第15話 遊びというのは幽霊と遊ぶことを前提にしてはない
こんにちは!
明日葉晴です!
私は今まで双子に出会ったのは一組しかいません。
ほんとかどうかは知りませんが、双子の産まれてくる確率は二百分の一だそうです。
なんかで読みました。
ソシャゲのガチャレベルですね。
では、本編をどうぞ!
私には幽霊が見える。
「二人だけだとつまらないよ…稲穂」
「ホントにつまらないね…麦」
今もそこに、双子の幽霊らしき女の子が両手をつないで向かい合っている。
「あれ?あのお姉さん、麦達を視てない?」
「ホントだ。あのお姉さん、稲穂達が視えてるのかな?」
どうやら私が視ていることに気付いたのか、二人そろって私のほうを見てきた。なら私も声を掛けようか。
「ねぇ!君た…」
「「ねぇねぇ!お姉さんって死んでるのっ!?」」
「いや…ごめん。私は生きてるよ…」
〇
それから私は双子ちゃん達の、なんで幽霊が視えるのか、なんで幽霊と喋れるのか、なんで生きているのか等、質問攻めを宥めるのにしばらくかかった。というか、なんで生きてるかは死んでないからとした言いようがない。
「ふぅ…やっと落ち着いてくれた…えっと…質問もいいけど、とりあえず名前聞いてもいいかな?」
「知らない人に名前教えちゃいけないって聞いたよ。お姉さん」
「名前を聞きたいならまず自分からって聞いたね。お姉さん」
「お、おう…」
あれだけ質問しといてそこは突き放すスタイルか…いや、しっかり教育されてる証拠だろう。きっと。
「私は…」
「麦は多々良麦だよ。お姉さん」
「稲穂は多々良稲穂ね。お姉さん」
「おっとぉ…?」
私が名乗ろうとしたら被せるように急に名乗ってきた。さっきまでの姿勢はどうした。
「「クスクス…」」
あ、これからかってんだ。左右対称で口に両手を添えて笑ってる…小悪魔か!
「ん…おほん!私は三葉茜。高校二年生だよ。よろしくね。麦ちゃん、稲穂ちゃん」
麦ちゃんと稲穂ちゃんを交互に見ながら、私は改めて自己紹介をした。
「稲穂は稲穂だよ。小学五年生だよ。茜お姉さん」
「麦は麦だね。小学五年生。茜お姉さん」
「えっ!?あ、ごめん。間違えた?」
え…やばい…全く見分けがつかない…一応名乗った方を見たと思ったんだけどなぁ…
「「冗談だよ。茜お姉さん」」
「ふぇ…?」
息ぴったりにそういうとまた双子ちゃんはクスクスと笑い出した。
くっ…またやられた…でもなんか憎めない…これが小悪魔の力か…
からかわれて笑われているのにも関わらず、なぜだか怒りにつながらなかった。なんでか一瞬考えたけど、双子ちゃんが馬鹿にしているようではなく、純粋に面白そうに笑ってるだけだからかもしれない。
「茜お姉さんって面白いよ。稲穂」
「茜お姉さんって飽きないね。麦」
訂正。馬鹿にしてるかもしれない。でも憎めないのは変わらない。本当に不思議だ。
「ところで、二人はなんでこんなとこにいたのかな?」
「遊んでたらここに来たんだよ。茜お姉さん」
「知らないうちに来てたね。茜お姉さん」
「じゃあ、二人はまだまだ遊び足りないってことなのかな?他にやりたいことがあるとか」
私は暗に未練を聞いてみた。まぁ二人でずっと遊んでたわけだし、最初に詰まらないとも言っていたから、それが未練でもおかしくはないと思う。私の言葉に、二人は顔を見合わせてから同時にうなずいて、それから私のほうを見た。
「「茜お姉さん!遊んでくれるの!?」」
「いいよ。遊ぼうか」
顔を輝かせて見事にハモりながら私に身を乗り出すように双子ちゃんは聞いてきた。私はそれを了承しながら、思った。
こういう無邪気さがあるから、きっと憎めないのかなぁ…
〇〇
ひとまず、道路の真ん中で遊ぶと私一人で騒いでいる変な人に見られるので、神社に移動した。
「茜お姉さん、何して遊ぶ?」
「茜お姉さん、どうやって遊ぶ?」
「うーん…そうだなぁ…」
不味い。二人がなんかやりたいことがあると思ってなんも考えてなかった…
「ふ、二人はなんか遊びたいことある?」
まぁこういう時は任せるのが一番か…
「茜お姉さん、無計画みたいだよ。稲穂」
「茜お姉さん、リードしてくれないみたいだね。麦」
私の苦し紛れの策に、双子ちゃんはがっかりしたように見合った。
「どうしようもないよ。稲穂」
「どうしようもないね。麦」
「えっと…なんかごめん…」
私は申し訳なくなって謝ると、二人は私のほうをチラリと見てから、再び顔を見合わせて頷いた。
「しょうがないからあれをやろうよ。稲穂」
「仕方がないからあれをやろうね。麦」
「「茜お姉さん!缶蹴りしたいなっ!」」
二人は、私が遊ぶと言ったときみたいに顔を輝かせながらそう言った。
〇〇〇
缶蹴りについて、ちょっとだけ二人とルールの照らし合わせをした。まぁ大体は私が知っている缶蹴りのルールと変わらなかった。だけど二人は幽霊のため、ちょっとだけ変則的なルールになる。缶を蹴れないから。
共通のルールは、鬼は逃げる側を見つけるまで円に入らないこと。見つけたら缶を踏みながら相手の名前を呼ぶこと。鬼は二人見つけて名前を呼んだら勝ち。逃げる側は缶に触れたら勝ち。双子ちゃんは缶をすり抜けるのは誤差だ。ちなみに逃げる側が勝ったら鬼はもう一回だ。
変則的なのは開始の時。私が鬼の場合、目を瞑って缶の周りを五回回ってから缶を蹴る。そのあとにその場で五回回ってから缶を探す。
双子ちゃんが鬼の場合、神社の賽銭箱の前で目を瞑ってもらい、私が境内の適当な広さのところにおいて円を新しく描く。そのあと私が合図をしたら二十数えてもらう。
その二つがそれぞれの開始だ。数を数える代わりに、二人に回ってもらう案もあったけど、幽霊に三半規管が機能するか未知数だったからやめた。正直、私のほうが缶を探す分、難易度が高い気がする。
「とまぁ、ルールはこんな感じでいっかな?どう?」
「大丈夫だよ。茜お姉さん」
「問題ないね。茜お姉さん」
「よし!じゃあさっそくじゃんけんで鬼を決めようか!」
「「うんっ!」」
そうして、私達はじゃんけんをして鬼を決めた。最初の鬼は麦ちゃんになった。
「稲穂が鬼になったよ。頑張ってよ、稲穂」
「稲穂が鬼になったね。頑張るね、麦」
間違えた。どうやら稲穂ちゃんが鬼になったらしい。
ホントこの二人見分け付かないな…
「それじゃ茜お姉さん、缶の準備よろしく!」
「稲穂は賽銭箱のところで目を瞑ってるね」
「オッケー!じゃあ準備できたら声かけるからね!」
そうして、私は稲穂ちゃんが賽銭箱の前に行くのを確認したら、缶をもって適当なところに缶をセットした。
まぁ、最初は見つけやすいところに置いとこうかな…
「いいよー」
「はーい!いーち、にーい、さーん…」
さて、私も隠れようかな…
麦ちゃんはもうすでに隠れたようであたりにはいなかった。私も早く隠れないとすぐに見つかってしまう。
とりあえず、そこの茂みでいいか…
参道から少し外れた茂みに入り、木の裏に隠れた。私が置いた缶の様子も、顔を出すと見えるようになっていて、ちょうどいいポジションだ。
ここなら見つかってもすぐに飛び出せるかな…
そんな戦略ともいえない戦略を立てて、息をひそめる。そっと様子をうかがうと、ちょうど稲穂ちゃんが缶の位置にたどり着いたところだった。
「えっと、麦と茜お姉さんはどこだろうね…」
稲穂ちゃんは缶のあたりをうろうろしてあたりを見回していた。
やばっ!こっち向きそう!
稲穂ちゃんがこっちを向きそうになったタイミングで私は木の陰に身を隠した。
こっちに来ませんように…
相手は幽霊だから当然足音なんてしない。近付いてきてるかを知る手段のない私には、鬼が来ないように祈るしかなかった。
「あ、茜お姉さん見っけ!」
「うぉっとぉ!?」
しかし願い届かず、木から体を貫通させながら、しゃがんでいた私を見下ろすように稲穂ちゃんが現れた。さすがに幽霊に慣れている私でも、上半身が木から出てる人を見ればビビる。
…って急がないとっ!
私は急いで立ち上がり、缶を目指す。だけど、ここにきて私の最大のハンデに気付いた。
障害物全部すり抜けるのはずるいな!?
私が木を避けながらなのに対して、稲穂ちゃんは缶まで一直線に進む。障害物が多い林では生身の私は圧倒的に不利だ。
「茜お姉さん見っけ!」
「くぅ…!やられた…」
私が参道に出るのを見計らってか、缶を踏んでるような体勢で待ち構えていた稲穂ちゃんが宣言した。
「クスクス…茜お姉さん、稲穂より足が遅いね」
「いやいや、障害物全スルーには勝てないよ?」
「え…やめちゃうの…?」
私が率直な感想を言うと、稲穂ちゃんは悲しそうな表情をした。きっと、つまらなく感じないか不安に思ったんだろう。
「いや、次は絶対勝つよ!」
「…そっか。でも次も稲穂が勝つね!」
私が続ける姿勢を示すと、途端にうれしそうな表情になった。今回は幽霊の特徴を押さえれなかった私のミスだ。それを幽霊のせいにしちゃいけない。
まぁ何より、本当に楽しそうだしな…
「麦見っけ!」
そんなことを思っているうちに麦ちゃんも見つかってしまったようだ。これで一回戦は終了だ。
「稲穂は見つけるの早いよ」
「麦は隠れるの下手だね」
「よし、じゃあ次は私と麦ちゃんでじゃんけんして、鬼を決めようか」
そして、じゃんけんの結果、今度は麦ちゃんが鬼になった。
「準備いいよー」
「いーち、にーい…」
今度は麦ちゃんの位置から死角になるように、社の階段の脇に缶を置いた。これでちょっとは時間を稼ぐことができるだろう。その間に作戦を考えたい。
多分、麦ちゃんも障害物をすり抜ける作戦を使うだろうから…
私はほどよく飛び越えられそうで、身を隠せそうな崩れた塀を発見した。そのほか、缶の直線状には障害物になりそうなものは特にない。
よし、絶好のポジション…!
周りがほとんど何もないから、見つかりやすくはなってしまうけど、見つかった後の走る条件はほぼ同じになった。これで生身のデメリットはほとんど潰せたはず。いや、生身のデメリットっていうのもなんか変な気がするけど。
「茜お姉さん見つけたよ!」
「なっ!」
麦ちゃんの声が聞こえたけど、周りにはいない。
どっから…!?
そう思って立ち上がって缶の周りまで見たけど見当たらない。
「茜お姉さん、こっち、こっちだよ!」
「あっ!」
呼ばれた方向を見ると、神社の屋根に麦ちゃんが座って手を振っていた。
浮いて上ったのか…!
幽霊はどういう訳か浮くことができる。普通に歩くようにも移動できるけど、意識すると浮けるらしい。どういう原理かは詳しくは知らない。幽霊じゃないから。
「茜お姉さん見っけ!」
私が唖然としている間に、麦ちゃんは缶のところに降り立ち、宣言される。あっさりとつかまってしまった。
「クスクス…茜お姉さん見つけやすいよ」
「いやいや、上から見つけられるのは考えないよ…」
「え…嫌になった…?」
おー…なんて言うか、反応がそっくり。さすが双子…
私は、不安そうなところ悪いけどそっくりなところをちょっと面白く思った。
「全然!幽霊ってのを生かした、いい戦略だよね!次は負けないよ!」
「…いや。次も麦が勝つよ!」
私は稲穂ちゃんの時と同じような態度を示すと、麦ちゃんも稲穂ちゃんと同じように顔を輝かせて嬉しそうにした。
小学五年生って言ってたし、やっぱりこういうとこは年相応だなぁ…
「見つけたよ!稲穂!」
「急げば間に合うね!麦!」
「触らせないよ!稲穂!」
私が考え事をしている間に、麦ちゃんが稲穂ちゃんを接近して見つけたようで、徒競走状態になっていた。最早どっちがどっちかわからない。
「稲穂見っけ!」
熾烈な戦いを制したのは麦ちゃんだった。どうやら麦ちゃんの方が足は速いみたいだ。確かにさっき、稲穂ちゃんは遠くから麦ちゃんを見つけて宣言していたような気がする。
「じゃあ次は茜お姉さんが鬼だよ!」
「じゃあ次は稲穂と麦が逃げる番だね!」
「わかった!頑張って勝つからね!」
私が高らかに宣言すると、二人は顔を見合わせてクスクス笑い出した。
「「頑張って探し当ててみて!!」」
そのあと、二人は少しだけいたずらっぽい笑顔で私を見てそういった。私はそれを宣戦布告として受け取った。
「よし!じゃあ缶を蹴るから、蹴ったら隠れ始めてね!」
「「はーい!」」
そうして、私は五回缶の周りを目を瞑って回ってから缶を蹴り、その場で五回回った。
こ…これ…結構きつい…体力的にも…精神的にも…
計十回回ったことにより、割と目を回してしまった。私は、少しだけ休憩してから缶を探し、定位置に置き直した。
さて…どこにいるっかな…頑張って探し当ててって言ってたし、結構隠れるのに自信があるってことなのかな…?
私はとりあえず、神社の屋根の上を確認。
さすがに二度もいないか…立場は違うけど。しかしまぁ、社の中に入られたら私はお手上げだけど…
よく使わせてもらっているとはいえ、さすがに気安く社の中には入れない。言わなくても入らないとは思うけど、一応言っておけば良かったと思った。念のため携帯のライトを照らし、見える範囲を確認したけどいなかった。
やっぱりそこまで卑怯な手は使わないか…
というよりも、そこまで徹底して隠れられたら一生終わんない気がする。私は二人の良心を信じて林の方の捜索を開始した。
さてさて…どこだろうか…
足音が聞こえないから、もし見当違いの方向に来ていたとしたら速攻で缶に触れられてしまう。だから私はなるべく缶から距離が離れないように慎重に探索していく。
「隙ありだよ!茜お姉さん!」
「しまった!けどまだ間に合う!」
そして、ギリギリ先についた時点で私は一番の難題に気付いた。
………どっちだ!!?
もはや幽霊とか関係なく、双子の長所だ。そして私が迷ったその間に、双子のどっちかが缶に足をすり抜けさせた。
「クスクス…茜お姉さん。惜しかったよ」
悪戯っ子のようにクスクス笑う態度で、今更に双子の言葉の意味を理解した。
探し当ててみてってそういうことか…
「えっと…稲穂ちゃん?」
「麦だよ。茜お姉さん」
「あ、そうなんだ…ごめん」
「いいよ。慣れてるから。茜お姉さん」
慣れてるって言ってもなぁ…
「稲穂!缶蹴ったよ!一回仕切り直しだよ!」
「駄目だったんだね。茜お姉さん」
「うーん…ごめんね。二人の見分け付かなくって…」
きっと間違われるのはあまりいい気分でもないだろう。しかし、いくら間違わないように心がけようと、二人の見分けは今のところ付きそうにもない。
「あ、そうだ。二人とも、そこでじっとしてて」
「「………?」」
二人は不思議そうにしながらもその場でじっとした。しかし、二人の違いを見分けることができなかった。
髪型から足のつま先の向きまで隅々観察してみたけど、違いを見つけることができなかった。
「「クスクス…茜お姉さん、違いは見つかった?」」
「まったくわかんないです…」
「「やっぱり。だって全く一緒だもん!」」
私が観察する様子を見て察したのか、双子は面白そうに言ってきた。
自他共に認めるほどの一緒さなのか…
「「じゃあまた頑張って探し当ててみて!!」」
「よぉし!次は当てるよ!!」
そうして、再度缶蹴りを始める。
さて…次こそは…!
確率は二分の一。視えたとしても正解するかわからない。そもそも足の速さで勝てるかも微妙だ。
あれ?これ私、圧倒的に不利じゃない!?
今更にこの缶蹴りの最大の難点を理解した。私が鬼になった時点でこの缶蹴りはほとんど詰んでいる。逃げる側でもかなり不利だったけど、鬼になった途端にハードルが上がりまくった。その後、何回かやったけど…
「茜お姉さん!隙ありだよ!」
「えっと…!稲穂ちゃん見っけ!」
「麦だよ!」
「茜お姉さん!甘いよ!」
「次こそ稲穂ちゃん見っけ!」
「また麦だよ!」
「今だね!茜お姉さん!」
「じゃあ麦ちゃん見っけ!」
「残念!稲穂だね!」
…………………
………あったんなっ!?こんな当たんないもの!?二分の一だよね!?
数回やったけど、全く当たらない。二分の一のはずがこんなにも当たらない。
「茜お姉さん、全然勝てないよ。稲穂」
「茜お姉さん、全く当てられないね。麦」
「全くもって不甲斐ない…」
私は申し訳なさそうにしていると、二人は顔を見合わせてから不思議そうにした。
「茜お姉さんは、麦達がずるしてると思わないの?」
「茜お姉さんは、稲穂達が嘘ついてると思わないの?」
「え?嘘ついてたの?」
「「ううん…」」
「なら信じるよ。別に、やろうと思えば早口で二人の名前を言えばいいだけだしね」
「「でも…」」
うーん…これはなんかあったのかな…
「私は二人をちゃんと当てたいの。じゃないと勝った気しないしね!」
私は努めて明るく振舞って、二人が安心できるように話した。もちろん本音でもある。そうすると、二人は顔を見合わせてから、私の方を笑顔で見てきた。
「「茜お姉さん、ありがと!」」
「どういたしまして!さてっ!じゃあもっかいやろ!」
「「うんっ!」」
そして私は缶を蹴った後、よく考えた。
見た目に違いはない。それはあの双子も認めてる…ていうことは見た目からは当てることが出来ないと思う。
私はそこまで考えて、見分ける事を諦めそうになった。けど、やっぱり勝つならちゃんと勝ちたい。何より今日は運がない。
そう言えば、あの双子はからかいはするけど完全に卑怯なことはしてないなぁ…足音がないから声さえ掛けなければバレずに缶に近付けるはずなんだけど…
そこまで思ってなにかが私の中で引っ掛かった。
声掛ける…?うーん…あ…わかった…!!
そしてその引っ掛かりを慎重に考えたら、とあることに気付いた。
やっぱり…あの二人はちゃんとヒント出してたんだ…!!
「さて!勝負だよ!」
私はそう意気込んで二人を探す。出来るだけ缶から離れないように、探索範囲を広げていった。
「後ろが空いてるよ!茜お姉さん!」
「出たな!」
後ろから私と同じくらいの距離で声を掛けてきた。私は先に缶にたどり着けるように全力で走った。
きっとこの子は…!
「麦ちゃん見っけ!もうわかったよ!」
「っ!…あーあ…バレちゃったよ」
「さて、後は稲穂ちゃんだ…」
そうして、私は稲穂ちゃんを探した。今までのパターンからすると、麦ちゃんの反対側にいるはず。そして、重点的に探すと、木の裏に隠れてるのを発見した。
「見つかっちゃったね!茜お姉さん!」
「見つけたね!稲穂ちゃん!」
私と稲穂ちゃんは同時に走り出した。最初とは違い、私は草むらだろうが突っ込み、とにかく先に着けるように走った。
「稲穂ちゃん見っけ!これで勝ちだね!」
「あーあ、負けちゃったね」
それを合図としたのか、二人の体が透け始めた。
「もうさよならだよ。稲穂」
「もうお別れだね。麦」
「二人は満足できた?」
「「うん!」」
もしかしたら、二人は誰かに見分けて欲しかったのかもしれない。だからちゃんと判断しなきゃいけない遊びを選んだんだろう。
「「茜お姉さん!ありがとう!さようなら!」」
「バイバイ!」
二人は左右対称的に手を振り、もう片方で互いと手を繋ぎながら光になって消えていった。
楽しかったよ、麦ちゃん。面白かったね、稲穂ちゃん。
私は悪戯好きだけど、フェアな勝負をする不思議な双子を想いながら、神社を後にしたのだった。
第15話を読んで頂き、誠にありがとうございます!
前回も姉妹でしたが今回は双子の姉妹でした。
前書きの通り、私は双子、一卵性双生児には一組しか会ったことがないです。
ホントびっくりするくらい似てましたね。
昔の話ですが、今でも覚えています。
さて、今回はここまで!
ブックマークして頂いてる皆さん、そうでない皆さん。
いつも読んで頂き、ありがとうございます!
次回は9/8予定です!
またお付き合い頂ければ幸いです!




