4.『機巧箱』を通じての出会い。
(*‘ω‘ *)昼は、ここまでかな?
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※すんません。続きはちょっと未定!!!!!!
「この『機巧』は、どのように使うの?」
「これかい? これは一つでは意味がないのだよ、リリス」
幼い頃のリリスは、とにかく好奇心旺盛な少女だった。
そんな彼女はある日の散歩道で、廃棄物として転がっている箱の存在に気付く。隣を歩く父にそれの使途を訊くが、返ってきたのはそんな言葉だった。
その日は一度家に帰ったが、しかし彼女はすぐに『機巧箱』のもとに戻る。
そして、どうやったら動くのかと乱暴に叩いてみた。すると、
「わぁ……!」
なんと『機巧箱』に光が宿ったのだ。
それに続いて映し出されたのは、いくつかの文字列だった。リリスにとってはそれだけで十分だったのだが、そこから思わぬ展開が生まれたのである。
「え、これって……?」
光を覗き込むと、そこには他とは異なる文章があった。
その内容というのも、誰かの日記のようで……。
『今日も、誰にも届かない手紙を記そうと思う』
そんな書き出しから、なんてことのない日常が綴られていたのだった。
どうやら、現在進行形で相手はそれを書いているらしい。どんどんと文字が刻まれていくのを眺めていると、リリスの手は勝手に手元の文字盤を叩いていた。
そして、送信、と書かれた箇所を押す。
すると――。
『はじめまして。あたしはりりす、しんかいのおんなのこです』
『え……?』
どうやら自分の言葉が、相手にも届いたらしい。
どこの誰とも分からない。ただたしかに、箱を通じた先で、誰かが同じように文字を打っているのだけは確かだった。向こうもそのことに驚いた様子で、しばし言葉が途切れる。
しかし、少し経ってからこう文字が続くのだった。
『俺はカイルといいます。人間の男子、です』――と。
◆
「カイルくん、ですか……?」
「えぇ、そうよ。ビックリするでしょ? 人間界と神界で繋がるなんて」
アキラはリリスの話を聞いて、少し驚いた表情を浮かべる。
そんな少女の反応を見て、リリスも懐かしくも恥ずかしそうに笑うのだった。それでもやはり、思い出の詰まった『機巧箱』は大切なのだろう。
少しだけ溜まっていた埃も、丁寧に拭き取って微笑むのだ。
「あの、それでどうなったんですか!」
「どうなったって、なにが?」
「カイルくんです!」
アキラはそう問いかける。
この機巧を通じて知った相手とは、その後どうなったのか、と。
少し図々しいとは分かっているものの、彼女はまだまだその手の話に興味津々だ。迫りながら訊いてくるアキラに対し、しかしリリスは少しだけ寂しそうに目を細める。
そしてふと、とある方向を指で示すのだった。
「え……?」
アキラが指先を追うと、そこにあったのは――。
「『カイル・ディオス』……二代目、図書館館長?」
すでに亡くなった歴代館長の肖像画だった。
皺だらけの笑顔を浮かべ、カイル元館長はこちらを見つめている。そして、それが語る現実を知ってアキラは押し黙るしかなかった。
そんな少女を見て、リリスは少しだけ息をついてから語るのだった。
「神々と、人間の時は平等ではないの。だから、アタシがここにたどり着いた時には――」
どこか潤んだ声色で。
「彼はもう、亡くなっていたわ」――と。
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