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第33話 楽しい時間は周りを見て楽しもう

こんにちは!

明日葉晴です!


予定の次の日に食い込んでしまい申し訳ないです…


今回で遊園地編?は終わりです。

ひたすらに茜ちゃん達をはしゃがせましたね。

なんだかんだ幽霊もキャラ濃くなってたのはご愛敬ですかね。


それでは本編をどうぞ!

 昔はこうして、友達と一緒に遊園地に来ることは考えられなかった。


「わぁぁぁ!!」

「ひゃあぁぁ!」

「わはははははっ!!」

「きゃあぁ…」


 高枝(たかえだ)さんの怖がり克服の手伝い中だけど、今は小休止。高枝(たかえだ)さんが怖がりすぎて疲れたのか、休憩を申し出たために私達四人は一旦自由に遊ぶことにした。


「お…思ったより…きっつ…」

「こ…怖かった…」

「えっぐいスピードやったなぁ!」

「ええ。驚嘆に値するものだったわ」


 と言うわけで私達は凶悪なジェットコースターを後にしたのだった。


 ◯


 ジェットコースターを堪能した後、私達は高枝(たかえだ)さんと合流してまたカフェで休憩することにした。


「僕の為に動いてもらってるのに、休ませてもらってすいません…」

「いえ、私達も楽しんでるので大丈夫ですよ」

「そうですか…それではさっきはどこへ?」

「ジェットコースターですよ」

「ひぇっ…!?ジェット…コースター…」


 テーブルの真ん中に正座する高枝(たかえだ)さんが申し訳なさそうに謝ったけど、私はそれを軽く返した。次に言ってきた所を尋ねられて返すと、高枝(たかえだ)さんは若干怯えた様子を見せた。


 あぁ…絶叫系もダメなのか…


 系統は違うけど、大きく括ってしまえばジェットコースターも怖いものにあたる。幅が広い、正真正銘のビビりみたいなものなんだろう。どの方向で怖がりを治せばいいんだろうか。


「なんでも怖がるんですね…」

「なんや?ジェットコースターもダメなんか?」

「みたいだよ」

「ほへぇ…損な性格しとるなぁ…」

「す…すいません…」


 私の反応で察したのか、(まい)が質問してきたから答える。私の答えに(まい)が同情したような声を上げると、高枝(たかえだ)さんが何故か謝った。怒っていいようなとこだと思うのに、謝ってしまうあたり性格が出ていると思う。


「私は怖がりと言うのは悪いことでもないと思うわ」

「へぇ、小夜(さよ)はそう思うんだ。なんか意外だね」

「あたしも怖がりでもいいと思うよ」

美和(みわ)はせやろなぁ…どんなんでも受け入れそな感じやし」


 (まい)の言葉に、小夜(さよ)が意外な反論をした。小夜(さよ)は男女問わずになよなよした人が嫌だと思っていたからだ。ちなみに美和(みわ)の反応には私も(まい)に同意だ。


「まぁ美和(みわ)は予想通りとして、小夜(さよ)はなんで?」

「怖がりということは生存本能が強くて慎重と言うことでしょう?一部の局面では、重要な判断材料になるのよ」

「あぁ…なるほど」


 小夜(さよ)としてはお父さんが会社を経営しているという観点からの発想なんだろう。そう言われると、確かに重要な性格のようにも思えてくるから不思議だ。


「そ…そう言われるとなんだかちょっとだけ自信が持てます」

小夜(さよ)高枝(たかえだ)さんがちょっと嬉しそうだよ」

「そう。よかったわね」


 小夜(さよ)の言葉に反応した高枝(たかえだ)さんの状況を伝えると、小夜(さよ)は興味なさそうにお茶を飲みながら答えた。興味なくても無視をしないだけ、小夜(さよ)は優しいと思う。


「せやけど、ウチはやっぱり怖がりは損やと思うわ」

「えと…それはどうして?」


 だけど今度は(まい)が反対の声を上げて、美和(みわ)が反応した。小夜(さよ)(まい)は考えが反対なことがホントに多い。一緒にいる理由を知っている今でも、仲が良いのが不思議に思うことがある。


「怖がっとったら楽しめへんことも多いやん?スリルやホラー、ドッキリ系はイベントとしては定番やろ」

「あー…確かに。ホラーって夏の定番だけど、結局年中やってたりするもんね」


 (まい)の理由に私は少し納得した。思ったよりまともな理由に驚いたのは内緒だけど。


「せやろ?…ちなみにやけど、あれってホンマなん?」

「さぁ?さすがにカメラ越しのテレビ越しじゃ、気配もわからないよ」

「そうなんか…」

「まぁ…少なくとも私が撮ったとしても写らないよ」


 ホラーの話題になったからか、(まい)はついでにと言うように私に質問してきた。だけど流石に本物かどうかは私にはわからない。けど私も昔気になって何度か撮ったことがあるけど、その時は何も写らなかった。試しに高枝(たかえだ)さんにスマホを向けて写真を一枚撮る。


「ほら」

「ほんとだ」

「本当ですね…」

「せやな。小夜(さよ)のすまし顔しか写ってへん」

「理知的な顔の間違いじゃないかしら」

「何故そこで張り合った…」


 撮った写真をみんなに見せて、私の実体験を共有してもらった。高枝(たかえだ)さんはテーブルで正座しているため、それを通り越して写ったのは私の正面に座っている小夜(さよ)だった。


「てかどこにおるん?小夜(さよ)の後ろか?」

「っ…」

「いや、テーブルの上に正座してる」

「ぅっ…!?」


 (まい)の疑問に小夜(さよ)がピクリと反応し、私の答えに飲んでたお茶を少し詰まらせたようだ。やっぱり信じていないとしても、テーブルの上に何かいると堂々と言われると不快だったのだろうか。


「なっ…なんで…テーブルで正座…嘘だとしても…想像すると…」


 かと思ったら少し様子が違った。どうやら面白かったらしく笑いを堪えているみたいだ。私は一度驚き半分で噴き出したわけだけど、純粋に面白そうにする小夜(さよ)の笑いのツボは時々わからない。だけど機嫌が悪くなるよりはいいから、そっとしておくことにした。


「それで美和(みわ)は一応怖がりでもいい派だったけど、なんか理由ある?」

「あたしは…人それぞれだからいいんじゃないかなって、それだけかな」


 うん、予想通りの答えだ。多分だけど小夜(さよ)(まい)も同じ予想をしてただろう。それでこそ美和(みわ)だと思う。


「だけど私はそんな美和(みわ)の将来が心配だよ…」

「え?いきなりどうしたの?」

美和(みわ)が将来変な男に捕まるんじゃないかと思って」

「せやな」

「同感ね」

「えぇぇ…」


 私の呟きに美和(みわ)が困惑した。それに私が思ったことを素直に話すと、(まい)と復活した小夜(さよ)の二人もすかさず乗っかって来た。やっぱり同じことを思っていたらしい。


「彼氏が出来たら…いや、好きな人が出来たら私に教えてね」

(あかね)、そしたら私にも連絡を頂戴。(まい)、わかってるわね?」

「任せとき!ウチが徹底的に素性を調べたるわ」

「そんな…みんなどうしたの…?」

「「「だって…」」」


 私、小夜(さよ)(まい)の三人がかつてないほどの連携を見せた。みんな美和(みわ)のことが大好き過ぎる気もする。だけどそれくらい美和(みわ)は変な男に引っかかるような気もする。


「あたしはただ、それが共有できれば嬉しいし、違う意見でも楽しいと思っただけなんだけど」

「それが彼氏の借金とかでも?」

「かれっ…!?そっ、そういうのは置いておいて!」

「じゃあ例えば?」

「友達との思い出で、その時怖かったものとかでも、後になれば笑えるものとかあるでしょ?実際、あたしは最初のお化け屋敷怖かったけど楽しかったよ」

「あぁ…そういう…」


 確かに、その時どう思おうと後になっていい思い出というのはたくさんある。私だって、幽霊との思い出はその時面倒に思ってたりしても、今では全部いい思い出だ。ただ一つを除いては。


 ……まぁ…美和(みわ)らしいと言うか…


 ただ受け入れるんじゃなくて、その先を楽しむために人を認める。楽観的を言えばそこまでかもしれないけど、その一言では済ませられない包容力だ。それが心配に拍車をかけるわけでもあるんだけど。


 後で楽しめればいい…ねぇ…あ。


「それだっ!!」

「「「「どれ!?」」」」


 ハモった!?


 美和(みわ)の言葉で思いついたことがあって、私は思わず声を上げた。そして私の声に高枝(たかえだ)さん含めて全員が反応し、驚きと疑問を混ぜたような同じ言葉を発した。ある意味奇跡だと思う。それはさておき。


「私達は間違ってたんだよ。いや、間違いじゃないけど時間が掛かる方法だったというか…」

「なんや…?ようわからんで?」

高枝(たかえだ)さんの怖がりを克服する方法が違ったかなって」

「わかったの?」

「本当ですか…?」

「わかったっていうほどじゃないよ。ただ考え方って言うか…克服ってところを変えようかと思って」

「「考え方…?」」


 私は考えがまとまらないまま、ただ思ってることを言ってみた。その間で、自分でも段々言いたいことが分かってきた気がする。結論を最終的に言うと、美和(みわ)高枝(たかえだ)さんが声を揃えて質問してきた。


「うん。やっぱり、怖がりそのものを治すのって難しいし、時間が掛かるよね?」

「はい…」

「だから怖がりを治すんじゃなくて、どうやって付き合うかってことに考えを変えてみればいいんじゃないかと思って」

「なるほどね。そこで美和(みわ)の考えと言うことなのね」

「あ、うん。そういうこと」

「あたしの…?」


 流石は小夜(さよ)だ。私のしどろもどろの説明で大体やりたいことが分かったのか、飲んでいたお茶をおいて一息つきながら私の台詞を締めてくれた。いいとこ持ってかれたみたいでちょっと悔しい。


美和(みわ)の…?えぇと…もしかして、怖がることも楽しむ的なやつか?」

「そうそう。それのこと」

「怖がるを楽しむ…ひぇ…で…出来るでしょうか…」

「まぁ…やってみてってとこですけど…上手くいけばいいかなってくらいです」

「そ…そうですね。何事もやってみないとですよね…」

「そう言うことですよ」


 (まい)が考えを引き継いでくれて正解を言ってくれた。その話を聞いて高枝(たかえだ)さんが少しだけ臆した様子を見せる。私も私でそこまで自信があるわけじゃないけど、自分で言った通りやってみなきゃわからない。でも普通に克服するよりは早いような気もする。


「せやったら行動せな!善は急げやで」

「「おー!」」


 と言うわけで、私達は改めてアトラクションに向かうのだった。


 ◯◯


 私達が来たのが最初にみんなで乗った冒険アトラクション。に近いもっとファンシーなやつに行くことにした。怯えることもないんじゃないかという考えと、出来るだけ似たもので慣れながら試した方がいいと言うことでこのチョイスだ。


「ひぃぃ…」


 だけどその考えは甘かった。ばっちり怯えてしまったみたいだ。


「ダメだったかぁ…」

「ホンマかいな?まだ始まってもあらへんで?」


 そう。今回は乗り物に乗る前に怯えてりまった。自分が小さくなった気分で妖精のいる森をゆったりのんびり流れていくだけのアトラクションだ。周りも雰囲気を合わせて巨大な森に入ったような感じになっている。別に圧迫感もなく開放的な明るい森だ。


 まぁ…このままだとさっきまでと同じになっちゃうからなぁ…


「とりあえず聞いておきますけど…何が怖いんですか?」

「だって…自分より雑草の背が高いって…自分が小さくなったみたいじゃないですか…」


 そりゃそう言うコンセプトだからね…


「いつもは踏まれてる恨みで、逆襲として叩き潰しにくるかもしれないじゃないですか…」

「作り物ですよ…?」

「雑草に操られた何者かがそういう仕掛けを付けてるかもしれないじゃないですか…」

「いやねーよ」


 そんなアトラクションがあってたまるか。あったとしたら今すぐ廃棄した方がいい。危険すぎる。


「どうしたの?」

「あー…いや、気にしなくていいと思う。それよりも、美和(みわ)はここの怖さはどう楽しめると思う?」

「えっ…!?ここの…?うー…ん…と、具体的にどういうとこが怖いのかな…?」

「もしかしたら巨大な雑草たちが叩き潰しにくるかもしれないとこ」

「おぅ…?」


 美和(みわ)が私と高枝(たかえだ)さんの会話を気にしてきたけど、一度は誤魔化して元々の目的の話に戻した。しかしそれも美和(みわ)の質問によって言わなければならなくなったから素直に言うと、かなり戸惑ったような反応が返ってきた。気持ちは分かる。


「ざっそ…え…?」

「ごめん。戸惑いは分かる。でもそれが怖いらしいよ」

「そ…そっ…か…?」

「そうなんだよ。それが現実なんだよ…」


 まだ受け入れられないような美和(みわ)の態度に事実を言い渡した。だけどいくら考えたって多分わからないだろうし、事実も変わらない。


「えと…なら…そうだなぁ…」

「せやったら簡単やん」

「ホント?期待してないけど」

「そうね。期待は出来ないわね」

小夜(さよ)がここや言うばっかに乗っかってくるなぁ…」


 包容力の塊である美和(みわ)が早めに復帰して考え始めると、(まい)が割り込んできた。正直全く期待できない。私としては小夜(さよ)に全く以て同意だから、(まい)のフォローはしない。


「そないなんは聞いてから言ってや」

「よほどの自信ね。なら言ってみなさい」

「ふっふっふっ…それはな…」


 いつもなら文句を言って終わる(まい)だけど、今回は小夜(さよ)の毒舌にもめげずに自信満々に勿体付けた。正直やっぱりいい予感はしない。


「襲われること自体を楽しめばいいんや!」

「それが出来れば苦労しないんだよ…」


 予想通り本当に当てにならない提案だった。私は脊髄反射のレベルで即座にツッコんだ。


「まぁ待ちや。言いたいことは分かんねん」

「そう。わかった上でその人を馬鹿にしたような提案をしたわけなのね?」

「バカにもしてへんて。とりあえず詳しく聞いてくれへん?」

「そ、そうだよ二人とも。(まい)の話を聞いてみよ?もしかしたらいいかもしれないよ…?」

「ウチの味方は美和(みわ)だけやで…」


 私が即ツッコんでもめげない(まい)に、小夜(さよ)が追い打ちをかける。それでも食い下がる(まい)に、美和(みわ)がついに助け船を出した。美和(みわ)も信用しきってるわけではなさそうな言い方だけど、(まい)は気にしていないらしい。


「わかったわ。美和(みわ)がそこまで言うなら聞くわ。言って頂戴」

「おう!ウチが言いたいんはな?襲われるっちゅうことを悪く捉えすぎやと思うねん」


 まだ不満がありそうだけど、小夜(さよ)美和(みわ)を信用してなのか(まい)の話を促した。言い方に棘があったのにも関わらず、早く話したかったのか、(まい)は特に気にした様子もなく話し出した。


「だけど、良く思うのは無理じゃない?」

「いやいや。まずはなんで襲われるか考えるんや」

「いや…それは…まぁ…わかったよ。それで?」


 私は(まい)の言い分に言い返そうとしたけど、おとなしく聞くことにした。


「それでな、ウチは考えたんや。襲われるんは人気者の証や」

「嫌な証だね!?」

「しゃあないやろ。その分、それよりも自分に好意的なファンもいるって考えればええんや」

「ファン…ですか…」


 (まい)の持論にかなり食い気味にツッコんで、それでもめげずに説明を続けた。そんな(まい)の暴論に高枝(たかえだ)さんが考え出した。


「それに考えてみ?例え襲われたとしても幽霊やろ?物理無効やん。襲われても問題あらへんやろ」

「物理無効って…そんなゲームみたいに…」

「それ以外言い方ないやん。そんなことより、これでどうや?」

「どうって…ねぇ…」


 最終的に力業に至ったけど、一応言われてみればそうだ。幽霊視すぎて身近に感じてたけど、襲われても大丈夫だ。私は(まい)の説明を聞いた高枝(たかえだ)さんの反応を確かめた。


「襲われても大丈夫…襲われる分人気…襲われても大丈夫…」

「結構考えてるよ」

「ほう。まぁ、襲われても大丈夫ってのは幽霊の特権やしな。今しか味わえん絶対安全やで。怖くても大丈夫っていうんは」

「今しか…」


 全部聞いてみると意外と破綻したところはなかった。(まい)の理屈は高枝(たかえだ)さんにも効いたみたいで、かなり深く考えているみたいだ。


「はい…ちょっとだけ頑張れる気がしてきました…襲われても大丈夫…」

「それはよかったです」

「今しかない状態で体感してみます。襲われても大丈夫…」

「口癖みたいになってる…けどまぁ行きますか」


 怯えた様子が少しだけ落ち着いた高枝(たかえだ)さんは、謎の口癖と共に決意した。私達はその決意を受け取り、アトラクションの順番を待つのだった。


 ◯◯◯


 アトラクションに乗り込み出発。可愛い妖精が案内役として現れてアトラクションの説明してきた。幸いにも乗り物の中には私達のみだ。


「あの妖精が…地獄のツアーの案内人…でも襲われても大丈夫…」

「地獄って…」

「後ろから棘が発射されてきても大丈夫…僕には刺さらない…」


 その時は私が刺さるな…


 私のツッコミも聞かずに、高枝(たかえだ)さんはしばらくは自己暗示をしていた。だけど今までみたいに蹲ることなく前を向いていた。


「意外と効果あるもんだなぁ…」

「お?ええ感じか?」

「うん、びっくりだね。ありがと、(まい)

「せやろ、せやろ」


 演出として水しぶきが起きたり動物が突然出てくることとか、驚きを出すところはあって、そのたびに高枝(たかえだ)さんが怯えるところはあったものの、自己暗示で復帰して何とか耐えていた。そうして私達は何も怖くはないけれど、高枝(たかえだ)さんにとっての地獄のツアーは終わりを迎えた。


「妖精さん、可愛かったねぇ」

「妖精もいつかは会いたいわぁ」

「物語としてはよくあるものだったけれど、やっぱり展示の作り込みは深いわね」

「のんびり出来るのってなかなかないけど…」


 私は三人の感想を聞きつつ高枝(たかえだ)さんの様子を視た。終始怯えてはいたけど何とか蹲らずにはいたけど、最終的に怖がってしまっては意味がないからだ。


「怖かった…」

「あー…」

「けど…無事だった…」


 いや…幽霊だからそれはどうなんだろうか…


 ツッコミを頭で思い浮かべつつ、そういう風に思わせる作戦だから黙っておいた。ついでに言えば、やっぱり怖いは怖かったみたいだ。


「幽霊だから何も心配なかったですか?」

「それもそうなんですけど…」


 私が作戦の成功具合を尋ねると、高枝(たかえだ)さんは少しだけバツが悪そうに言いよどんだ。何か作戦が悪かったのだろうか。


「幽霊だから無事だったって言うより、今までしっかり状況を見ていなかったんだなって思いまして」

「…?」

「その…恥ずかしい話、僕怖がってすぐに目を瞑って周りを見ていなかったんです」

「あー…まぁそれは…」


 高枝(たかえだ)さんの説明に、私はなんとなく理解した。


「怖い想像のその先みたいなのをずっと見ていなかったんです。だからずっと怖い印象のままだったし、良い想像も出来ていなかったんです」


 無事の成功例みたいなのを知らなかった。だからいつまでたっても怖い想像しかできなかった。多分そう言うことなんだろう。


「でもさっき、ずっと周りを見ていたら、思ったよりも悪いことは起こらなかったんです」

高枝(たかえだ)さん…」

「皆さんには言わないでそのまま。女の人を悲しませるのは怖いですから」


 すっきりした顔で自分の気持ちを言っていく高枝(たかえだ)さんは、段々と透け始めていた。


「まぁ…やっぱり怖いものは怖いんですけどね…でも、怖いだけで危ない事なんて何にもなかったんですね」

「危ないこともあるんですけどね…でもそれだけじゃないんですよ…」

「はい…それが分かって良かったです…ありがとうございました…」


 そう言って高枝(たかえだ)さんは光になって消えていった。


高枝(たかえだ)さん、成仏したよ」

「え!?ホンマか!?なんで言わんかったんや!?」

「言わないでって言われたから。悲しませたくないんだって」

「そうなんだ…」


 私が高枝(たかえだ)さんが成仏したことを言うと、(まい)が残念そうに声を上げた。それで私が理由を言うと、美和(みわ)が少しだけ悲しそうにした。


美和(みわ)。貴女にとっては残念かもしれないかもしれないけれど、悲しまないでと言われたのなら、泣かないのが良い女性の役目よ」

小夜(さよ)…うん。そうかもね…」

「ま、ここは幸いそう言うんを吹き飛ばす場や!なら楽しまな!」

「えぇ。(まい)の言う通りね。今日初めてまともなこと言ったかもしれないわ」

「今日一番は余計や!」

「はは…そうだね。楽しまなきゃ!」


 小夜(さよ)が悲しんだ美和(みわ)をフォローすると、(まい)が更に元気づける。普段は反対意見が多いのにここぞとばかりに連携が良くとれる二人だなと感心する。おかげで美和(みわ)が元気になったみたいで良かった。


「さって!じゃあ今日は目一杯遊ぼう!」


 そうして私達は閉園までの時間、なにも怖がらずに楽しい時間を思いっきり楽しんだのだった。

第33話を読んで頂き、ありがとうございます!


本当にありがとうございます…!


二週連続で投稿すると言っておきながらこの体たらく…

本当に申し訳ございません。


それでは今回の話ですが、私は遊園地ほとんど言ったことないんで割と想像の部分が多々ありますね。

まぁそれでも皆様に、何となく共感してもらえる部分があればなって思いながら書いてました。

あと、割と小夜ちゃんがはしゃぎ気味になったのが一番良かったですね。

普段クールな子がはしゃぐのって良くないですか?

さて、それでは今回はここまで!


こんなグダグダでもブクマして頂いてる皆様!

そうでなくとも読んで頂いてる皆様!

本当に感謝しかございません!

次回の更新は5/10を予定しています!

……本当に頑張らせて下さい…すいません。

それでは、引き続きお付き合い頂けましたら、至上の喜びになります!

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