おまけ.その後の続報
あのメール事件から数年後のある日。夕食を食べ終えた私は次の日が仕事が休みなのを思いだし、ゲームをしようと自分の部屋へ向かう為にリビングを出た。
するとそこへ仕事から帰ってきた姉に会った。
「おかえり」
「ただいまー。あ、そうだ。今日はビッグニュースがあるんだ~」
「ビッグニュース?」
「何年か前に届いた疑惑のメール関連のやつ」
「えっ、マジで !?」
疑惑のメールっていったらあの将先生が誰かと不倫してるかもしれないメールのことだよね? 一体何が起きたっていうんだろう。
「リビングには誰かいる?」
「いないよ。お父さんは夜勤でいないし、お母さんは今お風呂に入ったところ」
「じゃあ、今がチャンスだね! もう早く言いたくて言いたくてさぁ~」
姉は私を手招きしながらリビングへと入っていく。
う~ん、ゲームをやる気分だったんだけどなぁ。まぁ最近新しいソフトを買ってなくてクリアしたゲームを何度もやるしかなくて飽きてきたとこだし、話を聞こっかな。
私は姉の後についてリビングへ入った。
リビングに入り、姉は母が作っておいた夕食のおかずをテーブルに並べる。
「ビッグニュースなんだけどさぁ、将先生、離婚したんだってー」
「……えぇっ !?!?」
将先生が離婚しただって !? ビッグニュースすぎるよ! ってか将先生って今年の4月に転勤したよね? まさか――!
「将先生が転勤したのってそれが関係ある?」
「いや、それは離婚する前から決まっていたらしいよ」
「そうなんだ。でも将先生ってお子さんいるよね?」
「いるよ。なんか前から一番下のお子さんが成人したら離婚することを決めてたんだって」
「わー、そうだったんだ……」
前から決まっていたなんて……複雑だわー。
「で、不倫相手なんだけど雪華先生じゃなくて、外部指導の先生らしいよ」
「えぇー !?!?」
ビッグニュースって1つだけじゃないんだ! 離婚だけじゃなくて、不倫相手まで分かっちゃってるなんて――どっからそんな情報を仕入れたのか不思議だよ。
「しかも外部指導の先生、羽宮市でアパート借りて定期的に那稜高校吹奏楽部の指導に行ってるらしいよ」
「えっ、羽宮市ってたしか将先生が住んでるよね?」
「うん、そうなんだよねぇ」
うは~、怪しすぎるよそれ。その先のことを考えたら……ひぃ~、やっぱり恐ろしすぎて考えたくないよ。
「結婚するかまでは分からないけど、こんなことが身近に起きるなんてなんかすごいよねぇ」
「ホントそうだね」
まぁ、そんなビッグニュースを仕入れることができる姉の情報網もかなりスゴいんだけど。
「でもさぁ、奥さんけっこうショックだっただろうね」
「そうだよね。外部指導の先生って将先生が瑠弥玄高校で吹奏楽部の顧問としていた時の生徒だったんだもんね。まさかその教え子に旦那を奪われるとは思ってもいなかっただろうし」
ある意味、ドラマとかでありそうな「教師と生徒がいけない恋をしてしまう」展開だよね。
あの疑惑のメールが来るまではそんなことは絶対に身近じゃ起きないだろうと根拠もなく思っていたけど……こういうのって意外と身近に潜んでいるものなんだね。
私は改めて昼ドラ的なことは、ぼっちやモブだろうが関係なく起こるときは起こるものなんだと思った。
読んで下さりありがとうございます!
この小説に登場する人物、学校、地名などは全て架空のものであり、実在するものとは一切関係はありませんので悪しからずご了承下さい。