからわかんないんだよねー」

「いいんじゃないかしら?私もそうだもの」

「えっ…!?」


 私が正直な感想を言うと、小夜(さよ)も驚くことに私に同意してきた。私はてっきり、お金持ちだから美術の素養でもあるのかと思ってきた。実際、小夜(さよ)は絵を描くのが上手いし、色々な技法も知っていたりするからだ。


「驚くことかしら?」

「だって…美術だろうと絶対に色んな事知ってると思ったんだもん。お金持ちだし」

「それは偏見ね。まぁ確かに、(あかね)よりは知っているでしょうけど」


 あ…これ、ホントは普通に結構知ってるやつだ…


 だけど続く小夜(さよ)の言葉によって、私は一般的な人より小夜(さよ)に美術の知識があることを察した。多分、小夜(さよ)の『知っている』に対するレベルは、一般人よりもハードルが高いんだろう。変に厳しいところがある。


「まぁいいや…結局、私はどの時代の絵がいいと思う?」

(あかね)の絵は、柔らかい雰囲気の風景が特徴的だから、十九世紀後半の印象派の絵画がいいんじゃないかしら」

「うん。やっぱりそれがすらっと出てくるあたり、普通より詳しいよ…」


 私が小夜(さよ)にどの絵画が課題に適しているか聞いてみると、小夜(さよ)はあっさりと私に合っているものを言ってきた。正直カマ掛けたわけじゃないけど、これで小夜(さよ)が一般よりも知識を持っていることが証明されてしまった。普通どの時代の何派かなんてすらすら出てこないと思う。


「上澄み程度の知識、詳しいうちに入らないわ」

「そんな感じに思ってるのも大体予想出来てたよ…」

「専門の人達は広く深く見識があるもの。私みたいに年代だけじゃなくて、作品とその解釈まで気持ちよく話してくれるわよ」


 小夜(さよ)は自慢するでもなく、なんてことない調子で割と予想通りの答えを返してきた。やっぱり小夜(さよ)の『知っている』のハードルは高い。専門家を普通に引き合いに出してくるあたり、もしかしたらそう言うのをホントに受けたことがあるのかもしれない。そうだと言われても驚かない気がしてきた。


「分かったよ…で、そのインショウハ…?の絵はここにあるの?」

「ええ。この美術館は今日、モネの展覧会を開いているわ。印象派を代表する画家だから、課題としてはうってつけね」

「何と言う用意周到…って。私はいいとして、小夜(さよ)はどうするの?小夜(さよ)も印象派でレポートを書くの?」


 何を言ってもしょうがないと感じたから、アタシはさっさと話題を切り替えることにした。小夜(さよ)にとっては美術館の入場料くらいなんてことないだろうけど、小夜(さよ)の描く絵は風景だけじゃない。同じく印象派でレポートを書くことも出来るだろうけど、小夜(さよ)の作風がそれだけかと言われるとちょっと違う気がする。


「いいえ。私は二十世紀絵画でレポートを書くわ」

「ごめん。説明が欲しい」

「簡単に言えば型にはまらないってことね」

「わー…なんと言うか…らしいちゃらしいけど…」


 そんなことを思っていると、小夜(さよ)はあっさりと別のレポートを書くと言ってのけた。名前だけ言われてもわからないから簡単に説明をもらうと、若干課題の趣旨からずれてるように感じた。けど多分何言っても意味ないだろうから口を閉じた。


「それじゃあ早く、美術館を回りましょう。来ようと思わないとなかなか機会はないのだから、楽しまないと」

「そうだね。私も来るのって初めてだし、結構楽しみかも」


 小夜(さよ)の言葉を聞いて、私は小夜(さよ)も意外と楽しみなのかもしれないと思った。知識はあっても来ることはあんまりないのかもしれない。誘ったのは私なんだけど来るところを決めたのは小夜(さよ)だ。そう考えれば今日小夜(さよ)が来たのも頷ける。そんなことを考えながら私は小夜(さよ)と並んで美術館の中を巡り始めたのだった。


 ◯◯


 初めてきた美術館は独特な雰囲気に包まれていた。何故か分からないけど、静かに見なきゃいけない、優雅に鑑賞しなきゃいけないような空気がある。静かにするのはマナー的な面でそうなのかもしれないけど、誰もが悠然とした雰囲気を纏っているのは面白い。小夜(さよ)に至っては気品まで感じる。


 どうしよう…私、変じゃないかな…?


 独特な空気感に気圧されて、私はたまらず絵じゃなくて周りを見渡した。どことなく居心地が悪いとそわそわしてしまう。そんな感じで落ち着きなく視線を彷徨わせると、私よりも明らかに不審な人がいた。


「うわ…」

「どうしたの?」

「いや…なんか…」


 私は思わず言い淀んだ。雰囲気を見るにあの人は幽霊だ。幽霊の人が絵画にべったりと張り付きながら、食い入るように見ている。てか多分、幽霊じゃなきゃ注意されるなり追い出されるなりしてると思う。普通は絵画を触るなんてしちゃいけないだろうし。


「はぁ…なるほど。貴女がその反応をするときは大体幽霊を見つけたという時なのだけれど、違う?」

「ち…違いません…」

「全く、隠し事が下手ね。それが貴女の良さでもあるのかもしれないけれど」


 それは褒められているんだろうか…?


 私が言うのを躊躇っていると、小夜(さよ)が呆れた様子で私の言いたかったことを当ててきた。付き合いも長くなってきたし、小夜(さよ)の洞察力なら当てても不思議じゃないのかもしれない。時々、私の力なんかよりよっぽど超能力染みてる気がする。


「それで、どんな様子なの?」

「え…あー…絵にべったり張り付いてる」

「そう。なら無視しましょう」

「えぇっ…!?」

「静かになさい」

「あ…ごめん…すいませんでした…」


 小夜(さよ)に聞かれて幽霊の様子を伝えると、小夜(さよ)は無情にも切り捨てる宣言をした。それに驚き声を上げると小夜(さよ)に注意された。周りを見ると私に注目が集まっていたから、頭を下げた。ここが美術館だというのを一瞬忘れていた。


「言わずとも分かったでしょう?ここは美術館。会話も本当は良くないの。そんな中、絵に向かって話しかけてみなさい。あっという間に今以上の注目の的よ」

「はい…その通りです」

「それに手立てを考えていて課題が出来ませんでした。と言う時はどうするの?お金が無駄になるわよ」

「返す言葉もないです…」


 私が周りに謝ったあと小夜(さよ)が私に正論を投げかけてきた。もともと幽霊を信じてはいない小夜(さよ)にとっては無視するのに理由すらいらないんだろうけど、私に合わせて現実的に諭してくれてるんだと思う。これは小夜(さよ)の優しさだ。


「それでもどうしても気になると言うなら、せめて一周巡ってからになさい」

「え…?」


 そしてその後小夜(さよ)から言われた一言に、私は再び驚いた。今度は声を上げることはしなかったけど、驚き具合で言えばさっき以上だ。驚き過ぎて呆気にとられたというのが正しいのかもしれない。


「それなら事態が動いているかもしれないでしょう?やることやってから、気掛かりなくしてから、やりたいことをやりなさい。どのみち今はどうにもできないなら、他のことを優先してもいいでしょう?」

「…!そう…だね…!そうする…」


 小夜(さよ)が顔を背けながら言った言葉に、私は大きく頷いた。本当は今すぐにどうにかしたい。でも状況を考えるべきだ。今まで運よくその場でどうにかなっていただけで、夏休みの別荘の時だって本当は後回しにしようとしていた。これからだって優先順位を考えることが出てくるだろう。きっといい機会なんだろう。


 うん…慎重にならなきゃいけない時だってあるんだ…


 そうして私と小夜(さよ)は順路を巡る為に絵に近付く。当然その中には幽霊の張り付いてる絵もある。近付くにつれて、幽霊の人がやっぱり様子がおかしいのが分かる。


「はぁ…はぁ……すん…ばらすぃ…こんなに間近で見れるとは…幽霊も捨てたものじゃぁ…ないなぁ…」


 こわ。


「欲を言えば触りたい…はぁあぁ…感触を楽しみたい……あわよくば……」


 触らない方がいいと思う…あと、あわよくば何!?


 幽霊の様子がおかしい。おかしいと言うか、気持ち悪い。完全にヤバい人にしか見えない。ものすごくツッコミたい。幽霊だから許されてる状態なんだろう。というか、幽霊になったから欲が解放されてやりたいことを出来るようになったのかもしれない。


 あれ…ほっといても成仏されないかな…?でも…


小夜(さよ)…どうしよ…すごくツッコミたい…」

「いきなり言われても理解できるのが自分でも呆れるのだけれど、止めておきなさい」

「いや…やらないけどさ…でも…でも…!」

「周りが見ているのだから止めなさい」

「う…うん…わかってる」


 若干堪え切れずに小夜(さよ)に愚痴ってみた。小夜(さよ)がそれに対して視線を絵に向けたまま、呆れたように私に言葉を返した。流石に私だっていきなりツッコんだりしない。そんなことをしたらどうなるか分かる。だからこうして少し愚痴を漏らして、留飲を下げてるわけだ。


「はぁはぁ…はぁはぁ……!じゅるっ…おっと、興奮し過ぎてヨダレが…出ていない…!?」


 どういうことなの!?だ…だめだ…何か気を紛らわせないとっ…!!


「さ…小夜(さよ)?この絵を描いた人は…どんな人なの…?」

「モネのことかしら?」

「そう」


 私は幽霊を気にしないための作戦として、小夜(さよ)にこの画家のことを聞くことにした。というか、画家でも絵のことでも良かった。とにかく意識を逸らす為に別の話に集中したかったからだ。


「印象派を代表するフランスの画家よ。元々絵が上手い画家だけれど順風満帆だったわけじゃない。挑戦を続けたり、兵役を逃れたり、奥さんを早くから亡くしたり…」

「ほへぇ…」

「どうしてこうも有名人というのは物語があるのかしらね」

「…私は誰だって物語があると思うよ。少なくとも私は会ってきた人達は、みんな何かを持ってた」

「……そうね。つまらなくしているのは、自分なのかもしれないわ。私がお父様と向き合わなかった時のように」


 小夜(さよ)は聞いていて面白く感じるように画家について話してくれた。その後で、小夜(さよ)は不思議そうに疑問を口にしたけど、私はそれに対して自分の思ったことを言った。小夜(さよ)は私のその言葉に、ちょっと前までの自分を振り返りながら納得した様子を見せた。


「きっと、こういう残ってるものがあるから際立つだけなんだよ。この絵が生まれたのはこういう生い立ちがあったからだーとか。こういう出来事があったからこの絵を描くことになったんだーとか」

「過程を追いやすいということね。確かにそれはあるかもしれないわ」

「でもそう思うと、少し悲しいかもね。こういうのが無ければ、その人は見向きもされなかったと思うとさ」

「それでも、やり切ったという事が分かるだけ、その人は報われているのだと思うわ」

「そう…かもね」


 残したものが大きいほど、人はより語られる。それが良いか悪いかはわからないけど、きっとこの人はやり切れたのかもしれないと思うと、幽霊が視える私にとって、それだけで良いと思える。


「すっっばらすぃね!!君達っ!!」

「っっ!!!?」


 そうして小夜(さよ)との会話に意識を向けていたら、幽霊の人を完全に忘れていた。だから突然声を掛けられてめちゃくちゃに驚いたけど、何とか声を上げるのだけは防げた。こんなところで声を上げたら追い出されるかもしれない。本当に危なかったけど、これは逆にチャンスだ。


(あかね)、どうしたの?」

「あ、いやぁ…声を掛けられたような気がしてさ…」

「………。はぁ…幽霊でもいるんじゃないかしら。呼び掛ければまた聞こえるかもしれないわよ」

「っ…あはは…そんなー…幽霊さん、いるんですかー…?」


 だけどやっぱり小夜(さよ)には気付かれたみたいで、小夜(さよ)は私に様子を聞いてきた。私は流石に周りに人がいる状態で幽霊が話しかけてきたと言えないから誤魔化すと、小夜(さよ)が小さく溜息を吐いた後に、普段ではありえないようなことを言ってきた。一瞬思考停止してからその意図を読み取って、私はここぞとばかりにがっつり幽霊に視線を合わせて言った。


「何…!?君達は…!」

「っ…」


 自分に言われたことに気付いたのか、幽霊は目を見開いて私の方を見た。私はその視線に小さく頷いて応じた。その後に、私はスマホに素早く文字を打ち込み幽霊に見るように示した。


『お話したいことがあります。少し人気のないところに移動できますか?』


 幽霊は私が見せたスマホに気付いて覗き込んだ。そのあと少し考えた様子を見せた後に、軽く首を振った。


「それはひとまず結構。君達の先ほどの会話を聞くに、元々は絵画を楽しみに来たのだろう?ならまずそちらを優先すべきだ。私は君達に付いては行くから、君達の用事が終わってから話を聞こう」


 し…紳士…!


 さっきまで絵に張り付いていた変態とは思えないほどの紳士ぶり。まぁ、常時あの状態だったら引くわけなんだけど。なんとなくだけど、幽霊になって変態になった人は、基本的に外面が良いような気がする。むしろ抑圧されてたものが噴き出すのだろうか。


『わかりました。では先に私達は回りますので、付いてきてもらえますか?』

「分かった」

小夜(さよ)、冗談は置いといて回ろう。課題を終わらせたい」

「そう。わかったわ」


 私は幽霊の人との意思疎通を終わらせて、小夜(さよ)に方針を遠回しに伝えた。察しのいい小夜(さよ)はそれで気付いたようで、すぐに理解してくれたようだ。そして私と小夜(さよ)、幽霊の人は展覧会を回り始めた。


「ねぇ、小夜(さよ)から見て、私がこの人の絵を参考に出来る点ってどこだと思う?」

「そうね…まず貴女はどう思うの?」

「うっ…えっと…わかりません…」

「もう少し考えてもいいんじゃないかしら…まぁ、いいわ。明暗の取り方を参考にしたらいいんじゃないかしら。貴女は明るい絵を描くのに細部にこだわり過ぎてるところがある。そのせいで結局色を重ねて暗くなっていくから、悩むのよ」

「ほぅほぅ…」

「もっと全体を見て明るさのバランスを取るのがいいかもしれないわ」

「おー…」


 課題の為に小夜(さよ)に意見を仰いだ。自分の考えもなく聞いたから呆れられたけど、それでもちゃんと素直に聞くと、しっかりアドバイスしてくれる小夜(さよ)はやっぱり優しい。淡々としているから冷たく見られがちだけど、ホントは情に厚いのはもう知っている。


「ほほう。君達は絵画を嗜んでいるのか」

『美術部なんです』


 幽霊の人が気にするように呟いたから、さっとスマホに打ち込んで見れるように画面を傾けた。こうやって意思疎通するのもなんだか慣れたものになった気がする。


「それで美術館に来たのか。感心するな。そう言う人間は上達する」

『そんな立派なものじゃないです。課題で来ただけで』

「ならその課題を与えた教師はなかなかの策士だな。良い作品に触れれば、少なからず上達はする。これを機に、そういう機会が増えればよりいいと思う」

『初めて来たので、面白ければそうしてもいいかもしれません』

「さっきの会話を聞いていれば、楽しめているのが分かる。君達はきっと上達するだろう」


 幽霊の人は私達が美術部だと知ると、興味深そうにしていた。あまりに感心されても照れるから、正直に課題のこと打ち明ける。だけど呆れるでもなく感心したままなのはちょっとむず痒い気分になった。


「そちらのお嬢さんは私が視れないのだね?」

『はい。私だけが幽霊を視れるし、会話も出来ます。それだけしか出来ませんが』

「ほお…そちらのお嬢さんとも会話をしてみたかったが、まぁしかたないか」

『私から伝えることも出来ますが?』

「いや、いい。人目は気にするべきだろう?」

『すみません』


 幽霊の人が小夜(さよ)を気にしながら聞いてくると、私はそれに答えた。少しだけ残念そうにした幽霊の人だけど、私からの提案は断っていた。本当に紳士だ。だけど忘れてはいけない。さっきまで絵に向かってはぁはぁしていたことを。


小夜(さよ)はこの人の絵をどう思う?」

「上手いと思うわ」

「そうだけど、そうじゃなくて…」

「私に評論家みたいな感想を求めているのなら無理よ。上手い下手とか、綺麗とか怖いとか、そう言う単純な感想しかないわ」

「へぇ…なんか意外…って言うのも偏見か」

「そうね」


 普通よりも知識を持っている小夜(さよ)はどう見えてるんだろうと思って質問すると、意外にも単純な答えが返ってきた。それに一瞬驚いたけど、すぐに納得は出来た。


「でも強いて言うなら、私は(あかね)の絵の方が好きよ」

「え?なんで?」

「貴女と言う人間を少なからず知っているから。かしら」

「っ…!うぅぅ…ありがとっ…!」


 小夜(さよ)は照れもせずに別の感想を突然言ってきた。私は戸惑って質問すると、聞いてる私の方が照れるようなことを言ってきた。なんでこういうところは平気で言えるのかはわからない。


「すぅばらっしいぃ!感性だ!」


 相変わらず独特な言い方だなぁ…


「技術ではなく、表現でもなく、人の人間性で作品の甲乙を付ける。現代においては、ある意味適している評価の仕方なのかもしれない」

『と言うと?』

「その人だからその人の作品は全て好き。0か100かで好みを決めるというのが、速さの求められる現代で手っ取り早く、簡単なものだ。そう割り切れるのが、良いのかもしれない」

『そんなものですか?』

「ああ、私も悩まなくて済む…」


 え…?


 小夜(さよ)の感想を聞いた幽霊は、普通に言えないのかと思える言い方で叫ぶ。その後に一人語りの様に分析した途端、何故か成仏の兆候が表れた。全く以て意味が分からない。


「これで声を大にして言うことが出来る…それが分かった今、私に悩みはないんだ…選ぶ必要もないと…」


 悩み…あったの…?


「私は美術作品が全て好きだっ!そこに何も甲乙など何もないっ!」


 あぁ…なるほど…


 幽霊の叫びに、何となく納得出来た。もしかすると、全部好きで、それを誰かに否定されたことがあるのかもしれない。最早誰かってくくりではないけど。


「あわよくば抱き着いて思いっきり匂いを嗅いだりペロペロしたり思いっきり堪能したい!」


 それは止めておいた方がいいと思うよぉぉ!!?


 そして最後に、最大級の変態みたいな発言をして消えていった。残念ながら最後まで私にツッコミをする余地はなかった。


小夜(さよ)…幽霊、成仏しちゃった…」

「あらそう。良かったわね」

「ちなみに…美術品を嘗めるのってどう思う?」

「捕まるわね。止めておきなさい」

「いや、やんないから…」


 小夜(さよ)に幽霊が成仏したことを伝えてから、今日一気になったことを聞いてみると、やっぱりな答えが返ってきた。私だってやるつもりはない。そんなよくわからない疑問が残ったけど、その後、私は美術館を楽しむことが出来た。好き嫌いと言うわけじゃないけど、美術館は少しだけ苦手なような気がする。けど、楽しいからまた来てもいいような、曖昧な気分のまま帰ることになったのだった。

第46話を読んで頂き、本当にありがとうございます!


最初に言っておきますが、私は別に好き嫌いがあってもいいと思います。

さてさて。

なんだか美術を題にしたくて書きましたが、前書きに書いた通り、私に絵心はないです。

なので美術の下りは割と想像で書きました。

モネが好きな方いたらなんかごめんなさい。

それでは今回はここまで!


改めて、今回投稿が遅れまして本当に申しわけないです!

これからまた気を引き締めたいと思います!


ブクマして頂いてる皆様!

そうでない皆様!

いつも読んで頂き、本当にありがとうございます!

次回の更新は10/11を予定します!

引き続きお付き合い頂ければ幸いです!

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