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53.王弟は泣き虫の大男

読んでくださりありがとうございます!



皆で王弟が起きるのを待っていると、国王陛下が急に話しだした。


「俺の弟がこんなに感情を表したのは異世界から連れ戻されて大泣きした以来だ。」


「どういうこと?」


「弟は神のせいでいっとき異世界に連れて行かれて、、、たまたま連れて行かれた先が日本だった。その日本が素晴らしく楽しかったらしくてな、、、居なくなった弟を必死に探して連れ戻したのだが、それに対して怒って泣き叫んだからな。(笑)日本が物凄く楽しかったらしい、、、それ以来俺達は沢山弟から話を聞いて異世界の日本(日本人)を勝手に好きになっていた。」



「そんなに期待されても何もなかったでしょう?」

創造神から聞いていたがどれだけ好きなのかは分からなかった。むしろその話を聞いて期待はずれでごめんなさいとみずほは思った。



「は?何を言ってる?竜人の女と全然違うぞ。それに美味しい料理に気配り心配り·····竜人国ではありえない。弟があれだけ必死に言っていた意味がわかったよ。だからこそ、この国に連れてきたくなかった。」


??意味がわからず首を傾げると···


「弟や宰相を見て分かったろ?俺達世代はほとんど弟から話を聞いてる。だからその、なんだ、この国の者は日本人好きが多いから危険がある。特に王宮と関わりがあるような者たちから日本人は絶大的な人気がある、、、絶対俺達から離れないようにしてくれ。じゃないと何があるか分からない。ことこ様は騎士A.Bを常に側につける。あと副団長にも願おうと思っている。」


「そんなに危険なの?」どういうことなんだろう。


「あぁ竜人族は女性が強くて少し困ってる。この訪問がきっかけで、少しでも男女ともに意識が変わると良いのだが······まあそういうことだ。とりあえずこの部屋から動かないでほしい。」



「分かりました。」渋々理解した。



それ以降暫く皆無言だったが、ことこちゃんが飽きてしまったようで、騒ぎ出したのだが執務室の中には遊ぶものが1つもないため、グズグズといつも以上にぐずりだした。

騎士A.Bならばいつも泣き止ませることが出来るのだが全く泣き止まず、みずほの抱っこでも泣きっぱなしが続き、「一旦私達帰ろうか?」と声をかけた。


このまま居てもどうしたらいいのか分からないし、何よりも疲れた。


すると気絶していた王弟がバット起きあがり「行かないで下さい」と泣きながら縋られて、、、困ってしまった。

弟君もことこちゃんも共に泣いていてカオスである···ハァ〜疲れた。



「おい、迷惑をかけるな。そして泣くな。」と国王陛下に怒られた王弟がふぇーんんんん子供のように泣きじゃくる。


それから国王陛下が弟を慰めているが全く泣き止まず、ことこちゃんもそれに釣られてさらに泣き出し······みずほも思わず泣きそうだった。

それを騎士団長とエルフ、更に騎士A.Bがオロオロとアタフタと何も出来ずに見守り、、、、、これがかれこれ30分続き、流石にことこちゃんは疲れて寝てしまったが、まだ泣いている王弟·····

「あのね、弟君?そろそろ泣き止もう?目が腫れちゃうよ!それに娘も起きちゃう···」寝たばかりなのにまた起きたら···想像しただけで大変だよ、、、と思わずグッタリと答えた。



ぅぐ·····ズルズル静かな部屋に弟君の鼻水をズルズル啜る音が響く····ヒッグヒッグ


どのくらい時間が経ったのだろうか···宰相さんが戻ってきてくれたのかな?やっとこの状況を抜け出せるかもしれないと期待すると···


コンコンコン

「お待たせしました。」


は?誰?知らない人がやってきた···疲れた。


「何ですか?この状況?」


······??声は宰相さん?


なんだかよく分からなくなり「もう帰りたい···」とボソッとみずほが呟くと「原因は王弟君ですか?」すかさず宰相?が答えた。


「そうではないけど、娘も慣れない環境のため泣きっぱなしだったから少し疲れてしまって···」


「どこか休める部屋を準備しましょう!」とイキイキと張り切った声が部屋に響いた。



「いや、駄目だ。危険から守れない。この部屋から移動させることは許さない。」と国王が間髪入れずに言った。


「それもそうですね。じゃあこの部屋に運び入れましょう。」


スタスタと勝手に動き出した宰相?と、やっと泣き止んだ王弟···これからどうなるでしょうか??



それからすぐに創造神がやってきた。

「みずほさん大丈夫?上から見てたけど君達酷いね。もう正午回ったよ?君達の帰還を知った者たちもここに向かってるみたいだけど?どうするの?」


もうそんなに時間が経ったんだ···朝早くに起きてこんな騒動を起こされたから疲れる···


「申し訳ない。これから早急に対処をする。騒動が落ち着いたらもう一度転移魔法で来てくれないか?3日以内に迎える準備をする。」



「ふーん。3日以内にできるの?そこの弟は大丈夫?また泣きそうだよ。」ニヤニヤとしながら創造神が言った。


「弟と騎士A.B、エルフはみずほ様と一緒に神獣の森へ連れて行ってほしい。」


「それは名案だね!!!この弟は一緒に連れて行くね!」


なんだか知らない内に神獣の森に戻れることになりみずほは安心するのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーー


目の前から突然居なくなった·····

さっきまではそこにいたのに···と国王が唖然と呟いた。


それからハァ〜とため息を付いた。騒ぎになることは予想していたがここまで弟が泣くなんて···それに他の者まで嗅ぎつけてるとは面倒だ。あの創造神のことだ、きっと3日以内に片付けないともう会わせてもらえないかもしれない·····


「陛下?何故私はここに残ったのでしょうか?」と泣きそうになりながら騎士団長が国王陛下に質問をした。


「ハァ〜お前分からないか?騎士団長だろ!今後の件を副団長へ説明があるだろ。あと騎士団の団員への説明はどうする?何かあった時に被害に会うのはあの2人だぞ。」



「あっ!そうでしたね。私も神獣の森に帰りたかったですが···それは仕方ないですね。次の騎士団長も見つけなければなりませんし、3日で片付けます。」と自信を持って応えた。


「あ?騎士団長はこれからもお前だろ?」


「私はやめますよ!みずほ様から護衛を頼まれました。」



「ハァ?何も言ってる?そんな事聞いてないぞ。」と大声で怒鳴った。



「あぁそれは陛下がいない時に約束を取付けましたから!ちゃんと証人もいますよ!」



「ふざけんな。誰がそれを認めるのだ?」

俺の護衛は必要ないがコイツ以外あの騎士団をまとめられるものがいない···まさか弟以外でも疲れるとは···ハァ〜



コンコンコン

「失礼します。家具などをお持ち、あれ?女性や子供はどこに行きました?」


あぁ2人して宰相のことを忘れていた。


「1度神獣の森へ帰った。」



「は?もう一度言ってください。」と宰相は淡々と問いただした。



「だーかーら帰った。竜人国で起きている騒ぎを3日以内に終わらせないともう会えない。だから宰相手伝ってくれ。」と思わず懇願した。会えなくなったら···仕事が手につかなくなる



「なななんでそんなことに···分かりました。要らないもうは全て捨てましょう。ちなみに弟君は?」

宰相はあれだけ騒いで泣いていた王弟がいないのが気にった。


「あ、それは弟だけ神獣の森へ連れてかれた。あまりにも泣いて連れて行くしかない状況だった。」



?????

何故何故、私は?私も行きたかったです。と声には出さないが悲痛な顔を浮かべた。


それは知っていたが宰相のことを忘れてしまっていた···そのためとっさに嘘をついた。

「お前にはみずほ様の部屋の家具を選んでほしかったから残ってもらった。だから3日以内に面倒事を片付けて、2人に来てもらえるように早く動いてほしい。」 



「それなら仕方ないです。分かりました。私にお任せ下さい。外の騒動を素早く片付けて準備させていただきます。」



「あぁよろしく頼むよ!?」と国王陛下は嘘がバレなくて良かったと心の底から思った。逆に宰相はやっぱり異世界人を守れるのは自分しかいないと思った。



それから3人は3日間後に向けてバラバラに動き出した。


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