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第31話 雰囲気を楽しむには雰囲気を作れるメンバーが必須

こんにちは!

明日葉晴です!


今回は二話構成です!

なんでそうなったかと聞かれると、特に理由はないんですが…

気付いたらそうなってたって言うのが一番ですね。

ついでに言えば、今回はJK勢の方がメインなので幽霊の人間性は割と普通です。

それでは本編をどうぞ!

 私は昔から幽霊が視える。


「おぉ!意外にええ作りやな!」

「そうね。思ったより精度が高いわね」


 だから私は幽霊が怖くないし、妖怪とかも平気だ。


「ねぇ…戻ろぉよぉ…」

(まい)小夜(さよ)美和(みわ)の言う通りだよ。戻らない?」


 私は美和(みわ)に同意だ。この面子で来るところじゃない。


「お化け屋敷のスタッフも困ってるから」

「そうじゃないよぉ…」


 美和(みわ)は違う理由で戻りたいらしいけど。


 ◯


 遡ること一日前。


「遊園地のチケットを四人分貰ったのだけれど、(あかね)美和(みわ)、行く気はあるかしら?」


 昼休みに小夜(さよ)が唐突に提案してきた。小夜(さよ)に遊園地っていう組み合わせはなかなか想像がつかないけど、それはとりあえず置いておこう。


「私は全然大丈夫だよ?」

「あたしも大丈夫。行きたいな」

「そう。ならいきなりだけれど明日で良いかしら?」

「「大丈夫」」


 明日って言うのは本当にいきなりではあるけど、私と美和(みわ)は同時に受け入れた。


「よっしゃ!なら明日は遊園地で決まりや!楽しみやなぁ!」


 (まい)は事前に聞いていたのか、とっくに気分は遊園地へ向かっているようだった。


「でもなんで遊園地?」

「お父様が知り合いから頂いてきたらしいの。それで貰ったのよ」

「へぇ…」


 私が小夜(さよ)に質問すると、思いの外普通の回答だった。だけど、小夜(さよ)からチケットを受け取り、その感想を撤回した。


「待って!?これ明日オープンのとこじゃん!」

「ええ。そうらしいわね」


 小夜(さよ)が渡してきたのは明日オープンの遊園地のチケット。オープン一年前から大々的に宣伝していて、遊園地内のホテルも半月で予約が埋まってしまったらしい。もちろん先行予約のチケットもすぐに完売したという噂だ。


「何故!?」

「そんな根源的な質問されても分からないわ」

「いや、これ完売したはずのやつなんだよ?なんで貰えるの?」

「向こうのオーナーと商談で貰ったと言っていたわ。うちも出資することになったらしいのよ。そういう時に配るように取っておいてあるんじゃないかしら」

「次元が違うな…」


 やっぱり小夜(さよ)は普通じゃなかった。遊園地のチケット一つでこれほどまでに一般人との格差を見せられるとは思わなかった。


「遊園地は遊園地よ。そんなに過度な期待はしなくてもいいと思うわ」

「それで済まないと思うから話題になってるんだと思うよ…」

「と…ともあれ、明日は楽しみだね」

「せやせや。肩肘張らんと、楽しめばええねん」


 そういう訳で、私達は遊園地に行くことになったのだった。


 〇〇


 そして現在。開園してから真っ先に来たのがお化け屋敷。誰が提案したかと言えば(まい)だ。ジェットコースターとかを差し置いていの一番に言ってくるあたりは、実に(まい)らしいと言える。


 けど…このメンバーは違うでしょ…


 私は幽霊だろうと怖くないし、(まい)は怖がらずに興味しかない。逆に小夜(さよ)は信じてないから全く怖がらない。美和(みわ)だけは普通に女子らしい反応だ。


「なんやこれ!ぬめっとしとる!」

(まい)、その手で私に触らないで頂戴ね」

「その前に展示物に触っちゃダメでしょ…」

「なんでみんな平気そうなのぉ…」


 (まい)はお化け屋敷のセットを興味深そうにいじって、小夜(さよ)はそれを的外れな注意をした。美和(みわ)が怯えてしまってるので私がツッコむしかなかった。


「なんで美和(みわ)はお化け屋敷ダメなん?幽霊信じとるし、怖ないんやろ?」

「幽霊はいいけど、ゾンビとか妖怪とかは怖いよぉ…」


 (まい)は不思議と思ったのか、怯える美和(みわ)に質問し、美和(みわ)はそれに対して怖がりながら返した。幽霊は大丈夫と言う点を除けば、多分この中で一番女子っぽい感性だと思う。


(あかね)は平気なのね」

「私?幽霊以外視たことないし」

「意外ね。(まい)みたいに信じてるのかと思ったのだけれど」

「んー…信じてないわけじゃないよ?」


 表現し辛いけど、別に私は幽霊以外を信じていないわけでもない。でも視たことないのも事実だ。そういう点は少しだけ小夜(さよ)に似ているかもしれない。


「じゃあなんで平気なのかしら?」

「会ったことないのを怖がってもねぇ…それに幽霊は襲ってこないし、妖怪とかもそうなんじゃないかなって。襲われれば怖くなるかもね」

「それはまた不思議な感性ね」

「幽霊が視えるおかげかもね」

「それをおかげと言ってしまうのが(あかね)らしいわね」


 美和(みわ)(まい)が騒いでいる後ろで、私と小夜(さよ)は雰囲気無視の会話をした。お化け屋敷でお化け怖くないって話は如何なものかと思うけど、私達だからしょうがない。


 うん…やっぱこのメンバーで楽しむところじゃないな…


 小夜(さよ)とお化け屋敷に似つかわしくない会話をしながら、通路に蹲っている人を見つけた。


 あぁ…ああいうのが普通の怖がり方だよなぁ…


 そんな感想を持って見ていたけど、前を歩いていた美和(みわ)(まい)が何故かその人をスルーした。


 え…?ん?


 二人の反応がなかったことに私は疑問を感じてよく視ると、どうやら幽霊っぽい雰囲気を持っていた。薄暗くて遠くからでは全く気付かなかった。


 まぁじかぁ…


 お化け屋敷のリアル幽霊。洒落にならない。とは言え、放っておくことも出来ない。


(あかね)?どうかしたの?」

「あー…うん…なんて言うか…」

「なんや?どないしたん?」

「ななな何!?」


 私の様子をおかしく思ったのか、小夜(さよ)が私に質問してきた。ついでに雰囲気を感じとったらしい(まい)も不思議そうにして、美和(みわ)は緊張がマックスなのか軽くパニックになっていた。


「いや…そこに幽霊が…」

「なんだぁ…幽霊かぁ…」


 幽霊で落ち着きを取り戻した美和(みわ)。それは女子としてはしてはどうなんだろうか。


「なんや幽霊か!?どこや!!?」


 そして逆に興奮し始めた(まい)。それも女子としてどうなんだろうか。


「そう」


 最後に小夜(さよ)のテンションが下がったように見える。みんなの反応の中では一番まともに見えるのが不思議だ。やっぱりこのメンバーでのお化け屋敷は失敗でしかないように思えてきた。


 まぁ…今はそんなこと言ってる場合じゃないか…


「とりあえずここから連れ出したいし、声掛けるね」

「くっ…また視れへんかった…」

「わかっていたことでしょう?」

「せやけど諦めきれへんことだってあるんや…!」


 毎度の事ながら、(まい)の幽霊に掛ける情熱が凄い。(まい)の場合はオカルト全般だけど。


 まぁ…今に始まったことじゃないか…


 私はひとまず三人を置いといて、蹲ってる人の方に向かった。


「すいません。幽霊の方ですか?」


 いつもよりずいぶんストレートな言い方になったけど、幸いお化け屋敷だから違っても勘違いで済むだろう。


「へっ!?幽霊!?どこ!?」


 いや…あなたですよ…


 私が声を掛けたことによって幽霊の人は取り乱して、私の体に抱きつこうとしてすり抜けた。おかげで幽霊なのは確定したけど、そこから宥めるのに時間が掛かったのは言うまでもない。


 ◯◯◯


 お化け屋敷を出た私達は、幽霊の人を連れてカフェに向かった。まだ開園して一時間もしてないのにカフェ内も人がいっぱいだった。なんとか四人席を確保して私達は一息ついた。


「それじゃあ、とりあえず名前を教えてくれませんか?」


 丸テーブルの上に正座している幽霊の男の人に質問した。なんでそこに居座ったのかわからないけど、シュール過ぎて一瞬吹き出しそうになった。小夜(さよ)に視えていたら怒られるだろうけど、幸い私にしか視えないから何も言わないことにした。


「その…高枝(たかえだ)泰斗(たいと)と言います…大学生でした…」


 四人の女子高生に囲まれているからなのか、何故か怯えた様子で自己紹介をした。花の女子高生四人に囲まれてることにそんな態度は納得いかないけど、とりあえず置いておくことにした。


 …まぁ花のってのは言い過ぎかぁ…いや…でもなぁ…


 私はよくて普通だろう。小夜(さよ)は美人だし男女ともに人気があって、高嶺の花だ。美和(みわ)は密かに人気があるのを知っている。(まい)は分からない。話しがずれてしまった。


「私は三葉(みつば)(あかね)。右から高尾(たかお)美和(みわ)常陸(ひたち)(まい)志那崎(しなさき)小夜(さよ)ね。私しか幽霊視れないけど」

「そうなんですね…よろしくお願いします」


 私は簡潔にみんなを紹介した。なんとも不思議な会話に聞こえるかもしれないけど、私達を気にする人もいないだろう。


「とりあえず…なんであんなところにいたんですか?」

「はい…僕はその…見ての通り怖がりでして…」

「あ…うん…なんとなくわかります」


 そりゃ自分も幽霊なのに、幽霊がいることに取り乱したくらいだ。相当な怖がりなんだろう。


「それで幽霊になれば怖がりも治るかなって思いまして…」

「あー…そうなんですか…」


 幽霊になろうと性格に変化があるわけじゃない。真面目な人はそのままだし、変態は変態のままだ。性格が変わらないから苦労することも多いけど、私はそんなみんなが大好きだ。


「でもやっぱりダメで、あそこで蹲ってた次第です…」

「丁寧な解説ありがとうございます」


 一から解説をもらって、とりあえず私はなんであそこにいたのかを理解した。多分だけど、未練もその辺なのかもしれない。これはなかなかに難しそうだ。一朝一夕で何とかなるようなものじゃない。


「なぁ(あかね)…そろそろ何言うてるか話してくれん?ウチも気になるわ」

「そうだよ。なにかお手伝いできることある?」

「あ、ごめん。えっとね…」


 説明を聞いてから私が考え事をしていると、内容が気になったのか(まい)美和(みわ)の二人がそわそわしながら聞いてきた。小夜(さよ)だけは優雅に飲み物を飲んでいる。それはいつものことだから、私は小夜(さよ)の様子は気にせずに、紹介も兼ねて高枝(たかえだ)さんについて説明した。


「幽霊なんに怖がりて、おかしな話やなぁ」

「すいません…」

「性格は変わるものじゃないからね」

「そうなん?突然変異とかせぇへんのか」

「そんなのなったら、幽霊じゃなくて悪霊とか妖怪じゃん…」


 (まい)の呟きに高枝(たかえだ)さんが謝ったけど、私はそれを一応フォローしておいた。


「へぇっ!?よ、妖怪にはなりたくないですよ!!」

「少なくとも、私は幽霊が妖怪になったところ視たことないんで大丈夫だと思いますよ」

「そ…そうですか…よかった…」


 だけどそのフォローによって怯えてしまったから、さらにフォローする羽目になった。なんだこのカオスな状況。話が全く進まない。


「とりあえず、あたし達で高枝(たかえだ)さん…?の怖がりを克服する手伝いをすればいいのかな?」

「あ、うん。高枝(たかえだ)さん。私達もお手伝いさせてもらっていいですか?」

「いいんですか…?」


 流石は美和(みわ)だ。無理やりだけど軌道修正してくれた。私はそれに便乗して高枝(たかえだ)さんに確認すると、高枝(たかえだ)さんは遠慮がちに確認してきた。


「私は幽霊が視えるので、幽霊がいたら手伝ってるんですよ。だから手伝わせてください」

「そうですか…ではすいませんが…お願いします」


 私が改めて手伝いを申し出ると、高枝(たかえだ)さんはやっぱり遠慮がちに、でも丁寧に頭を下げて手伝いを受け入れた。テーブルの上で土下座する形になったのに笑いそうになったけど、なんとか笑顔程度に押し留めた。


 ◯◯◯◯


 一息ついた私達は、次のアトラクションに向かった。


「やっぱりいきなりお化け屋敷はハードルが高いと思うんだよね」


 そんなことを言い出したのは、高枝(たかえだ)さんを除いて一番一般的な感性を持ってる美和(みわ)の意見だ。私は怖いものもあるけど、小夜(さよ)(まい)は怖いものなんてなさそうだから、その辺の意見は望めない。


 てかこの二人が怖がるところを想像できないな…


「な、なるほど…確かにそうなのかもしれません…」

美和(みわ)ナイス意見。高枝(たかえだ)さんも賛成したよ」

「ありがとうございます」


 高枝(たかえだ)さんが素直に感心していることを美和(みわ)に伝えると、美和(みわ)は丁寧にお礼を言った。残念ながら頭を下げる方向は間違ってるけど。


「そか?やっぱもっかいお化け屋敷の方がええんちゃうん?ショック療法っちゅうのもあるやん?」

(まい)はもう一度行きたいだけでしょう?素直に言ったらどうなの?」

「もっかい行きたい!」

「素直になっても行かないから。いろんなとこ見たいし」


 (まい)は相変わらず欲に忠実だ。えらくお化け屋敷が気に入ったらしい。だけど、せっかく初めてきた遊園地なのに同じところばかり周るのは嫌だ。せめて最後にもう一回行くくらいならいいけど。


「そうね。(まい)の趣味に付き合うよりも、いろんなところを見て回った方が有意義ね」

「なんで言わせたんや!?」

「特に意味はないわ」

「ぐぅ…」


 そして私の言葉に小夜(さよ)が追い風となった。そのことに不満たらたらな(まい)が抗議の声を上げたが、小夜(さよ)の一言によって撃沈した。無慈悲に見えるけど、おかげで反対意見は無くなったから私達はそのまま目的のとこに向かう。


「次のとこってどんなとこ?」

「えっと…洞窟の冒険を体験するタイプのアトラクションだね」

「あー…乗り物に乗ってく感じの?」

「乗り物に乗ってく感じの」


 理解した。まぁ確かにものによっては怖いと言えなくもないだろう。そういうタイプもある。ちなみに私は薄暗い空間でも恐怖はないから、ものによっては安眠のアトラクションになる。つくづくホラーと相性が悪いと思う。


「二人は遊園地にずいぶんと詳しいのね」

「詳しいって程じゃないよ」

小夜(さよ)はあんまり来たことないの?」

「そうね。今まで縁がなかったわね」


 なるほど。お嬢様だからこういうところには来ることがなかったのかもしれない。そうとわかれば小夜(さよ)にも存分に楽しんでほしいと思う。


 まぁ…小夜(さよ)がはしゃいでるのは想像できないけど…


 それでも、だといいな、くらいには思う。もしかすると、小夜(さよ)のお父さんもそのあたりを気にして遊園地のチケットを渡してきたのかもしれない。あくまで想像でしかないけど。


小夜(さよ)…うん。なら、今日は目一杯遊ぼうね」

「ええ。たまにはこういうところもいいかもしれないわね」


 美和(みわ)も思うところがあったのか小夜(さよ)に優しく語り掛けると、小夜(さよ)はその言葉を受けて少しだけ柔らかく笑った。その笑顔はいつもの大人びた雰囲気ではなくて、いくらか年相応な笑顔に見えた。


「そうと決まれば、高枝(たかえだ)さんの成仏の手伝いもしつつ、しっかりと楽しもう!同時に小夜(さよ)にも楽しんでもらうよ!」

「おー!」

「お…お願いします…」

「ふふっ…お願いするわね」


 私の掛け声に、美和(みわ)が元気に答えてくれた。それに高枝(たかえだ)さんは控えめに、小夜(さよ)はどことなく楽し気に返事をくれた。


「……ずっと黙っとったけど、ウチは?」

「「あ…」」


 そして珍しく静かになってた(まい)の疑問に、私と美和(みわ)は呆気に取られることしか出来ないのだった。

第31話を読んで頂き、ありがとうございます!


JK勢って言っても、誰かの過去話とかじゃないです。

その辺はまた今度ですね。

そういえばJK勢が遊びに行く話なかったなって思ったのが発端です。

あ、一応コミケはありましたね…

あれを果たして遊びと言っていいかは微妙ですが。

それでは今回はここまで!


ブクマして頂いてる皆さん!

そうでない皆さん!

いつもありがとうございます!

次回の更新予定は4/12に更新します!

引き続きお付き合い頂ければ幸いです!


2020/4/12追記

すいません!

二話構成の予定で締めに入ってたんですけど、書き終わった後で三話構成にすることにしました!

なので更新を一週間遅らせます!

その代わり更新を4/19・4/26の二週連続で更新します!

ほんとにすいません…

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