14話:セリカGTの試乗と売り込み
セリカGTは、シルバーの車体で、いかにも速そうという感じで4ドア・ハードトップでスタイルも良く池上智惠は、一目で気に入った。そして子供達を営業所に待たせて智惠さんと旦那さんと斎藤渉が車に乗り込んで車のエンジンをかけて試乗に出かけた。今日は、環状8号線から第三京浜で港北インターまで行って戻ってきましょうと言った。
そして、智惠さんが、シートを合わせて、エンジンをかけると、吹き抜けの良さに、思わず空吹かしすると笑いながら斎藤が、そんなに吹かすと急加速して危ないよと告げた。まず道路に出たら、どの位アクセルを踏んだら、どの位スピードが出るかを試して安全運転をして下さいと優しく言った。営業所を出て目黒街道を環八方面に向かい言われたように、おそるおそるアクセルと吹した。
そしてスピードが出る感じを掴んで、すごい馬力だねというと馬力以上にツインカムターボだから、すごい加速だよと斎藤が言った。そして曲がる度に斎藤が左折とか右折とか親切に指示してくれた。環八から第三京浜には一番左側の車線を走って下さいと言い目黒街道から右折して環八に入り少しして左折すると3車線になって、ここからスピードを出して良いと許可した。
智惠さんがアクセルと踏むと一気に加速した。思わず後部座席の海藤努が、うわーすごい加速だなと驚いた様子だった。その後、追い越しや80、100、120kmまで速度を上げると第三京浜には覆面パトカーがいるから気をつけるように言った。110kmの巡航速度で走り、次が港北インターですと言うと、えー、もう、試乗終わりと、智惠さんが言った。
困ったねと言い特別ですよと笑いながら言って特別に三ツ沢の出口までに行きましょうと言ってくれた。そして三ツ沢出口で降りて三ツ沢公園のところを右折して広い場所に出てユーターン。また、来た道を戻り、再び,三ツ沢インターチェンジから第三京浜に入り玉川出口から目黒営業所に戻ってきた。営業所に戻ってきて斎藤が、運転のフィーリングを掴んだと智惠さんに聞くのでバッチリと笑いながら言うと、じゃー契約しましょうと言った。
そして新車で400万円の車を360万円と言うと海藤努が中古車で1割引はないだろうと言うと厳しいこと言うなと言い返した。350万円というと契約するとバックマージン大きいだろというと、いくらにしろと言うんだと海藤努に聞くと現金払いで320万円と言うと、そりゃー厳しいと言ったが、何とかしろよと言うので、ちょっと待ってと言って事務所に入った。
20分くらい待たせている間に、お菓子と珈琲、紅茶を飲んで待っていると斎藤が戻ってきて試乗車と違うが白色のセリカGTでも良いかと池上智惠さんに聞くとシルバーより白の方が良いといった。それなら営業所のセリカGTを安くして320万円で売るよと言った。オプションもサービスしろよと、更に海藤努が言うと、だからセールスマンを相手に販売するのは、嫌なんだよと言った。
そして、あまり高いのは無理だよと言った。すると突然立ち上がって子供のプラモデルが欲しいと言った。その後、セリカ、クラウンのプラモデルを勝手に持って来て、これ頂戴と言った。斎藤が、わかったよと言って契約書を出した。そして海藤智惠さんが書類を書いてハンコを押した。名義人は、池上智惠さんで良いねと聞くのでOKと言って契約が終了した。
そして320万円の振込先を確認して、明日、入金すると言った。そして数日前に契約したばかりの駐車場に智惠さんの運転で家族5人で乗り込み、白色の1988年式、セリカ GTを車庫に入れて家に入った。1990年4月に海藤智惠さんが、突然、日本オンライン株式会社、入社を誘った早乙女龍一さんに専務室に呼ばれた。
そして海藤智惠さんに大手銀行のオンライン化が決まったが、まだ地方の銀行や証券会社、保険会社でもオンライン化を図りたい先が多いのでセールスエンジニアを育成して派遣したいと言われた。そこで営業本部長になって欲しいと言われ、もちろん忙しい事はわかっているので有能な部下をつけるよと言ってくれた。