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火取虫(ひとりむし)

作者: tomato

蒸し暑い夜

眠れない。眠れない

眠れないから、夜の街を歩く

雑音

その中にまじって蘇る、あの声

いなくなってしまえ

振り払おうとしても、呼応する笑い声がおいかけてくる

怖い、恐い、コワイ

走って、走って

ほの暗い路地に入った


なぜ、ここに来たんだろう

誰もいない通学路

グランドに灯る殺虫ライト


バチッバチッ

耳障りな音を立て失われ行く命

それでも集い、自らの命を散らす火取虫


闇が怖いのか

光が恋しいのか

そこにある光の先は最期しかないというのに

目の前で命果て行く同胞を前にして

それでも火取虫は光へ集い来て、命を散らす


周りには共に光を望む仲間がいる

でも、彼らは気付かない

発する言葉を持たぬから

結局、

彼らはただのひとり虫


発する言葉はあるのに

それを使わない私も

結局ただのひとりむし




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― 新着の感想 ―
[良い点] tomatoさん、こんばんは。しみじみとした寂しさが伝わってくるような、そんな素敵な詩でした。情景が目に浮かんでくるようですね。言葉の使い方が上手くて凄いなぁと思います。夜に散歩していると…
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