第八話
「すぐに連絡が来るはずなのに、全く連絡が来ない」
亮は一人で焦っていた。それも、学園内から煙が上がり始めたからであった。
「そんなことで焦っても仕方ねぇ――だろ。指令長からの連絡を待つしかないんだよ」
「そうよ。あんたがくよくよしたら、私たちはどうなってしまうかわかっているの?」
「ごめんよ。隊長である俺がしっかりしないとな。とりあえず、待機しないと」
「そんなことしている余裕はないと思うんだけどな。僕は今でもどうにかする必要があると思うし」
直哉はマウンテン学園の校舎を指しながら言った。
「そういえば、この機体には自動制御が付いていたわよね。それを使って、飛び降りるしかないわよ」
美優はすぐに飛び降りられるようにパラシュートを付け始めた。
「やっぱりこの手しかねぇ――のかよ。本当に災難だな、おい」
続いて基裏もパラシュートを装着。その後、全員がパラシュートを付けた。
「どうやら、緊急時のようだから、このまま飛び降りるぞ。武器はあとから降ろされるようにセッティングしてあるから。それじゃあ、俺に続け――」
亮はコックピットのドアやその他のドアを自動操縦の時には閉まるようにセットして、五人の前に飛び出した。
「しばらくの間、心身を使っての通信となるから。思ったことをすべて読み取られるぞ」
「そんなことわかっているさ。俺らを誰だと思っているの」
基裏は亮に親指を立てて、合図した。その後、真理亜と美優と直哉の順で飛び降りた。
「そうですわ。わたくしたちは訓練はしっかりしてきたのですから」
「今頃になって、話し始めたわね。さっきまで上の空だったのかしら」
「そうですとも、まさか飛び降りることになるなんて予想などしておりませんでしたの」
楽しくはなしているとき、周りの景色を見た直哉が驚いていた。
「なんだろう。榛名山や赤城山、妙義山の上毛三山と浅間山が見えるじゃないの」
どうやら、美しい山を見て、今や線上にいることを忘れそうになる直哉であった。




