第32話 遊園地の雰囲気は人の隠れた部分を少しだけ見せると思う
こんにちは!
明日葉晴です!
予定日ギリギリの投稿に加え、先週は投稿せずに本当に申し訳ございません!
今回は遊園地で遊ぶ回です!
この話はJK’sがワイワイする話をしたかったのから生まれたものになります。
なのに先週投稿しようとしたとこが全然だったのがすべての原因です。
つまりは私の力不足ですね!
てことで本編をどうぞ!
私は昔から幽霊が視える。
「ひぃぃ…」
だから私は幽霊が怖くないからって、幽霊が怖がってるところを視るのはそれも違う気がする。
「これもダメかぁ…」
「ダメなの?」
「ダメなんか」
「そう」
私が高枝さんの様子を端的に伝えると、幽霊が怖くない三人もそれぞれの反応を示すしかなかったのだった。
◯
洞窟を探検するアトラクションを出てきた私達は、次に行くアトラクションを決めながら適当に歩いていた。
「今のもダメだとなると…次どうしよっか」
「冒険もんは普通わくわくするもんやと思うけどなぁ…」
「舞の基準は当てにならないわよ」
「そら盛大なブーメランやんな」
舞が小夜にツッコんだ…!?
私の呟きに舞が自分の感性で話すと、いつも通り小夜から辛辣なツッコみが入った。ここまでは見慣れたものだけど、珍しいことにそこから舞がツッコみ返した。私から見ても二人とも言ってることに同感だけど、私が言っても同じことをツッコまれるだろうから何も言わないことにした。
「それで…次はどうする?」
「そうだね…高枝さんってどんなものが怖いんですか?」
「どんなもの…幽霊とか」
それは高枝さんですって…
「他にも、ゾンビとか妖怪とか暗いとことか虫とか大きい生き物とか宇宙人とか色々ですね…」
「多すぎですね」
怖いものをフルコンプしてるレベルで苦手なものを挙げていく高枝さん。弱点が多すぎる。ここまで広いものに恐怖を感じる人もそうそういないと思う。
「す…すいません…」
「あ、いや…責めてるわけじゃないんですけど…」
そんな私の呟きを否定的に受け取ったのか、高枝さんが申し訳なさそうに謝ってきた。むしろ私としては面白いと思う。一人くらいいれば盛り上がりそう。本人には悪いけど。
今回のメンバーで言えば、幽霊は誰も怖がらないから一人くらいいてもいいと思うんだよなぁ…
「何が怖いんや?」
「怖いと言われそうなもの全般かな。取り合えずオカルトは無理そうだよ」
「饅頭もか?」
「何の話なの…?」
「くっ…これやから…」
私が高枝さんに投げた質問を舞が拾ってきた。その答えをざっくりと伝えるとよくわからない質問をしてきた。それに対して私が純粋に疑問を返すと、何故か舞が悔しそうにした。意味が分からない。
「落語の話だね」
「そうなんだって言う感心の前に、美和が知ってることに驚きなんだけど…」
「おばあちゃんが好きだったからね」
「そっか」
少しだけ寂しそうに、だけど嬉しそうに美和は笑った。そんな美和の表情に、私はなんとも言えない気持ちになったけど、少なくとも美和は悲しい感情だけではないと思う。
「おお!伝わったんか!誰もわからんかったらウチが滑ったみたいになるとこやった」
「大丈夫よ。充分滑ってるわ」
「なんも大丈夫やあらへんよ!?」
「あははっ…!分かり難いからね」
「美和から追い打ち…やと…!?」
美和が理解したことで舞が嬉しそうな声を上げた。しかしそこに小夜がすかさず辛辣な評価を下して、舞が驚く。そこからさらに、美和の外れたフォローが入って舞にとどめを刺した。今日はなんだかいつもよりトリッキーなやり取りが多い気がする。
「仲が良いんですね」
「そうですね。大事な友達です」
「友達はいいですよね。僕もこんなですけどそれでも笑って許してくれる友達がいました」
「私も、幽霊視えるのに仲良くしてくれるいい友達です」
お互いに変わった性格と体質で悩んでるところが通じたのか、しみじみと自分たちの友達に感謝した。高枝さんについては、変わったと言っていいか微妙なところだけど。
「どうしたの?」
「いや、友達に恵まれたなぁって」
「ほんとにどうしたの…?」
「あは…!気にしないでいいよ」
私と高枝さんの会話が気になったのか、美和が不思議そうに入ってきた。私は高枝さんとの会話の内容を端的に伝えると、美和はさらに不思議そうな顔をしてきた。けど恥ずかしいから私はそのまま誤魔化した。
「それよりも次だけど…」
「なぁなぁ。ウチ、アレの存在は知っとったけど、実際乗る人おるん?」
私が次のアトラクションを相談しようとした時、舞が声を上げた。舞の指さす先にあったのは、コーヒーカップだった。正直私も乗ったこと無いし、実物も見たことないかもしれない。
「私は乗ったことない」
「あたしもないかな」
「私は言わずもがなね」
「僕もないですね」
五人中ゼロ。まぁ小夜は遊園地に来たことすらなかったらしいからしょうがない。多分小夜のメイドの舞もだろう。だけど実際乗ったことのある人は少ないような気がする。
「せやったら乗らへん?」
「私は構わないわよ」
「あたしも」
「私もいいけど…」
「僕のことは構いません。楽しんで下さい」
舞の提案に小夜と美和の二人が乗っかった。私は高枝さんの手前言いよどんだけど、それを察したのか高枝さんは許してくれた。
「大丈夫みたい。コーヒーカップ行こうか」
「よっしゃ!ほな行こか!」
そうして、私達はコーヒーカップに向かうのだった。
◯◯
「ぎゃあぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁあぁ!!」
「わははははははは!!!」
公平な組み分けの結果、私と舞のペアと、小夜と美和のペアに分かれた。結果、舞にハンドルを握らせたことによって大暴走。高枝さんは私のそばにいることによって完全にとばっちりを受けた。
「楽しぃなぁ!これ!」
「止めてぇぇぇ!?」
「あばばばば…」
「誰もウチを止められへんでぇぇぇ!!」
私の叫びも届かず、舞は加速を続ける。というか、高速回転するコーヒーカップはアトラクションの安全性として大丈夫なのだろうか。そうして耐え忍んで時間感覚がなくなってきたころ、ようやく止まった。
「はぁぁ!!楽しかったなぁ!」
「む…無理…」
「こ…コーヒーカップってこんな凶悪な乗り物だったんですね…回りすぎて飛んでくかと思いました…」
確かにそれくらい回ってたなぁ…
満足そうな舞に、完全にグロッキーな私と高枝さん。高枝さんは体を震わせて完全に怯えている。てかあれだけ回って平気って、舞の三半規管はどうなっているんだろう。
「やっぱりこうなったわね」
「小夜、わかってたの?」
「ええ。だから組み分けを提案したのよ」
私はてっきりみんなで乗るかと思ったけど、小夜がグーパーによる組み分けを提案してきた。珍しいとは思ったけど、そんな理由があるとは思わなかった。
く…だからか…
小夜と美和がゆったりとした感じで私達に近寄ってきた。そして小夜はどこか確信のある口調で言ってきた。だけどそこにも疑問はある。
「でも、小夜がああなる可能性もあったんじゃない?」
「舞が何を出すかなんてお見通しよ。美和は日頃の行いじゃないかしら」
「わ…私の日頃の行いは悪いと…?」
「悪くはないでしょうけど、美和には負けるでしょ?後は舞のオカルト好きの補正かしらね」
なるほど…納得できる気がする…
私の思った疑問を、満身創痍な私の代わりに言ってくれた。それに対しても小夜はどこか確信めいた口調で説明した。不思議とそれが正しく思える。私と高枝さんは完全に巻き添えだけど。
「私はともかく…高枝さんまで巻き込まれてんだよ…?」
「なんや?幽霊も酔うんか?」
「みたいだね…私も初めて知ったけど…」
私は自分と同じようにグロッキーになってる高枝さんを視ながら、舞の疑問に答えた。
「てか幽霊って乗り物に乗れるんやな」
「うん…なんでかは知らないけどね…」
「透過せぇへんの?」
「しないね…」
確かに言われると疑問に思う。壁とかすり抜けるのに乗り物には乗れる。少し矛盾しているように思う。
「そか…てことは、霊体の座標を固定しているんか…?せやったらすり抜けんても乗ってる風になっとるってことか…?」
私が舞の質問に答えていくと、舞は突然ぶつぶつと呟き始めた。だけど私には全く分からない。どこぞの研究家だったら答えを出してくれたかもしれないけど、残念ながら私には予測することは出来ない。
「だ、大丈夫なんですか?その方は…?」
「あぁ、いつものことだから大丈夫です。放置で」
「そうですか…」
急に呟き始めた舞を心配してか、高枝さんが不安そうな声を上げてきた。まぁ初めて見る人にはよくわからないだろう。
「自分の世界に入った舞は放っておいといて。次はどこに向かうつもりなのかしら?」
「そうだね…コーヒーカップも恐怖を植え付けちゃったみたいだし、もっと優しいとこで見てみたいかな」
「となると…なんだろ?」
トリップした舞を放置して、小夜が方向修正してきた。私はそれに乗って考えるけど、上手く思いつかない。美和も同様に考え込んでしまった。
「あれはダメなの?あの…メリーゴーランド?とかいうものは?別段恐怖を感じるものでもないでしょう?」
「いや…確かにそうだけど…」
私と美和が考えていると、小夜が思わぬ提案をしてきた。確かに怖い要素は皆無だけど、面白いものかも疑問だ。
「まぁ…思いつかないならいいんじゃないかな?」
「それもそうか…なぁ…?」
「考えるより動きましょう?時間は有限なのだから」
「「まぁ、そっか」」
と言うわけで、私達は舞を引きずりつつ次のアトラクションに向かうのだった。
◯◯◯
「うぅぅ…」
……うん。どうした…
「あの…なんでそうなります?」
「だって…こんな細い棒で支えられるわけないじゃないですか…折れて落ちたら怖くないですか…?」
「いや、ないでしょ」
それに幽霊だから落ちないでしょ…
なんでその考えに行くかわからないけど、メリーゴーランドでも怯えだした高枝さん。ここまでくると凄いかもしれない。さっきのコーヒーカップは同意出来たけど、流石にこれは頷けない。怖がりの領域ではない気がしてきた。
「大丈夫ですよ」
「でも…急にこの馬が暴れだすかも…」
「あば…いや、無いとは言えないのかも…?実際、馬も回る奴とかあるし…?」
「ひぃっ…!」
「しまった…」
今度はちょっとまともな予想に私の考えを話すと、高枝さんは怯えてしまった。余計なことをした気分になる。
なんだろ…ものが怖いって言うより、余計な心配が多いのかな…?
大雑把に言ってしまえば過剰なネガティブなのかもしれない。よくそんな発想が思いつくものだとちょっと感心してしまうくらいだ。そんな怯えた高枝さんを横目に視つつ、馬が暴れだすこともなくメリーゴーランドは終わりを迎えた。
「どうだった?」
「ロデオになるタイミングが来なかった」
「何を言ってるの…?」
それぞれ馬から降りて合流すると、真っ先に美和が様子を聞いてきた。私はそれに何も考えずに答えたら、少しだけ私の心配をしたように聞いてきた。
「ごめん、今のは気にしないで。高枝さんは怯えちゃった」
「メリーゴーランドで…?」
「メリーゴーランドで」
「それは…うぅん…」
今度はちゃんと様子を伝えると、美和は驚いたように聞き返してきた。だけど事実は変わらなく、なんとも言えなさそうな表情になってしまった。気持ちはよくわかる。私もどうしてこれで怖がるかわからない。
「意外と面白みがなかったわね。突然上下の速度が変わるとかなかったのかしら」
「ロデオご所望の人がいたよ…」
「なんの話かしら?」
「いや…刺激が欲しい人には物足りないアトラクションだよね…」
ロデオに怯える人いれば、ロデオを望む人もいる。なんとも言えない、誰も得をしないバランスが今ここで取られている。実に不毛だと思う。
そうして、私達は各種アトラクションを回っていくけど、大体のところで高枝さんは怯えてしまうのだった。余談だけど、唯一怯えなかったのは動物ふれあい広場だった。アトラクションと言うかは実に微妙なラインだけど。
第32話を読んで頂き、本当にありがとうございます!
茜ちゃん達の仲の良さが伝わればいいなと思います!
それと思わぬところで美和ちゃんの話を差し込めました。
そのことはいずれ出したいと思います!
あと前回、高枝さんの人間性は普通って言った気がしますが、ちょっと普通じゃなくなりましたね。
と言うことで今回はここまで!
遅れたにも関わらず読んで頂いてる皆さんには感謝が尽きません!
ブクマして頂いてる皆さん!
そうでなくとも読んで頂いてる皆さん!
いつも本当に感謝しています!
次回もお付き合い頂ければ幸いです!




