15話::海藤営業本部長の誕生
「優秀プログラマーの佐伯課長、有能なネットワーク技術者の下田課長、有能な営業マンの坂下課長の3人の有能な部下を海藤智惠さんに預けるからチームで市場を開拓して欲しいと言われた。」
「もちろん、重役待遇の営業本部長に処遇すると言った。」
「それに対して身に余る光栄ですが、私は、結婚して子供いるので、家族と相談して結論を出したいので3日間、考えさせて下さいと言った。」
「火曜だが、来週の月曜日までに返事を下さいと早乙女さんが言ったので了解しましたと答えた。」
早速、家に帰り、智惠さんは、旦那の海藤努に、その話をした。
「そりゃ、すごいじゃないか、営業本部長か、俺と差がつくなと笑いながら言った」
出張の回数は、何回になるのかと聞かれ、自分が動くのではなく部下の3人の課長に指示して決済の時だけだと話した。
智惠さんが、行かなければならない事例は少ないと伝えた。
「実際に出張の回数が、どの位になるのか話を詰めてきて欲しいと海藤に言われた。」
「もし、君が全面に立って動くなら体力適に無理だろう。」
「もし指示して決済や交渉の時だけ参加するなら、できるんじゃないかと言った。」
「そーねと言い、もう一度、仕事の進め方を部下の3人の課長と早乙女専務と話すと言った。」
翌日、海藤智惠さんが早乙女専務の部屋をたずねて、
「仕事の進め方を聞くと基本的に君のやり易い方法でやって下さいと言われた。」
「会社としては、結果を期待して、3人の有能なスタッフを預けたと言った。」
「それに対し具体的な基本方針を早急に作成していただけますかと聞くと了解してくれた。」
その後、3人の課長を部屋に呼んで意見を聞くと私たちは現場で効率的に相手の会社の要望を満足させるシステムを作り上げる仕事をするだけです。
その他の交渉は営業本部長にお任せしたいと言った。実務的な事は、全て、こちらにお任せ下さいと言い、営業本部長には相手の会社の社長、ネットワークの責任者との費用、システム構築の日程などを交渉して欲しいと言った。ですから、もし相手の会社に伝言したり、できる事と出来ない事を知らせる程度の事なら自分達が出張して話しますと言ってくれた。
極力、本部長室には、我々の連絡を待って欲しいと語った。この話を聞いて、それなら、一緒に頑張って行きましょうと決まった。そして、具体的にターゲット先を早乙女専務に聞いて、今後の仕事のスケジュールを決めましょうと話すと3人とも了解してくれた。その後、部下3人との話し合いの結果を早乙女専務に伝え、本部長の職務を引き受けますと言った。
すると、どこから手をつけるかと言う事を担当者から相手先の会社に電話させ決めてる事が先決だ。そのスケジュールが決まったら、私の所に持って来て下さいと、早乙女専務に言われた。その晩、家で,旦那の海藤努に話すと、そりゃ良かったと言ってくれた。翌日、山下第一営業部長が智惠さんのオフィスを訪ねて来て、市場的に大きい大阪、名古屋、札幌、福岡から攻めたいと言った。
既に大手メガバンク3行、三井住友、三菱UFJ、みずほ銀行は本社と話がついていて問題ないと言った。残る大銀行、りそな銀行、OSC銀行、IKS銀行を訪問して欲しいと言われた。名古屋は、NG銀行、CHU銀行。福岡はFFT銀行、九州FG,NNHフィナンシャル、札幌はHY銀行、D銀行。仙台はNN銀行、SD銀行だと言われた。
仕事の仕方は3人を同じ地域に貼り付けて大都市から、例えば、大阪、名古屋、福岡、札幌の順に行うか、3人を分けて仕事をすすめるかと相談すると、営業部長が、この仕事についてライバルはいないも同然だから最初の大都市から順番に片付けていきましょうと言った。そのやり方で行くことにした。4月6日から順番に仕事の進捗状況を見て出張し3人の専門家の課長を送り込む事にした。
その後、何か問題があれば価格や業務的な交渉なら山下第一営業部長が出向き、システムの事で決済が必要な時は海藤本部長に、お願いすると言うことで決まった。そして4月6日朝9時に部下の佐伯課長、下田課長、坂下課長の3人が海藤・営業本部長の部屋に来て言ってきますと挨拶して大阪出張に出発した。