淡くて深い
書きたいシーンだけ書いて力尽きた…。
わんこ系で人たらしな後輩のヒーローと、コンプレックス持ちで美少女な先輩が話している話。短いです。
「淡い石と書いてあわいし、って読むの。あ、みゆきは深い雪でみゆきね」
淡いのに深いって、変な名前でしょ、と自嘲するように笑った彼女に、おれは首を振った。
「おれは、素敵な名前だと思います」
真っ直ぐに先輩を見つめて言うと、思いもよらない事を言われた、という風に先輩は目を見開いて。
「淡い色…パステルカラー、っていうんでしたっけ、そういう可愛い色が好きで、繊細で、でも情が深くて、お人好しで…そんな先輩に、よく似合ってる名前だと思います」
今までの先輩との思い出を思い出しながらそう伝えると、先輩はどうしていいのか分からない、といいたげな顔で俯いた。
「……そう、かな」
「はい。おれは、深雪先輩の名前、大好きになりました」
「そっか…」
自信をもって、本心からの言葉をきっぱりと言い切ると、先輩は。
「ありがとう、陽くん」
ふわ、と。
花が綻ぶような、かわいい笑顔で、先輩は笑った。
ずっと、ずっと見たかった、先輩の陰の無い表情だった。
…見惚れた。すごく綺麗だった。可愛かった。目がすごくキラキラして見えた。
■ ■ ■
「淡い石と書いてあわいし、って読むの。あ、みゆきは深い雪でみゆきね」
淡いのに深いって、変な名前でしょ、と自嘲するように笑う。
このあべこべな名前は、小さな頃にからかわれてからずっと、嫌いだった。
「おれは、素敵な名前だと思います」
だから、そんな事を言われるなんて思っていなかった。
「淡い色…パステルカラー、っていうんでしたっけ、そういう可愛い色が好きで、繊細で、でも情が深くて、お人好しで…そんな先輩に、よく似合ってる名前だと思います」
真っ直ぐな瞳で、本心から言っていると解る真剣な表情で。
そう、彼が言ってのけるなんて、思ってもみなかったのだ。
(ああ、そうか)
私は、彼を、この後輩を、好きになったのか。
認めると、自然と顔が綻んだ。
「ありがとう、陽くん」
私の嫌いな名前を、大好きだと言ってくれて。
おしまい!
・淡石深雪
ヒロイン。紺色のセーラー服の大人びた美少女。純日本風で巨乳なイメージ。
矛盾したような自分の名前をコンプレックスに思っている。
人が困っていると助けずにはいられない性質。大人びた顔立ちに反し可愛らしいものが大好きで、服も本当は淡い色合いのロリータ系が好き。
結構繊細。些細な事で傷ついてしまう自分が好きではない。
・双理陽
ヒーロー。学ラン。太陽のような笑顔が特徴の天パの男子高校生。背は結構高いイメージ。
深雪の後輩。恋心は自覚済みデス。
「星空の双子」の夜と光星の子供。末っ子で4人目の子供です。
神守の力はほぼ継いでいない。が、人たらし。直感で人の本質を見抜ける。
人脈がすごい。カタカナ語や電子機器に少し弱い。スマホとかパソコンとかの設定は大体兄に丸投げしてる。
お読みいただきありがとうございました!
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