2.図書館司書のリリス。
今回少し短めで(寝起き
「アタシはリリス。神界から人間界に、研修へやってきてる見習いよ」
「彼女はボクが長になる前、ちょっとだけ世話役をやっていたんだ」
「な、なるほど……?」
――ひと悶着を省略して。
デウスはアキラに、リリスという図書館司書を紹介した。
一見してエルフと見間違える、耳の長い女性だ。青い髪を後ろで一つに結び、金の瞳でアキラを値踏みしている。対照的に身体は成熟しており、何故か敗北感を覚えるアキラだった。
そして、そう思ったのはリリスも同じらしい。
彼女はアキラのことを上から下まで、舐め回すように観察した後に、
「ところで、デウス様。この『ちんちくりん』は、誰なんですか?」
「ちんちく……!?」
「あぁ、アキラだよ。ボクは彼女の家に身を寄せているんだ」
無礼にも、そんな訊き方をしていた。
しかし引っ掛かりを覚えたのはアキラだけで、デウスもマキナもツッコミを入れない。それどころか、しっかり少女のことだと認識して説明を続ける。
アキラはその様子をただただ見守り、大きく肩を落としていた。
「というか、リリスの方こそ。なんでよりにもよって、図書館司書なんだい? キミみたいな騒がしい奴には似つかわしくないだろう」
「ぶー、それは酷いですよ。偏見です!」
そうこうしているうちに、話は進んでいく。
デウスの言い方に、リリスは頬を膨らして抗議した。そして、
「アタシが司書を選んだのは、まぁ……少しだけ、理由があったんです」
なにやら、含みのある言葉を返す。
アキラはその姿に対して、若干の違和感を覚えた。
だがデウスたちは気にした様子もなく、軽く聞き流す。その上で、リリスにこう訊ねるのだった。
「それじゃ、司書さんに訊くけど。この本はどこにあるかな?」
「え? あぁ、この本でしたら……」
それを受けて、ようやく司書らしい態度に戻るリリス。
しかしアキラは彼女の表情を見て、何かが気になるのだった。
「なにか、悩み事でもあるのかな……?」
首を傾げて、デウスの前で気丈に振舞う女性を見て。
同じ女の子としての勘が、なにかをアキラに伝えているのだった。
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