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今日から学校と仕事、始まります。①莞

期末テストの前日や当日ってかなり楽しい

作者: 孤独


ピピピピピピピ



「あああーーーーーー!!」


アラームと共に起き上がる、俺。

ストップ&ゴーは、今日が特別だってのに、めっちゃ普段通り。朝飯抜いて、制服に着替えて、歯磨いて、髪型ばっちり整え、洗顔。自転車漕いで、無駄に汗かいて。



「到着!」

「おーっ、いつも通りだな」


相場竜彦。普通に、学校へと着く。


「いやー、期末テストだよな。今日。すげー時期外れな気がするけど」

「メタ発言を止めろ」

「そー言うなよ、舟ー。ところでお前。勉強した?」

「部活はなかったとはいえ、バイト漬けだ。やってねぇーよ。一緒だぜ」

「ほーっ。そうか。仲間だな。俺はずーっと、ゲームやってたわ」

「やっぱり一緒にすんな。社会勉強ができて金がもらえるバイトと、引き篭もって目の前と向き合わないゲームとじゃ、現実世界において、有利不利がハッキリしてるもんだ」


馬鹿2人。今日は珍しく、学生らしいトークであった。

教室に行くまでこんな学生の世間話。


「バスケ部の休みだぜ。しかも、連休。部活のゴールデンウィークってか?」

「まーな」

「ついついゲームとか漫画とか、夜遊びとかよー。したくなるじゃん」

「総じて、遊びだな」

「メッチャ面白い時なんだよ。買いたかったゲームが期末テスト前に発売しやがるしよぉ。毎回購買してる漫画も発売するしよ。バイト先もテスト期間の気を遣って、休みにしてくれるし」

「分かる分かる。部活とバイトが休みだとついな、遊びたくなるよな」



相場と舟は前と後ろの席であった。試験期間で今まさに勉強しているクラスメイトとは裏腹に、こんな日の楽しい闇の部分を語りだす。



「塾や通信教育だがよ。入試なんてもんに合わせずに、学校のテストに合わせる感じじゃん。いやー、ウザイよな。マジでやってらんねぇ」

「いつもやってねぇし。お前も俺も、どっちもやってねぇだろ」

「馬鹿は開き直って、こーいう大事な時こそ。キッチリ遊ぶんだよ!」

「いつも遊んでるだろ。馬鹿」



舟は溜め息出して、教科書でも取り出して、なんちゃって勉強でもするかと思ったら


「最新刊?」

「まーな。読むか?」


みんなが勉強をしている中。堂々と昨日買った漫画を読む。さらには相場にも渡して、読むよう促す。あんまりストーリーを読んでいる感じではないが、


「俺が言うのなんだが、舟は勉強しねぇの?」

「結果が分かってるのに勉強しても意味ねぇだろ?こんな時期に漫画読んで、ゲームして、俺って特別って感じ。優越感に浸りたいからな。マジでご苦労さん」



クラスのうぜぇ視線を気にせずに、遊んでいる2人。


「50分も暇だわー。名前書いて終わりだしよ」

「カンニングしないから3D○やV○○Aをやりたいよな。あっ、トイレ行く感じで教室を出て、トイレでゲームでもするか」

「それ虐められ子みたいなシチュだな、おい。便所飯っぽいぞ」

「わははははは!舟、やれよそれ!」

「するか、ボケ」



ゲラゲラ笑いに、漫画とゲームをホームルームで楽しむ様。

そして、思った事がある。分かっているからクラスのみんなはいやーな顔だけして、2人を見ている。


「期末テストの勉強してねぇのに、なんでテストをやんなきゃいけねぇーんだよ」

「テストが終われば、しばしの連休。まだ金を溜めたいんだけどな。バイト引き受ければ良かった」


馬鹿だから気付かないのか。


「どっちが点数高いか勝負するか?」

「なら、赤点の数で勝負しようぜ。赤点が多い方が飯を奢る」


2人、気付かないのか?マジで気付いてないのか?


「50分暇ーっ。これ、×3かよ!」

「しかも3日だ。午後はねぇーってのにな」


おい!答えを言え!!


「”なんで俺、学校に来ちゃったんだ。家でゲームしてれば良かった”」

「”バイトしてりゃ良かったな。金貯めて、原付でも乗れるようにしたかったぜ”」


ピンポンピンポーン!

お前等はそれだよ!なんで学校に来たんだよ!もう帰っていいよ!そんなやる気だったら!


「でもさ、テスト受けなかったら内申点とかに響くんだよな?テスト中にゲームできるか、先生に質問してぇーなぁ」

「留年とかなんたらにな。補修受ければ良いだろ。でも、それもめんどくさいな」


面倒だって分かってるくせに、面倒を引き受けていくスタンス!?

なんなんだこいつ等。そーいうものなのか。


「まーけどよ、面倒だがよ。俺はこーいう時間もこーいう期間も好きなんだぜ」

「?どーしてだ?」

「舟も言ったじゃねぇか。休みが近いって事。面白い事、たーくさん浮かんで!超遊びたくなるって充実感!たまんねぇーよ!テスト期間中、サイコー!ずーっとそーしろ、学校!!遊びサイコー!一緒に補修を受けようぜ、舟!」



それたぶん、昼間で学校が終わるからだろ。勉強する気ねぇーのな。

そして、テスト中の3時間もの時間。



「ぐごーーーっ、がごーーーっ」

「う、五月蝿い」

「集中できない………」


相場のいびきがメチャクチャ五月蝿くて、彼の周囲にいる人達はとても迷惑であった。


「こーいう奴って起きた後、ハイテンションだよな……」


舟はちょっとだけ真面目にテストをやったから、赤点は2つで済んだ(勉強はしてなかったけど、分かるものは分かる。よーは赤点をとらなきゃ、なんでも良いんだよ)。相場は全滅の補修タイムである。仲間でも裏切り行為は飄々とするのであった。




人生を楽しむ者が正義だから、気楽に勉強も遊びもすれば良いと思う。迷惑行為は止めてほしいけど。




どうせみんな、社蓄になるんだ……。

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