1-3 エルフの里
俺達は、エフィの案内でエルフの里に来ている。昔は沢山いたエルフも今は、この里の住民を残すのみとなり、賢者様はそのエルフを守るために居てくれているそうだ。俺は賢者様のことをエフィに聞いた。
「賢者様は、どういう感じの方なんだ?」
「それが何と説明していいのか。スライムです。」
「そうか。スライムか。」
「でも、ドラゴンです。」
「そうか。ドラゴン・・って、どっちだってよ!」
俺はそうは言ったがある程度、予想はついていた。おそらく、World Creationのゲームであった、種族合成のキャラだろう。スライムでドラゴンだからスラゴン、いや、ドライムだったかな?などと考えているといつの間にか賢者様の家に着いたようである。そこは大きな大木を使用した家で枝には様々鳥たちが羽休めのために止まっていた。俺はあまりの大きさに思わず溜息が漏れた。
そして、ドアを開けるとそこには小さいドラゴンの姿をしているが、体がプルプルの透明な水色をしたモンスターがいた。そして、それは俺達に話かけてきた。
「なんや。エフィ、帰って来たんか?!
ん?そっちの二人は誰やねん。」
「始めまして、俺は異世界からの転生者でハヤトと申します。よろしくお願いいます。」
「始めまして、賢者様。私はラナと申します。そちらのハヤトと一緒に旅をしているものです。どうぞ、よろしくお願いします。」
「ほう、プレイヤーかいな。ワイは種族はスラゴンのスラ蔵やよろしゅうーな。で、今日はなんか用か?」
そりして俺は、スラ蔵に今までの経緯を全て話した。するとスラ蔵はこう答えた。
「なるほどな。これは憶測やけども、恐らく堕天使は本来なら転生する時に使用するはずやった、竜人の力を代価にして、その砂嵐みたいな空間感、この場合、元の世界から異世界の移動中になんかやばいもんを召喚させようとしとるな。契約魔法をつこうて。」
「それじゃ、俺は二重に損してるじゃないですか!」
「流石、堕天使なだけに、まさに悪魔の所業やな。」
「いやいや、上手いこと言ってないで、なんか堕天使の契約魔法を解除する方法は、ないんですか?」
「ない。けども、そんな異世界と異世界を渡る事なんて今後ないと思うで。」
「確かに、そうですね。」
「それよりも、自分、なんや勇者の墓の前に転生したらしいやん。それ、この森のいい伝えでは勇者になるらしいで。今、魔王が現れとるらしいから、倒しにいかんと。」
「魔王ですか?!でもWorld Creationのゲームには魔王はいなかったですよね。・・でも俺が勇者なら行かないわけにもいかないか。分かりました。やれるだけ、やってみますよ。」
「そういえば、スラ蔵さんはどうやって異世界転生したんですか?」
「それはやな・・・家で寝て、起きたら異世界やったんや。」
「・・なるほど、そういうパータンですね。」
そんなわけで俺達は魔王討伐の旅にでるのだが、その前にスラ蔵の勧めで賢者の塔に行くことになった。俺のレベルが低いので魔王討伐の旅に出る前に賢者の塔で鍛えろとのことだ。俺は今後もついてくるのかラナに尋ねた。
「ラナ。だぶん今後、厳しい旅になるとおもうけどお前はどうするんだ?」
「・・・じゃあ、もう少しだけ一緒にいようかな。貴方一人じゃ、心配だし。」
「・・・ありがとう、ラナ。助かるよ。」
そんな話をしているとエフィが言ってきた。
「ハヤトさん!私もついて行きたいです。」
「いやいや、こんな小さい子を連れて行くわけには。」
「私、いつか勇者様と旅をするのが夢だったんです!」
そんなことを言って、言うことを聞かないエフィに困ったので、スラ蔵に目線を向けて助けを求めたが・・。
「言っとくけども、エフィは頑固やで。ハヤトも覚悟決めなあかんな。」
俺は、はぁ〜っとため息をついてユフィに言った。
「なるべく、俺とラナでエフィを守るけど死ぬかもしれない旅になる。それでも行くかい?」
「はい!」
こうして、不安を抱えながらも俺達は賢者の塔へ向かった。