表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

4.『機巧箱』を通じての出会い。

(*‘ω‘ *)昼は、ここまでかな?

応援よろしく!


※すんません。続きはちょっと未定!!!!!!









「この『機巧』は、どのように使うの?」

「これかい? これは一つでは意味がないのだよ、リリス」




 幼い頃のリリスは、とにかく好奇心旺盛な少女だった。

 そんな彼女はある日の散歩道で、廃棄物として転がっている箱の存在に気付く。隣を歩く父にそれの使途を訊くが、返ってきたのはそんな言葉だった。

 その日は一度家に帰ったが、しかし彼女はすぐに『機巧箱』のもとに戻る。

 そして、どうやったら動くのかと乱暴に叩いてみた。すると、




「わぁ……!」




 なんと『機巧箱』に光が宿ったのだ。

 それに続いて映し出されたのは、いくつかの文字列だった。リリスにとってはそれだけで十分だったのだが、そこから思わぬ展開が生まれたのである。



「え、これって……?」



 光を覗き込むと、そこには他とは異なる文章があった。

 その内容というのも、誰かの日記のようで……。



『今日も、誰にも届かない手紙を記そうと思う』



 そんな書き出しから、なんてことのない日常が綴られていたのだった。

 どうやら、現在進行形で相手はそれを書いているらしい。どんどんと文字が刻まれていくのを眺めていると、リリスの手は勝手に手元の文字盤を叩いていた。

 そして、送信、と書かれた箇所を押す。

 すると――。




『はじめまして。あたしはりりす、しんかいのおんなのこです』

『え……?』




 どうやら自分の言葉が、相手にも届いたらしい。

 どこの誰とも分からない。ただたしかに、箱を通じた先で、誰かが同じように文字を打っているのだけは確かだった。向こうもそのことに驚いた様子で、しばし言葉が途切れる。

 しかし、少し経ってからこう文字が続くのだった。





『俺はカイルといいます。人間の男子、です』――と。









「カイルくん、ですか……?」

「えぇ、そうよ。ビックリするでしょ? 人間界と神界で繋がるなんて」



 アキラはリリスの話を聞いて、少し驚いた表情を浮かべる。

 そんな少女の反応を見て、リリスも懐かしくも恥ずかしそうに笑うのだった。それでもやはり、思い出の詰まった『機巧箱』は大切なのだろう。

 少しだけ溜まっていた埃も、丁寧に拭き取って微笑むのだ。



「あの、それでどうなったんですか!」

「どうなったって、なにが?」

「カイルくんです!」



 アキラはそう問いかける。

 この機巧を通じて知った相手とは、その後どうなったのか、と。

 少し図々しいとは分かっているものの、彼女はまだまだその手の話に興味津々だ。迫りながら訊いてくるアキラに対し、しかしリリスは少しだけ寂しそうに目を細める。

 そしてふと、とある方向を指で示すのだった。



「え……?」



 アキラが指先を追うと、そこにあったのは――。




「『カイル・ディオス』……二代目、図書館館長?」




 すでに亡くなった歴代館長の肖像画だった。

 皺だらけの笑顔を浮かべ、カイル元館長はこちらを見つめている。そして、それが語る現実を知ってアキラは押し黙るしかなかった。

 そんな少女を見て、リリスは少しだけ息をついてから語るのだった。




「神々と、人間の時は平等ではないの。だから、アタシがここにたどり着いた時には――」





 どこか潤んだ声色で。








「彼はもう、亡くなっていたわ」――と。






 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ