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5.専門用語(テクニカルターム)~種族・生物関連~

3.生物関連


●ベヒイモス--Behemoth


 デッドフロンティアに君臨する異形の怪物達の事を指します。その正体は大禍災(デザストル)の影響により、突然変異を余儀なくされた動植物の成れの果てです。性格は凶暴なのが大半で、デッドフロンティア内で人間を見つけると容赦なく襲いかかってきます。

 体躯の大きさと周囲へ与える影響力を考慮して、レッサー級、ガレオン級、ノーチラス級の三種類に分類されています。

 彼らは基本的にデッドフロンティア内から外へは出ませんが、元日になると人里へ進撃して街を破壊するという奇妙な性質を持っています。

 額に紅く輝く宝玉が嵌め込まれており、これがベヒイモスと有害獣(ダスタニア)を見分けるポイントになります。

 現在、デッドフロンティアには二百三十七種類のベヒイモスが生息していると言われています。生態の多くが不明ですが、雑食性であることは分かっています。人間の肉からデッドフロンティアに自生する木々の皮、果ては鉱物まで食べる種もいます。

 特殊な消化器官を有しており、摂取した食物からエネルギーを大変効率良く取り出す事が出来ます。これにより、ほぼ一カ月餌を口にしなくとも生きる事が可能となります。一匹一匹の凶暴性やパワーはケタ違いに高いですが、繁殖力はそれほどでもありません。




●小型三ツ首犬--Puppy Cerberus


 普段は幻幽都市の人間にとって脅威となるベヒイモスですが、種類によっては飼い慣らす事の出来るものもいます。その代表格と言っても良いのが、小型三ツ首犬(パピー・ケルベロス)です。

 その名の通り三つの首を持つ犬で、三つの首それぞれに脳があります。それぞれが睡眠欲、食欲、性欲の三大欲求を司り、朝昼晩それぞれの首が、代わりばんこに遠吠えを上げます。

 戦闘力は低いですが、その愛らしい風貌から幻幽都市に住む上流階級の人々からは愛玩犬として親しまれています。





●有害獣--Dustania


 ベヒイモス程の凶暴さと不気味さは有しませんが、人々の日常生活に迷惑をかける動植物もいます。それが有害獣です。ベヒイモスの亜種とされており繁殖力は高いですが、凶暴性はそれほど高くないのが殆どです。有害獣の多くはゴーストタウンと化した土地や建物を根城にしている為、復興が進んでいない一部の街で良く見られます。特に合成野犬等は東部地域の路地裏を好んで寝倉に選んでいます。

 近年、幻幽都市内では有害獣(ダスタニア)を躾けてペット化させるのが流行っています。特に人気なのが、三首の小型(パピー)ケルベロスで、定価二百万円で取引されています。





●奇紋蝶--Aroma Bat


 有害獣(ダスタニア)の一種で、七色に光る羽を持つ夜行性の蝶です。彼らの主食は『光』であり、頭部から生えた三本の触覚で光子を吸収し、それを栄養分に変えています。

 また、繁殖期になると、オスはメスを引き付けるために全身から虹色の鱗粉を放射します。この鱗粉は命がけの行為であり、引き寄せられたメスと半ば無理やりに生殖行為に及んだあと、オスは光の粒子となって死んでしまいます。

 この繁殖行為の時期は6~7月で、その時期になると、街中に存在する全ての奇紋蝶(アロマチョウ)が、一斉に鱗粉をまき散らすのです。その様はオーロラに勝るとも劣らない程に幻想的で、ナイトウォッチングの対象として大変な人気があります。

 飼育する事も出来ますが、一日中光を当ててやる必要がある事。また、光を当てすぎると逆に繁殖能力を失って衰弱してしまう為、素人には飼育が難しいとされています。





●ジェネレーター--Generator


 またの名を、異常能力発現者。大禍災(デザストル)発生以降、幻幽都市の各地でその存在が確認された超能力者の総称です。科学的に説明不可能な、物理的・精神的超常現象を人の身で行使することが出来ます。

 彼らが何故、人知を超えた力を獲得するに至ったかについては分かっていません。大禍災(デザストル)の影響を受けて体組織が変化したのが要因の一つであると唱える学者もいますが、あくまで仮設の域を出ていません。

 各々のジェネレーターの能力は完全なオリジナルではなく、同じ能力を何人もの人間が宿しているのが確認されています。中でも多いのが、発火能力者と肉体強化能力者です。但し、同じ能力とはいえ、能力行使に必要となる条件や能力の強さなどはピンキリです。

 蒼天機関はジェネレーターが都市に与える影響力を考慮して彼らのランク付けを行い、危険度の高い人物と低い人物とを選別しています。このランク付けの際に必要となるのが『正能解図』と呼ばれるパラメーターリストで、破壊強度、発動時間、応用性、効果範囲、未知数の五つの要素から成り立っています。

 ベヒイモスと並んで幻幽都市の脅威的存在と見なされており、ジェネレーターの力に溺れて犯罪を犯す者も少なくありません。また、こうした犯罪に手を染めるジェネレーターに対抗するために、蒼天機関も有能且つ正義心に溢れた在野のジェネレーターを多数雇っており、重要な戦力となっています。





●未生物 


 大禍災の影響を受けて、体細胞が変質した人間の総称です。『変質した人間』という点ではジェネレーターと同じですが、彼らとは異なり、物理的・精神的現象を操作する術は持ち合わせていません。

 その多くは、人間とは異なる生命体(例えば、鶏や牛などの家畜類)などに肉体が変質したものの、言語野や感覚野は人間のそれと同等レベルの機能を宿しているのが殆どです。

 未生物は人間だった頃の記憶を殆ど失ってしまう傾向があり、酷い場合には自分の名前さえ思い出せない者もいます。

 未生物は、その体型や運動機能により、いくつかの種別に分類されます。例えば、背中の骨が変質して巨大な殻となった者を、劇中では『蝸人(かじん)』と呼んでいます。

 見た目がおぞましく、グロテスクな者が多いため、都市新法が整備される前は迫害の対象となっていました。





●人造生命体--Homunculus


 亜生物工学(オーク・エンジニアリング)という、人工生命体創造工学を駆使して造られた生命体です。

 一般的には、人間の手で造られた人間を人造生命体(ホムンクルス)と呼ぶ傾向が強いですが、人間の手で造られた生命体を広義の意味でホムンクルスと呼ぶ者もいます。





●アンドロイド・ガイノイド--Android/Gynoid


 幻幽都市に存在する、人間に似せて製造された機械人形の総称です。一般的には、男性型をアンドロイド、女性型をガイノイドと呼んで区別しますが、幻幽都市では両者をひっくるめて、アンドロイドと呼ぶのが一般的な習わしとなっています。

 その開発には多額の資金が投資され、初期のアンドロイドである《ガラテイア・シリーズ》をロールアウトした《ピュグマリオン・コーポレーション》という大企業が、今も最新型のアンドロイド開発をけん引しています。

 アンドロイドの体は生物式ナノマシンと機械式ナノマシンの複合体で構成されており、皮膚には特殊な金属繊維が使われています。人間で言うところの大脳や意識に当たる部分は人工魂魄(ノウアスフィア)と呼ばれるモノで代用されています。人工魂魄(ノウアスフィア)は計算領域と非計算領域の相反する二つの性質を併せ持ち、感覚質の獲得及び認識パターンの習得のみならず、高度な学習アルゴリズムも搭載された物体です。その作成方法はトップシークレット扱いされており、一般人が人工魂魄(ノウアスフィア)の持つ謎や秘密について探っても、ガセネタつかまされて終わってしまうと言われています。

 アンドロイドは大きく分けると、『旧式』と『新型』の二種に大別されます。その一番の違いは、『明確な感情の発露があるかないか』です。

『旧式』のアンドロイドは人の感情は理解できるものの、自分の感情を表に出すための回路が無いため、喜怒哀楽を表現することが出来ません。劇中に登場する、エリーチカ・チカチーロが、この『旧式』アンドロイドに相当します。

 対して『新型』のアンドロイドは、人の感情を理解する事はもちろん、『感情に似た何か』をシュミレートすることで、喜怒哀楽を表現することが出来ます。

 これらの事情から、現在主流となっているのは『新型』のアンドロイドです。それらはキャバクラや風俗店はもちろん、受付のオペレーター等の、『高度な専門技術の習得を必要としない』仕事に当てがわれています。

 初期の頃に製造された『旧式』のアンドロイドの中には、蒼天機関(ガルディアン)が主導する土地開発を邪魔してくる悪党を撃退する役目も担っていたため、《全兵装機構(オールレンジ・ウェポン)》と呼ばれる攻性装備を宿しているのもあります。

 しかし、現在ではジェネレーターの数が増え、蒼天機関の戦力も大幅に強化されたことから、そういった機能を持つアンドロイドは悉く廃棄処分にされました。

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