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異世界で君に恋をする〜勇者と魔王とそして堕天使の契約魔法〜  作者: 大空 望
2章 アースガルド帝国編
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2ー2 アースガルド帝国 上編


俺達はあれからアースガルド帝国に到着し、街の中にやって来たのだが、周りの人達が俺達をいや、正確にはラナとエフィを見て騒いでいる。すると集まった人達の中の一人がラナに声を掛けた。


「貴方様は、もしや紅髪の歌姫様ではないでしょうか?!おお、噂どおり美しい。」


ラナに人が集まって騒ぎだす。ラナは戸惑っているようだ。俺は、紅髪の歌姫?なんだそれは。などと考えてるいると今度は、エフィに人が集まって騒いでいるようだ。エフィに集まった人達は、こう言っていた。


「おお、こんなところでまさか勝利の祈り姫に出会えるとは。」


俺は、エフィまでもがそんな二つ名があるのかと驚いていた。その二人の騒ぎはしばらく収まらなかった。やっと収まった頃に俺は、二人に二つ名の話を聞いた。街の人達の話とラナとエフィの話をまとめるとこうだ。


まずラナだが何故、紅髪の歌姫という二つ名がついたかは遡ること数年前、とある国で各国の偉い人達が集まる宴にラナもアースガルド帝国の隊長 アランの招待で出席した帰りに、久しぶりに美味しいお酒やご馳走を食べて上機嫌だったらしい。お酒が入ってほろ酔い気分だったラナはドレス姿で隣の町の宿屋まで歌を歌いながら帰っていた。すると、道端で大型モンスターに襲われていた貴族の馬車がいた。ラナは、そのモンスターを魔法で倒して、そのまま通り過ぎて宿屋まで帰って行ったのだが、助けられた貴族がラナの美しい姿と歌声から、きっと何処かの国の姫に違いないと思い、その噂が流れ紅髪の歌姫という二つ名がついたようだ。


もう一つのエフィの二つ名だが、数年前にスラ蔵とエフィがある町まで買い物に遠出をした帰りのこと、あまりに雨の日々が続いたのでエフィがスラ蔵に雨が止む方法がないか尋ねたところ、その辺でお祈りでもしてこいと言われて近くの丘の上で、雨が上がりますようにと祈ったらしい。するとちょうど雨が上がり雲の隙間から光が差しエフィを照らしたのだとか。

ちょうど、その頃、スラ蔵と丘を挟んで反対側で国同士の戦いが起こっていて、この時、負けかかっていた国の方がまるで自分達の国の勝利を祈っているかのようなエフィの姿にエルフの姫が我々の勝利を祈っていると勘違いして、再度戦いに奮起してその後、見事に戦いに勝ったことから勝利の祈り姫という二つ名がついたらしい。


俺は、正直この話を聞いた時、何という凄まじい勘違いなんだと思ったが、ここまで噂が広まってしまっては、もう取り返しがつかないので放っておくことにした。それからしばらく街を見て回っていると、遠くからアランがやってきた。多分、ラナ達の噂でも聞きつけてきたのだろうと俺は思った。そして、アランが話しかけてきた。


「ラナさん、アースガルド帝国に来ていたんだね。」


「アラン、賢者の塔であった以来ね。あっ、そうそうこの前、言い忘れていたけどハヤトは勇者なのよ。」


するとアランは驚いて言った。


「君が勇者か!これは、このタイミングで勇者が現れてくれたのは、幸いかもしれない。少し、ここでは話せないのでアースガルド帝国の王様に会ってもらえないだろうか?」


俺はアランの真剣な顔を見て言った。


「なんかやばいことでも、起こっているのか?」


「・・・この件は、アームスハイド王から聞いてくれ。」


そう言われた俺達はアランと一緒にお城に向かった。


その後、俺達はお城の中を王様に会うため歩いていたが、内装やら置かれている壺や壁にある絵などに目を奪われていた。そして、俺はアランに言った。


「凄いな。やっぱりこういう所は実際に来てみると想像してたのと豪華さが全然違うな。」


「アースガルド帝国の城は、周辺諸国の国と比べて大きい方だからね。それは、そうとハヤト君、ここが王様がいる玉座の間だ。」


そう言われて見ると何か龍の様な彫り物がしてある、豪華な大扉が俺達の目の前にあった。それを左右に控えていた兵士達が開けると、奥の方に座っている王様の姿があった。俺達はアランと共に奥の方へ進み、王様の前で膝をついた。そして、王様は俺に話しかけてきた。


「お主が、勇者か?」


「はい。勇者のハヤトと言います。」


「早速で悪いが実は、魔王の配下の四魔将なるものから、手紙が来ておってな。その内容には、次の様に記載されていたのじゃ。」


『私は、一週間後にアースガルド帝国に一万の魔族の大群を率いて向かおうと考えている。しかし私は寛大であるので、お前らにチャンスをやろう。三日後にグルド平原の一本杉に日が一番高く昇った頃に、そちらから代表を一名、選んで人を寄越すがよい。その者が見事、私に勝てたら一週間後の魔族の進軍は辞めてやる。分かっていると思うが指定された場所にもし、人が来なくても魔族の進軍を開始するので覚悟しておけ。


魔王軍四魔将 ガルザス』


「このように手紙には記載されておった。もう、私が言いたいことは勇者ハヤトも分かっていると思うが頼む、三日後の決闘に行ってくれぬか?」


俺はアースガルド帝国の人々を守るためであるならと思い行くことを決意したが、ある疑問が浮かんだので聞いた。


「分かりました。でも一つ気になるのは、魔族にしては少し人間っぽいという気がしますが私の気のせいでしょうか?」


すると王様はこう答えた。


「私もそれが気になって少し調べてみたんじゃ。するとその四魔将のガルザスなるものは目撃した者によると、どうも人間らしいんじゃ。」


俺は驚いた。そして、同時に困惑した。はたして俺は同じ人間と戦うことができるのかと。なぜ、ガルザスが四魔将になってしまったかの疑問は残るが俺は王様の頼みを了承することにした。


それと、俺は気になっていた魔王について王様に聞いた。すると王様はこう答えた。


「それが今だかつて誰も魔王を見たことがないのじゃ、目撃されているのは、その配下の者達のみなのじゃ。配下の者達も支持も無しに動くとは考えられないため、恐らく魔王は存在すとは思うが・・・すまんな、こんなことぐらいしか分からなくて。」



「いいえ。ありがとうございます。」


俺は、魔王の存在をまだ誰も見ていないのが気になったが今は、四魔将ガルザスの件に集中することにした。


その後、俺達は、アランからお城の宮廷魔導師を紹介してもらい、俺の額の堕天使の契約魔法について意見を聞くことにした。事の詳細を説明すると、宮廷魔導師のマインさんはこう言った。


「私は、元シスターとして神の啓示を受けていた経験もあるから分かるけど貴方から、異常なまでの悪魔の力を感じるわ。この悪魔の力は貴方がこのお城に入った時からすでに、感じていたわ。そして、他の誰かからも言われているかも知れないけど恐らく、この堕天使の契約魔法を破ることは人の身は恐らく無理よ。もしかしたら、神ですらも・・・いえ、今の発言は元シスターとして失言だったわ。お役に立てなくて、ごめんなさいね。」


「いえ、今の所は異常はないので気ままに契約魔法を解く方法を考えますよ。」


俺は、そう言ってお城を後にした。


俺の中で不安は尽きなかったが、その後、俺達は今後の戦いのために武器屋を訪れていた。

色々、三人で見ているとラナが話しかけて来た。


「ハヤト、なんかいい剣は見つかった?」


「いや、今のところ、スラ蔵さんから貰った、Aランクの武器であるこの、ライトオブセイバーを上回る物は見つからなかったよ。」


「そう、じゃあ三日後の四魔将ガルザスとの戦いは、その剣で戦うしかないわね。」


「そういえば、アランが言っていた明日の剣術大会は俺は出場するけど、ラナ達も見にくるんだろ?」


「ええ、もちろんいくわよ。」


そう俺は、明日、アランからの誘いで国が催している剣術大会に力試しのためにでる予定である。

四魔将を相手にする前に、今の俺がはたしてどこまで出来るのか、不安と期待を胸に俺は、明日を待った。















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