7.専門用語(テクニカルターム)~電脳世界・電脳技術関連~
5.電脳世界関連
○超現実仮想空間
幻幽都市で言うところの仮想世界の事を言います。五千万の仮想空間と呼ばれる空間ブロックが集合して形成されている世界です。
幻幽都市の人々からは、現実世界と並ぶ『第二の世界』との認識を持たれています。中には現実世界での生活を捨てて、意識だけを保ったままこの世界で過ごそうとする者もいます。生命保険、金融口座、医療福祉関連の個人情報の多くが管理される世界でもあり、それらは超現実仮想空間内に存在する電子倉庫と呼ばれる、堅牢な仮想ファイルの中で保管されています。
○仮想空間
超現実仮想空間を構成している仮想情報が詰め込まれた空間ブロックのことを指します。超現実仮想空間は、この仮想空間が五千万ブロックも寄り集まって成り立っています。つまり、一つの世界が、五千万の国や地域で構築されているという事に相当します。
○サーキット・チップ
量子脳理論をベースに、機械性ナノマシンで造られたチップです。このチップを脳に移植することで、脳を電脳化することが出来ます。電脳化技術が確立されたころはコストがかかり、手術には多額の費用がかかりましたが、2040年代にもなると、二十~三十万程あれば誰でも手術を受けることが出来るくらい、非常に身近な存在になりました。
○ヌメロン・コード
超現実仮想空間、ひいては仮想空間を構成している最小単位のコードです。人間で言うところの『遺伝子情報』に当たるヌメロン・コードは、幻幽都市最大のデータ管理機構であるヴェーダ・システムによって緻密に設計されており、基本的に外部の人間が手を加えることは出来ません。ただし、確率は低いですが、何らかの方法でヴェーダ・システムに干渉すれ方法も見つかっています。もちろん、そのような手段でヌメロン・コードに干渉した場合、これは重犯罪となります。
○量子構造体
超現実仮想空間に存在する構造物の総称です。ヌメロン・コードに則って設計されています。車やビルといった、現実世界にもあるような物体から、ドラゴン等の神話上にしか存在しない幻獣種なども設計されています。
○没入
一般的には、超現実仮想空間に突入する行為の事を指します。
○電脳端末
超現実仮想空間に没入する際に、絶対に必要となるスマートデバイスです。コネクタ部を脳神経回路への接続口に挿入し、もう片方の端部に収まっている有線を操縦席の差込口に刺すことで、仮想の世界へ旅立つことができます。
○操縦席
超現実仮想空間に没入する際に必要となる機材の一つで、多くの精密電子部品が内臓された背もたれつきの椅子です。見た目は、歯医者で使われるユニットと呼ばれるリクライニング機能のついた椅子に良く似ています。
○情報体
超現実仮想空間でのみ活動が可能な、電脳ユーザーの仮の肉体です。電脳端末から電脳ユーザーの肉体データを読み取り、量子変換して造られています。電脳ユーザーは超現実仮想空間においては、この情報体を操作して活動します。ただし、量子変換されるのは電脳ユーザーの肉体のみで、現実世界で身に着けている武器等は反映されません。
○中継点
超現実仮想空間に降り立った際、電脳ユーザーが最初に訪れることになる地点の事を、中継点と言います。中継点は各施設に置かれている操縦席毎に仮想のアドレスが割り振られており、使用する操縦席毎に中継点は異なっています。
○電子倉庫
幻幽都市における個人情報管理には、数多くの方法が存在します。その中でも近年特に普及しているのが、電子倉庫を使った個人情報管理です。生命保険や銀行等で多く利用されており、財産を電子データ化して仮想世界で管理するために、電子倉庫は造られました。
○仮想地図
超現実仮想空間、仮想空間の地図です。没入した際に、自動的に情報体に付与されてきます。