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6話:日本初の企業間、銀行間ネットワーク構築へ

 1985年も押し迫り12月になり、来年の交渉のスケジュールが発表されて2日に1回のペースで3人でチームを組んで日本で初めての移動電話NTTの「ショルダーホン」をもって他社を訪問する事となり過密スケジュールである事がわかった。この頃には投資仲間の3人と会う機会が極端に少なくなった。


 その代わり海藤努が仲良くしていて、いろんな情報を教えてくれたが、智惠さんが、どんな仕事をしてるとか、一切、秘密にして銀行関係の仕事をしているとだけ話した。そして1986年が空けた。海藤家では毎年恒例の初詣でに出かけ海藤努は一家の健康と安全を智惠さんは新しい仕事が軌道に乗りますようにと願った。


 1月5日から日本電気、富士通、日立製作所、東芝、三菱電機を訪問してネットワークの問題点がほぼ解消されたことを説明して1986年中には速度の改善や、その他の最終テストを完了させて各社との回線を繋ぐと言う話をした。三菱電機、三菱銀行、三井銀行、住友銀行、富士銀行には銀行オンライン化のシステムの最終段階に来て1987年には、オンラインで銀行の多くの支店間のシステムを繋ぐ実験をすると話して回った。


 そして1986年の4月に我が社にとっての懸案事項であった三井銀行の国内最大、オンライシステム事業部の売却の条件が決まった。そこの約80人のメンバーが入社してくるとこがわかり現在、64名のスタッフが144名に2倍以上の規模になる事がわかり大手町に今年出来る大きなビルに移動する事も決まった。


 オフィスの移動は1986年6月中に全て行う事になり正式に新社名、日本オンライン株式会社と命名する事も決定したと社内で発表された。その頃、大手電機メーカとのネットワークを繋ぐ実験で、いくつか起きた問題の対処をハード技術部のメンバーがして6月には全て解消されて高速ネットワークが構築できた。


 7月からは日本の大手銀行の本店と支店を繋ぐ事業を我が社と、日本の大手電機メーカの技術者を総動員して開始した。やはり数多くの問題が起き、その対応をマニュアル化して我が社のサイトに載せて、すぐ対処できる様に対応していった結果、1986年12月中に、ほぼ完成した。その後、1987年になり、最終段階のテストが丹念に繰り返された。


 そして1987年が空けても数多く多くの銀行と、その支店で高速ネットワークの試験が行われ、不具合が起こると関係者が集まり、修復するという地道が作業が続いた。やがて1987年11月を迎えた涼しくなった。そんな時、内藤から海藤へ以前、購入した日本電気株が急上昇してるから売りと言われ2600円で全株7万株を売った。


 すると、その晩、内藤から海藤に電話が入り税引き後利益1.7億円となったと告げられた。そして内藤が、俺は5千万円もらえればそれで十分だと言われた。そして、これからを内藤だけで投資をしてくれと言われた。但し情報を流してやるよと言ってくれた。この話を聞き海藤は、内藤にお礼を言った。その結果、海藤は1.2億円と手にした。


 高速インターネットが繋がらない所は、その支店の場所の問題となりNTTの仕事で解決する事になり最終的には、1988年、夏までには全国の大手銀行のネットワークが完成した。1988年9月10日のネットワーク完成記念パーティーには日本の首相や多くに政治家、大企業の社長が来て華々しく開かれた。


 この事業の陣頭指揮を執った早乙女社長が完成の挨拶の席上、事務的な話、技術的な話の時は立て板に水のように弁舌爽やかに話した。最後の方のハード、ソフト技術者の苦労や長い交渉を続けた話をした。さらに話が続き、多くの人は大手銀行、電気会社、通信会社から集まり結集したという話の所に来て、最後に本当に彼らには感謝していますと言うと思わず言葉に詰まり涙を流した。


 これには、日本オンライン株式会社に結集した人の苦労、努力が報われるような気がして、智惠さんも流れる涙をハンカチで拭こうともせずに感動していた。そして彼女が三菱銀行でしてきた仕事は金や商品を売ることだけで、今回の仕事のように全身全霊で、みんなの力を結集して社会のため、日本のため日本人のために働けたことに生まれて初めて大きな誇りを持った瞬間で一生忘れないだろうと思い本当に良かったと実感した。

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