1.アキラの得た能力。
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「すごい。色々なものの『構造』が分かる……」
――翌日、アキラの姿は街の中にあった。
新しい仕事を探すことを忘れ、彼女は自分の身体に起きた異変を確かめていたのだ。それというのも、あの小箱を開けた途端、自身の瞳に起きたことについて。
彼女はその変化に対して、興味津々だった。何故なら、
「へぇ……! あの銀時計は、あんな絡繰りなんだ……!!」
アキラの目には、物の『構造が理解』できていたのだから。
それは普通の人間では、まずあり得ない能力。小箱の中に封じられていた光の影響なのだろうか。あの時を境に、少女は機巧弄りとしてこの上ない力を手に入れていた。
もっとも、本人はそれを金儲けに使う、という発想が微塵もないらしい。
その証拠に、先ほどからずっと――。
「あれは、ああなってたのか! え! すごい、これは――」
絡繰りや日常品、職人の作った意匠などを観察して興奮しているのだから。
周囲はそんな彼女に奇異の目を向けているが、当の本人は気にした様子もない。完全に自分の世界に入ってしまっていた。
そうしてしばらく、夢のような時間を過ごしたアキラ。
彼女はホクホクの笑顔を浮かべながら、帰路に就くのだった。すると、
「――ん?」
ふいに、こんな会話が耳に入ってきた。
「お願いします! これを直してください!!」
「うるさいな! そんな見たこともない絡繰り、直せるはずないだろ!!」
それは一人の少年と、技術師のもの。
男の手には、見たこともない形の人形が握られていた。どこか全体的に角張っており、人間のように四肢はあるもの、おおよそ人間らしさは皆無だ。一般的な技術師からしてみれば、見たこともない絡繰りであって、手に負えないだろう。
だがアキラの目には、それがいったい何なのか理解できた。
「アレは、もしかして『機巧』……?」
まだ具体的に見ていないので断言はできない。
それでも少年の手に握られた人形は、おおよそ現代の技術で作られたものではない、というのが理解できた。そして、それを直せる可能性があるとすれば――。
「どうしよう。これがないと……」
「ねぇ、キミ? 少し、いいかな」
「……え?」
――そう考えたら、アキラの身体は勝手に動いていた。
そして、少年に視線を合わせてこう告げる。
「それ、僕が直してみようか……?」――と。
まだまだ、未熟者だけれど。
少しでも良いから、誰かの役に立ちたいと思って。
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