第40話 イベントは財力がものを言う
こんにちは!
明日葉晴です!
若干の遅れ申し訳ございません!
ホントに予定通りにいかなくて反省してます…
今回から舞ちゃんメインのお話です!
舞ちゃんと小夜ちゃんの出会いや一緒に暮らしてる理由、オカルトを信じてる理由が焦点になってきます!
何て言うか…また幽霊がおまけにならないか心配です…
この話はまず舞ちゃんの視点から開始します!
それでは本編をどうぞ!
ウチは昔から幽霊っちゅうもんを信じとる。
「やぁぁ…って来たでぇ…別荘っ!!」
「舞、静かになさい」
幽霊だけやない。オカルト全般を信じとる。実際に幽霊が視えるっちゅう友達も出来た。やから高校入ってからはより一層信じるようなった。
「空気が美味しー…気がする…」
「滅多にこういうとこに来ないもんねぇ」
んで今は普通に好きやけど昔からっちゅうわけやない。昔はそう思わな、自分を見失いそうやったから。
◯
夏休みに入ったウチらは、ウチが提案で小夜の企画の下、夏休み宿題合宿と言う名目で旦那様所有の山で過ごすことになった。もちろんウチの最初の提案は肝試しやってんけど、それやと旦那様の許可が下りひんから夏休み合宿と言うことになっとる。
しかし旦那様も丸くなったなぁ…それは小夜にも言えることやけど…
少し前まで顔を合わせるどころか、連絡すら取ろうとせんかった二人が、今や朝と夜の食事は出来る限り一緒に取るようになった。その間接的な要因が幽霊やなんて、オカルト好きとしてはたまらん。その一幕に絡めただけでテンション上がってまうわ。
「っしゃあぁ!まずは肝試しやな!」
「まだ昼じゃん…」
「流石にねぇ…」
「荷物を置くのが先に決まっているでしょう?早く運びましょ」
「ジョークやて!せやけど楽しみなんはホントやで!」
「「それは見ればわかる」」
ウチが軽快にボケをかますと、茜と美和がテンポ良くツッコミを入れてきた。ホンマ仲の良い思う。その後に小夜がマジレスをしてくる。ウチのお嬢は時々冗談が通じひんけど、そこが小夜のええとこでもある。
「それにしても良いとこだねー」
「ここ小夜のお父さんの山なんだよね。こう見るとお金持ちなんだぁって思うねぇ」
「せやで美和!」
「ただ昔から引き継いでるだけよ。家が古いだけなのよ」
今は古くても土地を手放すとこが多い中、維持しとるってだけでも凄いんやで…?
小夜は謙遜しとるけど、ウチは旧家の中でもええとこの方やと思っとる。今は数は減ったとは言え、使用人のおる家なんてそうはあらへん。そんで奥様の意向とはいえ、ウチのことも面倒見んのを簡単に決めてしまうんはちょい異常や。
「それにしても小夜のお父さん、良く許してくれたね」
「貴女達ならってことで許可を頂いたのよ。余程気に入られたのね」
「ホンマは小夜のお願いにタジタジやったんやけどな!」
「ふふっ!仲良しだね」
茜が割とその通りなことを言うと、小夜は理由の全部は言わずに答えた。せやからウチが大きな割合を占める理由を話すと、美和が嬉しそうに笑う。こうなっとるんも、二人のおかげやと思う。
「そうね、悪くないわ。でも舞はいい加減なこと言わないで」
「いやいやぁ…?そもそも前やったら頼むこともせぇへんかったやろ?それから考えると間違えでもあらへんやろ。しかも最近、旦那様は小夜に甘々やしな」
「そんなことないわ」
小夜は照れてんのかウチを窘めるけど、こないに小夜を弄れる機会はそうない。せやからウチは追撃するけど、バッサリ話を切られてそっぽ向かれてしもた。
「舞…謝った方がいいんじゃない…?」
「うはは!大丈夫や。照れとるだけなんは見りゃ分かる」
「そうなんだ…?私にはわかんないな」
「素直やないんはずっと変わらんからな」
そんなウチと小夜のやり取りを見て、美和が心配そうにウチに注意してきた。せやけどウチには分かる。ただ恥ずかしがっとるだけなんが。茜はそれを不思議そうにしとるけど、ウチにとっては昔から変わらん。
それこそ…ウチと最初に会った時すらそうやったからなぁ…
「ほら、無駄話してないで頂戴」
「ほいほい」
「「はーい!」」
ウチらが話しとると先に言った小夜が、顔が良く見えん程度にこっちを向いてウチらを急かしてきた。小夜の性格が良く出てる呼び掛けに、ウチらは返事して急いで追っかけるのやった。
◯◯
「うひぃぃ…!!もう疲れたわぁぁ…」
「まぁ、割といい時間ね。夕食にしましょうか」
「結構集中出来たかも」
「んぅぅ…あぁっ…その分ちょっと疲れたねぇ…」
「美和、今の色っぽいわぁ…」
「えぇっ…!?」
宿題やっとるとウチが限界来てもうて根ぇ上げると、小夜が区切りを入れるように言った。茜は充実したんを口にすると、美和が伸びをしてから疲労を口にした。この子は時々無自覚にエロい気ぃするわ。思わず口にしてもうた。
「美和が食べられてしまわないように、早くしましょうか」
「そうだねー」
「待って!?」
「ウチ先行って用意しとるな?」
「お願い、私達はここを軽く掃除してから行くわ」
「スルー!?」
小夜がウチの言ったことに乗っかって、茜も同意した。美和が抗議するよう声を上げるも、それをスルーしてウチは先に台所に向かう。今日はみんなで晩御飯を作ることになっとる。
そんでその後は…ふはは…
晩御飯を食うた後は肝試し。今日一番のウチの楽しみや。何を隠そうこのためにこのキャンプ計画をしたんやし。そうして気分よくして準備しとると、みんなが片付け終わったんか、やってきた。
「おまたせー」
「向こうの準備はしてきたわ」
「こっちも準備出来たで」
「それじゃみんなで晩御飯を作ろ!」
「「「おー!」」」
そうしてみんなで晩御飯を作り始める。今日はカレーとサラダとコロッケ、そんでスープも作る。担当はカレーが美和、小夜がサラダ、ウチがコロッケ、スープが茜や。人選はクジで決まった。面白みのない配置になってもうたから、せめてなんか仕掛けたいわ。
「舞、変なの入れないで頂戴ね」
「食えるようにはするから安心し」
「それ安心できないよ…?」
「不安要素しかない…」
ウチの思惑を読んだんか、小夜が釘を刺してきた。せやけどウチは気にせんでやる。面白さのためには、多少の覚悟は承知の上や。
まっ…普通に食えるもんにするつもりやけど…
そうして、他のみんなに不安にされながらもウチは鋼の心で調理を進める。チーズにカニカマ、エビチリ、もちろん牛肉多めのものも作る。種類は多いけど小さめに作って多く楽しめるように配慮しとく。そして見張られていたのが、ウチの入れてるもんを見て安心したのか警戒がなくなったのを感じた。
さて…ここで…
その隙を突いて変わり種としてチョコを混入させることにした。こういうんは一度警戒させといて解いた後が一番成功しやすいねん。まぁそれほど不味くなるもんでもないんやから許して欲しい。ほんの出来心や。
不評やったらウチが食えばええし…
「出来たわ」
「私もー」
「ウチもええで」
「あたしはあと仕上げだけ」
そうしてみんなもいい感じに完成したらしい。美和も最後になんか入れていた。おかんは流石に隠し味の一つや二つ持っとるらしい。そうしてみんなの作ったものを持って、さっきまで宿題しとった部屋に戻った。
「それじゃ食べましょうか」
「「「いただきまーす!」」」
それぞれが作ったものを盛り付けて、みんなで囲って食べ始める。みんなそれぞれ料理が出来るから、変なもんや失敗はない。ウチが作ったんを除いて。
「んくっ!?」
「茜、どうしたの?」
「んっ…いやっ!?舞!?なにこのコロッケ!?」
「うはは!最初に食うたんは茜か!」
「舞…貴女なにをしたの…」
どうやら最初に茜がチョココロッケを食うたらしい。ええ反応してくれたわ。それでこそ作った甲斐があるってもんやね。
「チョコを入れてみたんや」
「「チョコ…」」
「心の準備が出来てなかったから凄い衝撃だったよっ!」
「でもそれなりに美味しかったやろ?」
「味なんか分からないよっ!」
ウチが種明かしをすると、小夜と美和の二人が声を揃えて呆れた。茜が抗議の声を上げてウチが感想を聞くと、最もなことを言ってくる。そらそうかもしれんな。
「まぁまぁ、ならもっぺん食ってみ?」
「えぇ…まぁ…そこまで言うなら…」
「なんも付けんでな」
ウチがもういっぺん勧めると、茜は渋々と言ったようにチョココロッケを口に運んだ。
「んぐ…んぐ…んっ…」
「どや?」
「…まぁ…悪くないかも…」
「せやろ」
「「えぇ…?」」
茜がチョココロッケを食うとそう評価した。ウチはその感想を聞いて胸を張る。小夜と美和はかなり不信そうや。この間のコンビニの件もあるし、そこまで不味くないならええらしい。
やっぱ驚くもんで食えるのが一番楽しい…
そんな一幕もありながらも、なんだかんだ食事を楽しんだ。みんな疑いながらもウチの作ったチョココロッケも含め全部食うてくれた。そんな中、やっぱしMVPは美和のカレーやった。屋敷に戻って作ろ思うたんに、隠し味については教えてくれんかったのが残念やった。
◯◯◯
「てなわけで!肝試しターイムっ!」
「おー!」
「「………」」
ウチが張り切って宣言すると、乗ってくれたんは美和だけやった。こういうんはノリが大事やから、現実主義も普段視てるんも関係あらへんと思う。ようは空気や、雰囲気や。楽しもう思う勢いが大事なんやねん。
まぁ…あわよくば。と思うてんのも嘘やないけど…
「全く…二人とも美和を見習いよ。気合が足りひんよ!」
「そんなこと言われても…」
「うちの管理してる山に何が出るって言うのよ。熊はおろか、狸も出ないわよ」
「幽霊は分からんやん?」
「ここで幽霊に会ってもどうしようもないよ…」
茜は普段から会っとるからな…羨ましい限りやで。全く…
ウチが二人に文句を言うと、茜は言い渋って、小夜は小夜で現実的なことを言う。やからウチが本来の目的を示すと、茜が少し苦笑しながら言う。茜が自分の能力のことをそこまで喜んでへんことを知っとるから、心の中で羨むだけにしとく。
「とにかく!こういうんは夏の醍醐味やろ!夏のイベントの一つや思うて、とにかくやっとこうや!」
「二人とも、舞の言う通りだよ。雰囲気が大事なんだから」
「はぁ…まぁいいわよ…」
「んー…そこまでいうなら…」
「いよっしゃ!せやったらクジ引きや!」
ウチの猛プッシュに美和が賛同した。そうすると小夜と茜の二人は渋々ながらも受け入れる。美和が言うとあっさりなんがちょい不本意やけど、乗ったならなんでもええ。ウチは用意しとったクジを差し出しみんなに引いてもろた。
「私、一番」
「私は二番ね」
「あたしも二番」
「ウチと茜がペアか。んで小夜と美和がペアやな」
良い感じに乗り気なんと乗り気じゃないんがペアになった。さらに言えば茜とペアならウチが幽霊に会う確率が上がる。気がする。万々歳の結果や。
言うて…軽くイカサマさせてもろたんやけど…
「んじゃお互い、逆サイドから回り込みながら歩いて行って、ここの反対で一旦合流な。事前に合流ポイント作っといたから、行けば分かると思う。そっから四人で真っ直ぐ別荘に戻るっちゅうことで」
「「「了解」」」
「いよっしゃ!せやったらそれぞれ…出発!」
「「おー!」」
「はいはい…」
「小夜!」
「わかってるわよ」
そうして、ウチらはペアに分かれて肝試しをスタートさせるのやった。
第40話を読んで頂き、本当にありがとうございます!
冒頭から結構不穏でしたね…
察した方もいるかもしれませんが、舞ちゃんは結構重めな事情を抱えてます。
私は重い話が書くのも読むのもあまり得意ではないので、出来るだけ軽くなるように頑張るつもりです!
と言うわけで早速冒頭以外はいつも通りの皆でお送りしました!
それでは今回はここまで!
改めて、投稿が遅れに遅れ続け申し訳ございません!
この舞ちゃんのお話は夏が感じられるうちに終わらせたいので、毎週投稿出来るよう頑張りたいと思います!
ブクマして頂いてる皆様!
そうでない皆様!
いつも読んで頂き、恐悦至極にございます!
次回の投稿予定は8/9を予定します!
また次回もお付き合い頂ければ、なによりも幸いです!




