第39話 どんなに頭のいい人でも予想や作戦が上手くいかないときがある
こんにちは!すみません!
明日葉晴です!
月曜日更新ではないのにそうなってしまっている現状に対して、本当にすみません!
ちゃんと有言実行できるように精進します…
今回は前回からの続きになります!
ただ茜ちゃん達が騒ぐだけの回です!
幽霊のおまけ感がぬぐい切れなかった前回。
今回はそれを払拭出来ればいいかなって思います。
それでは本編をどうぞ!
私は昔から幽霊が視える。
「ええか?作戦はさっきの通りや」
だけど特殊な訓練とか受けてないから、テレパシーは出来ないし、強制的な除霊も出来ない。まぁ幽霊が視えるだけで後はただの女子高生だ。
「この作戦の鍵は美和や。やれるな?」
「がんばる…!」
思えば訓練なら舞の方がよっぽど受けてる気がする。けど今回必要なのは自然で純粋に見えるかどうか。
「ならオペレーションカミングゴースト、始動や!」
何回聞いてもダサいなぁ…
○
事の起こりは二時間前、私達がコンビニに入ったとこから始まった。二時間もコンビニにいるとは何事かと思うけど、イートインは広いし、私達以外いないから許して欲しい。
話し掛けるのに、今までで一番苦労してる気がする…
最初の一時間はアイス食べたりした後に最初の店員引き付け作戦を行っていた。それは失敗に終わって、残りの一時間で何とか幽霊とコミュニケーションが取ることが出来ないかの作戦を考えていた。
「やっぱ作戦名とかいるんやない?」
「え…?いる…?」
「いるで。モチベは大切やん?」
「いや…」
「茜、諦めておきなさい。その程度で舞がやる気を出すなら好きにやらせた方が面倒がないわよ」
「面倒…」
「そうだね。しょうがないか」
「しょうがない…」
案の定おかしなことを言い始めたのは舞で、割とどうでもいいことを提案してきた。正直必要と思えないけど、小夜がそれを承認したから私も諦めることにした。言い方に関して舞はかなり落ち込んでいた様子だけど。
「舞、それじゃあどんなのにする?」
「美和ぁ…せやなぁ…やっぱカッコええのにしたいなぁ」
私と小夜が呆れ半分でいたところを、美和がフォローするように舞に問いかけた。そんな美和に舞は感動したように切り替えて考え事を始めた。
「作戦コード、出会いと別れ、でどうや?」
「ポエムか…」
「必殺!除霊大作戦!は?」
「そのまんまだけど、必殺ってなに…」
「茜の罠、で良いんじゃないかしら?」
「罠じゃないし、私は軍師でもないよ…」
舞の下手なポエムみたいな作戦名から始まって、美和がドストレートだけどちょっと変な名前を考えた。意外だったのは小夜で、案外ノリノリだったんじゃないかとも思える。一番いいような気がするけど、私の性格が悪く聞こえるからなんか嫌だ。
「なんや文句ばっかやなぁ」
「そうだよ。茜もなんか考えてみてよ」
「そうね。きっとさぞ素晴らしい名前を考えてくれるのでしょうね」
「えー…だってツッコむの私しかいなかったじゃん…」
私がツッコミに集中していたら、三人から指摘された。放置したら収拾つかないと思ったからそうしていただけに、なんだか若干納得いかない。だけど三人も納得いかないみたいで、仕方なく私は作戦の名前を考え始めた。
作戦ねぇ…幽霊を呼び出す作戦…かぁ…
「…オペレーションカミングゴースト…かな?」
「「「オペレーションカミングゴースト…」」」
我ながら安直な上にダサいなぁ…
三人の見定める様な厳しい視線に耐えつつ、必死に考えた結果のネーミング。多分私には名付けのセンスはないかもしれない。
「ええやん!ウチは好きやで?」
「作戦っぽくて格好いいね」
「まぁ…分かりやすくていいんじゃないかしら」
「まーじかー…」
だけど予想に反して受け入れられたから、逆に私が反応に困ってしまった。確かに分かりやすいかもしれないけど、格好よさとかの面で見たら、正直微妙じゃないかと思う。
「よっしゃ!したら作戦の内容やね」
「思ったけど、普通内容決めて最後に名前じゃない?」
「最終目標なのだし、気にする必要ないわよ」
「まぁ…それもそっか」
「内容が決まったら、改めて作戦名考えたいって言うなら止めはしないのだけれど」
「結構です…」
作戦名が決まったからか、舞が再び気合いを入れ始めた。私はそこにふと疑問に思ったことを溢したら、小夜がしれっといいのけた。茶化すように意地悪を言うのはご愛嬌だし、余計なことを言った私が悪い。
「気合いを入れるのはいいけど…本当にどうしようね?」
「せやな…幽霊がどっか行くんを待つんがええやろうけど…」
「動かない可能性もあるからねー」
「やっぱり舞が騒いで混乱してる時にやるのが一番早いんじゃないかしら」
「せやからウチ捕まってまうて!」
「ほら…お店と店員さんには迷惑掛けない方向で…ね?」
「失敗したら私以上の無駄になるしねー…」
作戦名が決まって気合いも入れたはいいけど、やっぱり現状は動かない。幽霊が店員にべったりな以上、まず離す方法を考えなきゃいけない。
でも、なんで店員にくっついてんだろ…?
そのあたりも多分未練が絡んでいるんだろうけど、あのやる気のなさそうな態度を視ていると全く見当がつかない。なんとなくだけど、その辺が分からないと店員と離れさせる手段が見つからない気がする。
「冗談よ。ねぇ、茜。さっき貴女達が言っていた、スマホの画面を見せるわけにもいかない、と言っていた件について、詳しく教えてもらえないかしら?」
「いいけど…なんで?」
「話の流れから、幽霊絡みと言うことはなんとなく察しがつくわ。とっさに思い浮かんだということは、今と同じように無暗に話し掛けられない状況だったのでしょう?貴女達は切り捨てたけれど、少しでも参考にできる点があるかもしれないからよ」
「そっか…なるほど…」
またも自分の友達でメイドの舞を、冗談で罠に掛けようとしていた小夜が少し前の話を掘り返してきた。小夜が幽霊の話を聞きたがるのも珍しいとは思ったけど、理由を聞いて納得した。流石小夜と言ったところだ。
「そういうわけなら…この間美和と買い物行った時のことなんだけどね…」
というわけで、私は小夜と舞にこの間美和と会った幽霊の話をした。第一印象、というよりファッションが絡んだときのみ言動が奇抜になってめちゃくちゃ近寄りがたかったけど、概ねまともだった幽霊の話だ。小夜の提案的には最初のコンタクトを取るところだけで充分だったかもしれないけど、舞がいるから後でもう一度話すよりはと思って最後まで話した。
「ウチも服買いに行きたかったわ!」
「いや、今はそこじゃないでしょ…」
「まぁまぁ、今度はみんなで行こうね?」
「やふぅ!」
私が話しきると、舞が話を脱線させてきた。私がツッコむと、美和が間に入ってあっさりとまとめてしまった。私はまた着せ替え人形にさせられるのだろうか。疲れるから今度は美和にしたい。そっちなら私も喜んで行こう。
「なるほどね…携帯の画面を見せて、声を出さずに意思疎通を済ませたというのね…」
「そうそう。その時は大通りだったし、見せる側に美和がいたから上手い具合になったけど」
「確かに今の状況では逆に怪しくなってしまうわね」
「幽霊視えます。って普通に言うよりヤバい人になりそうだね…」
私と美和と舞の三人が話を脱線させていた間に状況を整理していたのか、感心したように小夜が呟いた。私と美和がすぐに却下した理由も察したらしい。
「それにしても、よくそんな方法を思いついたわね」
「その言葉は地味に傷付くんだけど…別の幽霊が参考になっただけに、偶然としか言えないのが悔しい」
「別の…?」
「あー…その幽霊は声が出せないし耳も聞こえない子で…」
小夜が割と失礼なことを言ってきたけど、たまたまなだけに何も言い返せない。それに頭の良さもこの中では私が一番悪い。別に私の頭が悪いわけじゃなくて、良くも悪くも普通の成績なだけだ。だからそんなことは置いといて、私は文字だけでやり取りをした幽霊のこともみんなに話した。
「そう。そんなことがあったのね」
「話せないなら文字でっていう考えに行きつきやすい状況があったから、その時は何とかなったけど…今はどうにもできないからねぇ…」
「いいえ…少し待って頂戴…?」
「小夜…?」
私の話を聞いた後、小夜が何かを考える態勢になった。不思議に思った私は小夜に聞くも、考え事に集中しているようで返事もなかった。
「一つ、作戦が思い浮かんだわ」
「ホント!?」
「流石小夜だね」
「頭の出来が違うわぁ」
「今から説明するわね」
「お願い」
考えがまとまったらしい小夜が顔を上げると、いつも通りの澄ました表情でそう言い放った。私達はそんな小夜に対して、それぞれの言葉で驚いた。そんな私達を特に気にした様子を見せずに、作戦を説明する態勢に入った。
「方法としては携帯の画面を見せる。そこに幽霊を連れだせるようなことを映し出しておいて」
「でもそれって…」
「ええ。普通に見せるならただの怪しい人になるわ。だから見せるのに一工夫入れるのよ」
「一工夫…?」
「そう。出来る限り自然に、かつ、見せるつもりがなかったものとして画面を見せることが出来れば、失敗したとしても影響はないでしょう?」
「言うんは簡単やけど…出来るん?」
小夜の言った方法は単純で、私が言ったようにスマホの画面を見せるというものだった。だけどそれだけでは怪しい人になる。それは小夜ももちろん理解しているみたいで、どうすればいいのか簡単に言って見せるけど、それが出来れば苦労はない。
「やるのも単純よ。携帯の画面を付けたまま、忘れ物として見せればいいの。誰かが携帯を弄ったまま会計に入る。会計の時にカウンターに携帯を置いて支払い。タイミングよく他の誰かが呼び掛けて、慌てた振りで携帯を置きっぱなしにしてカウンターを去る。そうすれば不自然さを極力少なくして画面を見せることが出来るわ」
「「「なるほど!」」」
「最後に、携帯を取りに戻る、もしくは呼んで止められた時に、生きてる店員に画面を見られたか聞いておいて、生きている店員にも見られていたら適当に誤魔化しておけばいいでしょう」
「そこは適当なんだ…」
「誤魔化す理由なんていくらでも思いつくわよ。問題を挙げるとしたら、付いてくるかが半々ってところね」
だけど小夜はそんな方法を見事に思いついた。確かに不意に忘れてしまったものなら、見せる予定じゃないものとして扱える。誤魔化すのも、多分何とかなるだろう。あとは幽霊が画面の文を信じるか気にして私達のところに来てくれれば、未練を晴らすことにだいぶ近付ける。
「せやったらあとは誰がやるんかやけど…」
「それは順当にいって私じゃない?」
「いいえ。私は美和が適任だと思うわ」
「あたし…?」
舞が役割を決めようとしたところで、私は当然のように立候補した。だけどそれを小夜が美和を推薦して止めた。推薦をもらった当の本人は不思議そうだ。私もその意図が良く分からない。
「ええ、美和よ」
「その心は?」
「一番怪しくないからよ」
「私は怪しく見えると!?」「ウチは怪しく見えるん!?」
美和が良いと言い切った小夜に対して舞がその理由を問い掛けると、小夜から衝撃的な理由が告げられた。私と舞はその答えに、揃って不満の声を上げた。
「じゃあ貴女達は美和よりも、純粋に、純朴に、無害で無垢な清楚感を、自然に出せるとでも言うのかしら?」
「「む…無理…」」
「いやいや…」
だけどその不満の声に、小夜は質問を投げかけることで私と舞を完全に封殺した。成す術はないし、ぐうの音もでない。完敗だ。こうして、作戦と役割が決まり、舞の号令によって『オペレーションカミングゴースト』が開始されるのだった。
◯◯
「こちらコードネーム『メイド』、対象の様子は?」
「動きは特になし…って、なにこのノリ?」
「いやぁ…せっかくやし、雰囲気出そ思うて」
だからって『メイド』って…もう普通に職業名じゃん…
「だとすると私は何になるのかしら?」
「小夜は…『お嬢』でええんやない?」
いやだからそのままじゃん…
「なら美和は?」
「それは『オカン』やろ」
まぁ妥当かな…
「最後に茜は?」
「せやなぁ…『クローバー』?」
「なんで私だけちょっとそれっぽくなるの!?」
「ほら、遊んでないで。もうすぐ美和が会計に入るわよ」
「乗ったのは小夜だよ…?」
舞の微妙な小芝居に私がツッコミを入れると、小夜が話題を掘り下げた。舞、小夜、美和と、次々にコードネームなるものを、職業的なので割とそのまま決めて行ったのに、最後に私だけ微妙にベクトルが違った。それにツッコミを入れると、最初に乗ったはずの小夜に注意されるという、ちょっと納得のいかない結果に終わった。
まぁいいけどさぁ…
小夜の言う通り、美和が商品を選んで会計に入った。私達はそのタイミングを見計らって、イートインの席を立って出口に向かう。
「おーい!早くしないと帰っちゃうよー」
「あっ!ちょっと!待ってよぉ!」
そして会計を済ませた段階で私が声を掛けて、美和が慌ててこっちに向かってきた。ここまでは作戦通り。スマホを忘れたまま美和が私達と合流してそのままコンビニの外に。あとはこのまま少しだけ間をおいて店員が追いかけてこなければ、美和がもう一度コンビニに入ってスマホを回収して作戦は終了。成功を祈るだけになる。
「お客様ー!スマホ忘れてますよー!」
きたっ…!
「ってそっち!?」
コンビニの中から声が聞こえてきて、私は真っ先に振り返った。そして、コンビニから自動ドアが開かずに出てきたのを視て、私はツッコミを入れずにはいられなかった。
「茜?どうしたの?」
「いや…うん…美和、幽霊の人がスマホ忘れてるって言いに来てくれたから行っておいで…」
「へ?あ、うん…」
「「えー…」」
本音を言えば嬉しい。それはそれはとても嬉しい誤算だ。だけどあれだけ考えて、やっと小夜が作戦を立てて盛り上がっていたのに、微妙に予定が狂ってちょっと早く自分から来てくれたことに、なんとも言えない感情が沸き上がった。それはみんなも同じようで、複雑そうな顔をしていた。
「え?え?君は僕が見えるのかい?」
「んと…はい、ばっちり…」
え?知らないのに来たの…?画面見てなかった…?それとも信じてなかった…?
「まず…忘れ物を教えに来てくれてありがとうございます」
「あ、あの!僕、役に立ちましたか!?」
「あ…はい…とても…」
「おぉ…おぉぉっ!!」
「えっ!?ちょっ!?なんで!!?」
とりあえず、来てくれたことが嬉しいのも含めて、私達の方に来てくれたのは事実だから、とりあえずお礼を言った。そのことに幽霊が念押ししてきたから肯定すると、幽霊が満足そうに息を漏らしたあとに、身体が透けて光り始めた。成仏の兆候だけど、全く意味が分からずに私はただただ驚いた。
「茜、どないしたん?」
「いや…その…成仏する…」
「はいぃ!?」
「はぁ?」
私の驚いた様子を見て、舞が不思議そうに尋ねてきた。私はただ事実を伝えると、舞は驚き、小夜も珍しく声を上げて驚いていた。
「し………」
「し?」
「仕事が出来たぁぁぁぁぁ!!」
そんな私達の困惑を無視して幽霊は少し溜めを作った後、右の拳を高く上げて叫びながら消えて行った。最期まで本当に意味が分からない。
「みんな戻ったよ!茜、どう!?」
「成仏したよ」
「……………………………へ?」
「成仏した」
「いや、うん。聞こえてたけど…なんで?」
「わかんない…けど…」
最期に仕事出来たって叫んでたってことは…そう言うこと…なのかなぁ…?
コンビニから戻ってきた美和が、食い気味に進捗を聞いてくる。だけど既にすべて終わっていることを伝えると、たっぷりと間をおいてから疑問を口にした。どうやら処理しきれなかったらしい。気持ちはとてもわかる。私もまだ消化しきれていない。
「まぁ…帰りましょう?」
「……せやな」
「うん…そうだね…」
「そうしよっか…」
元々割り切りの早い小夜が、帰ることを提案してきた。そのおかげで次々と私達は我に返っていくことに成功した。こういう時、小夜の切り替えの早さが羨ましい。
「そう言えば、生きとる方の店員はスマホに気付かなかったん?」
「たぶん。カウンターにいなかったのに、スマホは置かれたままだったし」
「普通に仕事しない店員だったんだ…」
見た目通りではあったけど、店員は本当にやる気のない店員だったらしい。待合室的なとこに引っ込んだと考えられる。
「そんなことより、もうすぐ夏休みでしょう?今度私の家の別荘に来る気はない?」
「肝試ししようや!」
「だけが目的ではないのだけど、どうかしら?」
「「行く!」」
店員の方には興味なかったのか、話題を変えてきた小夜。その小夜の提案に、舞が舞らしい誘い方をした。別に私も肝試しをしたいわけじゃないけど、美和と口を揃えて提案に乗った。
「それじゃあ、夏休みに入ったら行きましょう」
「「「おー!!」」」
そうして夏休みの予定を立てながら、私達は帰り道を歩くのだった。
第39話を読んで頂き、本当に感謝の念が絶えません!
本当に幽霊のおまけ感がぬぐい切れないこの二回でした!
まぁ私の目的が果たせたのでいいでしょう。
茜ちゃん達を充分騒がせることが出来たので、私は満足です!
ついでに最後に次回へのつなぎも出来たので、戦果としては上々でしょう!
と言うわけで。
次回からは茜ちゃん達四人の中の一人、舞ちゃんのお話をメインにした物語になります!
小夜ちゃんの時と同じように、大体5話前後になる予定です。
意外と一番謎が多いんじゃないかと思われる舞ちゃん。
そんな舞ちゃんについて掘り下げて行きます!
期待して頂ければ、胃を痛めながら書きたいと思います。
それでは今回はここまで
ブクマして頂いてる皆様!
そうでない皆様!
しばらく、毎回予定通りに更新できていないにも関わらず読んで頂いてることに、感謝と謝罪と幸福な気持ちでいっぱいになっております…!
その度に恵まれているな、とも実感してます!
次回の更新予定は8/2を予定します!
予定は未定と言われないよう、頑張りたいと思います…
それでは、また次回もお付き合い頂けましたら何よりの幸いです。
ps.サブタイトル付け忘れてました…




