イッとィル物語(上)
仕事一筋で家庭を顧みないまま定年退職を迎えた主人公は、妻から離婚を執拗に迫られ罵詈雑言も浴びせられる。そして、そんな毎日から逃がれるために故郷東北の寒村にある廃家となった実家を訪れる。そこで偶然目にした故郷の霊山・房住山(ぼうじゅうさん)について書かれた冊子を読んで触発され、登山を試みる。山道の中腹に佇んでいた老人に請われ、手を貸して立ち上がらせようとしたところ、強烈な力で引っ張られ谷底に転落する。
目が覚めると、そこは約千四百年前の房住山の洞窟の中だった。伝説の蝦夷三兄弟と出会い、皇軍との凄まじい戦を目の当たりにする。その後、主人公は熊に襲われるが、三兄弟の長男・アケ徒丸からもらった土笛の不思議な力によって死を免れ、江戸時代の故郷「入通(いっとり)」にタイムスリップする。
この時代では、凶作に苦しむ主人公の先祖と、彼ら民百姓を救おうと尽力する肝煎(きもいり)の円左衛門に出会う。円左衛門は高邁な志を持つ人格者であるにもかかわらず悪代官の謀略で磔にされ、主人公もその場で殺されかけるが、ここでも土笛に助けられて昭和二十(一九四五)年、第二次世界大戦の終戦直後の故郷に移動する。以下、下巻へ。
目が覚めると、そこは約千四百年前の房住山の洞窟の中だった。伝説の蝦夷三兄弟と出会い、皇軍との凄まじい戦を目の当たりにする。その後、主人公は熊に襲われるが、三兄弟の長男・アケ徒丸からもらった土笛の不思議な力によって死を免れ、江戸時代の故郷「入通(いっとり)」にタイムスリップする。
この時代では、凶作に苦しむ主人公の先祖と、彼ら民百姓を救おうと尽力する肝煎(きもいり)の円左衛門に出会う。円左衛門は高邁な志を持つ人格者であるにもかかわらず悪代官の謀略で磔にされ、主人公もその場で殺されかけるが、ここでも土笛に助けられて昭和二十(一九四五)年、第二次世界大戦の終戦直後の故郷に移動する。以下、下巻へ。
異時空間の交差点から
2020/05/31 14:32
(改)