デジャブ
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「オーマイガー!!!デジャブ!!!」
朝一番にキッチンで大声で叫んだのはみずほだった。
何故なら朝起きると既に朝食ができていた。時計を見るとまだ6時···昨日よりも30分早まっていた···今日は幽霊や人形の問題は解決したのでは?と思っていたみずほだったが考えを甘かった。なぜなら目の前にいるエルフがげっそりした様子で「俺の部屋って何かある?」と質問してきたからだ。
また王弟?と瞬時に理解した。
「特に何も無いけれど、今度は王弟君は何て言ってたの?」
「壁にかけられた絵は動き出すとか、蜘蛛を見つけたら助けるようにとか···師匠が散々騒いで眠れなくて、さっき師匠が寝たところです。」
「はあ?朝まで起きてたの?」と思わず驚きの声を上げた。
はいと力なく答えるエルフ君、、、あの王弟はかなり面倒だと何度も思った。昨日は朝から散々説明をしたけれど、その後は昼も夜も大変だった。無駄な知識があるせいで、ニンニクのチューブを見せると「ドラキュラはニンニクが苦手ですよね?」
マヨネーズを使っていると
「まさかのマヨーラーですか?私と一緒だ!!!」
お風呂では
「入浴剤を使わないのですか?私は柚乃香が好きです。」
「風呂上がりはフルーツ牛乳がほしいな」など思いついたことをいちいち全部言ってくるので本当に面倒だった。
全部ツッコミを入れると先に進めないので、途中から無視したけれど、それでも止まらなかった···
ハァ〜と昨日のことを思い出し、ため息を吐いた。
王弟が起きたらまた説明か〜と思うと朝から疲れを感じた。
それから昼頃起きた王弟にもう一度説明し、、、竜人国から神獣の森に戻ってきたメンバーは物凄く疲れる、そして恐怖の日々を過ごすのだった。
今回約2日間は王弟君の相手をするだけでほとんど料理は出来なかった。毎日毎日いろんなことに疑問を持ち1つ1つ聞いてくれる姿勢は好ましかったが、、、その影響で全員が王弟君の話に耳を傾け、『お化け·幽霊·食べ物』に対して異常な興奮を見せた。
食べ物はまだ良かった。まだ皆が食べたことない物を披露するだけでいいからだ。それに対してお化け·幽霊に関してはみずほ以外全員が話を信じてしまった結果···夜眠れない、1人ではトイレにいけない、暗いところが怖いなどなどいろんな方面に悪影響をもたらした。
「あの黒い塊に幽霊がいる。」
「雨戸が揺らされてます。きっと幽霊です」
「階段が動いたぞ」
などなど本当に皆が怖がってしまって大変だった。
みずほも子どもの時は皆と同じように幽霊が怖かったが、年齢が上がるにつれて現実を知り怖くなくなった。
大人になって『怖さ』を知ると大変なんだなと思わされた···
マイホームに戻ってきて安心したがやっぱり疲れたみずほはヤケクソを起こし、3日目の夜に1度竜人国へ転移するのだった。
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