どうするべき?
待った待った待った! 「お疲れ様 愛してるかな」ってマジ? ウソでしょ? 夢であってほしい……。
私は手の甲をつねる。……痛い。夢じゃない、現実だよ。
はっ、もしかして数日前に友達が言ってたあの浮気に関係したメール !?
全身にぞわっと鳥肌が立ち、私は文字通り固まってしまった。
……どどどどうしよう! とりあえず童顔に女性の魅力のない私に宛てられたメールじゃないはず。
えーっと、時間的に先生はもう家にいるはずだから、わざわざ家にいる奥さんにメールを送るなんてしないだろうし。……となるとやっぱり浮気相手 !?
再び全身に鳥肌が立った。もし雪華先生宛だったら、もし外部指導の先生宛だったとしたら……あわわわ、恐ろしすぎる!
ここは那稜高校吹奏楽部OGでもある姉に相談しよう。そう思い、姉を見る。しかし姉は母と話をしていて無理だ。どうしよう。
仕方ないので私はない頭でこのあまりにもイレギュラーな事態に対する対処法を1人で考えることにした。
悩みに悩み、私はなんとか頭の中に3つの選択肢を捻り出した。その選択肢は、
①「先生、送り先間違ってますよ~」と教える。
②「はい、私は自分のパートが大好きです!」と返す。
③何事もなかったかのように無視して先にきたメールの返信をする。
……やっぱりここは無難に③がいいよね。
私は先にきたメールの返事を考えることにした。しかし、あの衝撃のメールが頭から離れず、かなり苦労しながら返事を打たなければならなかった。
××××××
数日後、姉と2人きりで話せる時間ができたので、あの衝撃のメール事件を話した。
「えっ、ウソ……えぇっ !? これ本当に?」
「うん……」
「返事はどうしたの?」
「あのメールに対する返事はやめておいたよ」
「そ、そう。それで良かったと思うよ。あぁ~、まさか将先生がそんな……。そういえば吹奏楽部の掲示板に『この不倫教師が!』って昔書き込まれた事があるらしいよ。まぁ、すぐに削除されたみたいだけどね」
「うわぁー、マジかぁ。……ねぇ、このことを誰かに言ったらマズイよね?」
「マズイよ! ってか残りの高校生活がどうなっても知らないよ?」
「……わかった、言わないでおく」
私は平穏な高校生活を送るために誰にも言わないことを決意した。
読んで下さりありがとうございます!
このお話はあらすじにもある通り、登場する人物、団体は実在する人物、団体とは全く関係ありません。
――が、全てがフィクションでもありません。
もし皆さんの身にこんなことが起きたら……あなたならどうしますか?