~貳枚目~
仕事がなくニートな大地の元に一つの分厚い白い封筒が届いた。その白い封筒の宛名を見ずに大地は封筒を開けるとそこにはシステム手帳が入っていた。
そして大地がその手帳を徐に開くと自分の部屋にいた大地は全く別の空間の白一面に囲まれたところにいた。
そこに現れたのは、綺麗な男が大地に向かい歩いてき「どこに向かう?」と聞いてきた。よく、聞いてみると、大地が手にしたノートはF.Bノートというタイムマシンであることを聞かされたそして大地の目の前にいる綺麗な男こそがこのF.Bノートの守護神シェルだと………。
そして、大地はF.Bノートで一体どこに旅立つのだろうか……?
シェルは大地に手を差し伸べながら大地に聞いた。
「貴様が旅したい所はどこだ?」
すると、大地は何かを思い出し上を見ながら虚ろに答えた。
「ひかり荘・・・・・・・・・・。」
「ひかり荘?その場所の何時に行きたいのだ?」
シェルにそう聞かれた大地は口から知らずに零れ落ちていた。
「1991年7月7日」
すると大地はふと正気に変えり、シェルを止めた。
「っと!その前に!!F.Bノートって何?タイムマシンとか上っ面のこと言われても全然分かるわけないじゃん。」
大地がシェルに喰いかかるとシェルはこのF.Bノートの説明を大地にし始めた。
「よかろう。お前はこれからこのノートの所持者になるんだからな。ルールぐらい教えないとな。」
といい大地にシェルが近づいてきたすると、長々と覚えきれないような規律を喋り出した。
「第一条 このF.Bノートはタイムマシンとは少し違う。第二条 所持者の言うことは絶対。
第三条 F.Bノートは名前の通り過去にしか行けないが自分だけでなく他人の過去にも行ける。
第四条 F.Bノートは過去と関係する場合のみ自分の夢・他人の夢の中に介入できる。
第五条 F.Bノートには未来に行く為のもう一つのノートと鍵が存在する。
第六条 過去に行く際、過去にいる自分にあってもこのノートの事を内密にすること。
第七条 過去の事件事故に巻き込まれない様にするそうしなければタイムパラドックスが起きるため。
第八条 過去で長期間滞在する際守護神シェルを傍に置いておく事。 と以上。」
シェルが喋り終わると退屈そうに大地が待っていた。
「あ・・・・・あぁ終わった?」
「終わった?じゃないですよ!!!なんですか?!ちゃんと聞いていらっしゃったんですか?」
シェルは大地に詰め寄るように怒ると大地は、
「聞いてたよ。いっぱいルールがあるんだろ?」
「まぁそうですけど・・・・・・・内容は?」
「そんなに大切ならその時に思い出すんじゃないのか?」
シェルは確かにと大地に丸め込まれながら大地の言った行き先へ向かう準備をすることにした。
「よし、なら今お前が持っているノートにこのペンで行き先と年月と日付を書いて閉じておでこに当てろ。」
と言われシェルの言う通りにすると、大地の後ろの背景が入れ代わり立ち代わり変わるのが分かったが体の身動きが取れなくやっと身動きが取れるようになったと思うと大地の目の前には【ひかり荘】の文字が大きく書いてあった…………。
「ここが……僕が拾われた場所………。」
すると、シェルが大地に忠告した。
「この時代の人に自分の事をあまりしゃべらないこと・この時代の事件に介入しないことどちらも『タイムパラドックス』が起きるのでな……わかり申したか?」
「あぁ………」
シェルはF.Bノートの中から大地に忠告したが大地は虚ろに返事しながらひかり荘を見上げていると大地の後ろから誰かが声をかけてきた。
「あなたこのひかり荘に何か用?」
声がしたので大地が振り返るとそこには一人の長い黒髪の女の人が買い物袋を抱えながら大地の方を見ていた。
「あぁ……」
大地は急に声をかけられたので咄嗟の嘘も思いつかず少し固まっているとその女は大地に喋りかけた。
「何か用があるんなら上がっていけばどうですか?ひかり荘は困っている人を見捨てたりするそんな薄情なアパートじゃありませんよ。」
といいひかり荘の門を開けると、女が中に入り大地に向かって、
「どうぞ。」
「あ・・・・・・・ありがとう。」
すると、女はひかり荘の中へ大地を案内した。
大地はひかり荘の周りを見渡すと確かに大地が幼い頃育った時の感じに似たひかり荘の風景と似ていたがどこか違っていた。
それは、大地自身がこの時代に来てしまったからなのだろうか……?と大地が女について行きながら悩んでいると、女はひかり荘の玄関前で止まった。
「あっ!そうですね。名前聞くの忘れていました。お名前は何さんとおっしゃられるのですか?」
「あぁ……だ・・・・・っそうた!そうた。野越そうた。」
大地はもう一人の自分に逢うのを察知し女に偽名を使った。
すると、女は大地に、
「そうた君ね~よろしく。私は夜深星なんですよろしく。」
「よろしくです。でも俺ここに住むなんて一言も……だからよろしくなんて一時的で……」
「そう?私はあなたとはとても長い付き合いになりそうな予感がするのだけれども?それは違うかしら?」
この時の大地には星のこの言葉がとても理解でき出来なかった……が、この13時間後その言葉を大地は思い知る事となってしまった・・・・・・・・・・・・・。
「まぁとりあえずリビングでお茶しましょう。あなたといろいろ話したいですしそれにもうすぐお昼の時間で他の住人が降りてくるでしょうですし………ね。」
「わ・・・・・・・・わかりました。夜深さん!」
「はい?あぁ~それと私の事は“夜深さん”ではなく“星さん”でいいですよまたは管理人さんでも。」
と言われた大地はその時星に自分の母の姿が薄ら重なった………。それを見て大地は当時母親を読んでいた愛称が思わず大地の口から出てしまった。
「………。」
大地から出た言葉に少し驚いたがすぐに表情を変え星は大地に、
「それではそちらの“あーたん”で私を今後呼ばれるんですか?」
「い……いやこれは!呼ばないです!星さんでいいですよ!!」
と大地は星に訂正し恥ずかしそうに下を向くと星が大地に、
「それに、あなたも行くところがないのならばここにいていいですよ。この辺で見ない顔ですし行き場所なさそうな悲しい顔をしていますよ。」
「まぁ・・・・・・・・ないですけど。」
「ならくぐりませ~この“ひかり荘”の玄関を・・・・・・!!」
そして、大地は星の言葉に導かれるようにひかり荘の玄関をまたぎひかり荘の中へ入った。




