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1-2 賢者の森

俺はラナに尋ねた。



「ラナ、道を知ってるんじゃなかったのか?」



「知ってるわよ。」



「いやいや、これ明らかに道じゃないよね!」



「だから近道してるのよ。」



「へ〜、へ〜、・・・じゃあなんで俺達は、あれから三日も森から出られずにいるんだ〜〜!! 」



そんなこんなで俺達は、賢者の森で絶賛迷子中である。

まぁ、事の始まりはラナが近道があるからと道なき道を進み出したのが原因だ。元々、あった目印がなくなっていたらしくラナの大丈夫、大丈夫と言う言葉につられて付いて行った結果がこれだ。方向感覚も完全に狂っていた。ラナの持っていた携帯用の食事も尽きて、しばらく我慢していたが、もう限界だ!先程、腹が空き過ぎて且つ、それ以外に疲れもあって変にハイテンションになり、ラナにお前を食べちゃうぞ〜っと冗談を言ったところボディブロウを食らったばかりだ。俺は腹に痛みが残る中、近くの切り株に腰を下そうとしていた。すると何かが聞こえたような気がする。始めは幻聴かと思ったがラナも反応してるようなのでどうやら間違いないらしい。次の瞬間、その言葉ははっきりと聞こえた。



「きゃ〜、誰か助けて下さい!」



俺とラナはその声に向かって走り出した。途中、茂みをかき分けて進みが小枝などが皮膚に当たり正直痛い。だがそんなことも行ってられないので気合いを振り絞り俺は走った。

たどり着つくとそこには長い耳で見た目は十歳ぐらいの少女がいた。俺は人生で始めてみるエルフにえっ?まじでエルフ!すっげぇ!などと感動していたが彼女は俺達に向かって走って来た後、こう言った。



「私はエフィと申します。ホーンラビットに追われています。助けて下さい!」



あぁ、確かにあそこに見えるのはホーンラビットだ。ちなみにこのホーンラビットはWorld Creationのゲームの中では雑魚モンスターである。しかし、俺はレベル1でしかも武器も防具もない。こんな状態で勝てるものかと思っているとホーンラビットは深く沈み込むような動作をしと思ったらラナに向かって突進して来た。俺は咄嗟にラナの手を引っ張って逃げる。エフィも俺たちに付いてくる。ラナは少し笑顔を見せて言った。



「ありがとう、ハヤト。でも大丈夫よ。」



「何か倒す方法があるんだな?」



「もちろん。だから少しだけ時間稼ぎをお願い。」



「わかった。」



俺は、その辺の木の枝を構えてホーンラビットを挑発する。


「おい!こっだ!こっちに来やがれ!」



するとエフィも背中に背負っていた弓を取り出して、そして、構えて言った。



「私も当たらないかもしれませんが、援護します。」



俺とエフィがそう言ってホーンラビットを挑発をしているとラナが行動を開始したようだ。背中に隠してあった折りたたみ式のロッドを伸ばした後、それをバトンのように器用にクルクル回してみせた。そしてそれを胸の前に突き出し詠唱を始めた。



「火の精霊イフリートよ。我に邪悪なる者を討ち亡ぼす力を与え給え!ファイアボール!」



ラナの目の前に魔法陣が現れたと思った瞬間その魔法陣は光を放ち、そして巨大な火球が発生してホーンラビットを、一瞬にして焼き尽くした。そして、その後、俺の視界には喜んでいるエフィが見えた。俺は身を震わせていた。人生で始めて魔法を見たからである。そんな俺を見たラナが話しかけてきた。



「ハヤト、どうしたの?」



「はっ、始めて魔法を見た。」



「え?でもただのファイヤーボールよ。」



「いやっ、この感動はお前には、わからん!」



「ふっ、ふふふっ。やっぱり貴方って面白いわ。」



そんなことを話しているとある事に気付いた。あれっ?World Creationの時って魔法詠唱してなかったよな。俺はそう思いラナに質問する。


「なぁ、こっちじゃ魔法って詠唱しないと撃てないのか?」


するとラナは黙り込み、目線を外す。俺は、はは〜んっと思ってラナに言った。



「お前、さては詠唱いらないのに唱えてたのか?」



「・・・・・いいじゃない!そっちが、かっこいいでしょう!」



「いやいや、せめてもっと余裕がある時にしとけよ!」



などと話しているとエフィが近づいて来て話しかけてきた。


「まぁまぁ、お二人共、喧嘩しないで下さい。それよりも先程はありがとうございました。よろしければ森の奥にあるエルフの里に行きませんか?お礼もしたいので。」


その話を聞き俺は賛成する。



「いや〜、助かった。腹もぺこぺこで困ってたんだ。」



「私もいつかエルフの里に住む、賢者様に会ってみたいと思っていたのよ。ハヤト、ちなみに賢者様はプレイヤーよ。」



「おっ!本当に?!これは色々、話が聞けそうだな。」



こうして、俺達、三人はエルフの里に向かった。

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